じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
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農学部構内のギンナンの実。秋空に黄金色に輝く。 |
【思ったこと】 _11009(火)[電脳]IT時代における大学図書館の役割 このところ複数の会議で、大学の図書館の最近の変化について話を伺う機会があった。かつて大学図書館と言えば、専門書や学術雑誌を書庫にたくわえ、教員や学生に貸出すという点で重要な役割を果たしてきた。ところが、このところのIT化の流れの中で、書籍の購入、管理、雑誌製本などとは異なる分野に使われる予算の比率が急激に高まってきたのだという。 そうしたなか、最近ちょっぴり疑問に思うことがある。各大学図書館は、電子ジャーナル、書誌情報、新聞記事DBのために個別に予算を投入する必要があるだろうかということだ。 もともと、各大学が自分の図書館の蔵書の充実に努めたのは、そこに足を運んで直接閲覧したり、借り出したりする必要があったからである。しかし、印刷書籍と異なり、電子的な媒体で提供される情報は、国内はもとより海外のどこからでも容易に入手できる。そういう状況のもとで、各大学の図書館が、個別に何十万から何百万もの(国立大ならば)国費を投じて競い合うように電子媒体を購入し、その管理、維持にこれまた多額の設備費や人件費を投じるというのは無駄遣いではないだろうか。 かつて私がネットを始めた頃には、当時の学術情報センターの各種DB、Eメイル、BBS、ネットニュースなどのサービスを頻繁に利用したことがあった。EメイルやBBSあるいはホームページ開設のような部分は、今ではすっかり大学の総合情報センターや民間のプロバイダに頼ってしまったが、本来のDB提供機能はむしろますます利用価値が高められるべき方向にあったと思う。だからこそ基幹ネットもきっちりと整備されてきたのである。またそこでは課金のシステムがちゃんとできあがっているので、利用頻度の少ない宝の持ち腐れ的なDBにもおのずとチェックがかかるはずだ。 これに対して、各大学の図書館が個別にDBを充実するというのは、大学間の利用を前提としないローカルは発想、つまり旧来の「蔵書をたくわえる」発想が抜けきっていないように見える。しかも、この種のソフトの価格は、多少の値下げ交渉はあっても殆ど業者の言い値で決まってしまうように思える。購入価格が適正であるかどうかのチェックもかけにくいし、利用頻度が把握されないままに宝の持ち腐れになる恐れもある。 では、どうすればよいのか。素人なりに次のようなことを考えた。
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