じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] カラスウリの実が目立つ季節になってきた。今年は、座主川沿いではなぜか数が少なく、わずか2個しか見つけることができなかった。





12月19日(水)

【ちょっと思ったこと】

今年も忘年会欠席

 学部の会議終了後、教職員による忘年会が開催されたが、昨年に引き続き、確信犯的に欠席した。理由は昨年と全く同様。ホテルでの立食形式の忘年会が続く限り、今後とも出ることはない。もっとも、忘年会と言えば20日には学生主催の教室の忘年会が開催される。こちらばかりは、義理でも出ないわけにはいかない。アルコールを飲むのは、11月22日に行われた第10回エコマネートークの懇親会以来1カ月ぶりのこと。そのもう1つ前は8月に行われた行動分析学会年次大会の懇親会。アルコール摂取量がきわめて少ない私である。



織り姫星の二度見

 このところ、夕食後と朝6時頃にちょっとだけ散歩をしている。どちらも真っ暗で星を眺めるのが楽しい。夕食後、北西の空には、こと座のベガ(織り姫星)がひときわ明るく輝いている。朝6時頃、今度は北東の空に現れる明るい星もこれまたベガである。

 ベガ(織り姫)、アルタイル(彦星)、はくちょう座のデネブを結ぶ三角形は「夏の大三角形」などと呼ばれるが、どう見ても夏だけの星座とは思えない。冬至の頃の西の空にも見えているかと思えば、2月以降は明け方の東空に出現してくる。むしろ「北の大三角形」と呼ぶべきではないかなあ。
【思ったこと】
_11219(水)[心理]クリティカル・シンキングのネタに「遺伝子組み換え食品」を使ってみる(前編)

 木曜日1コマ目の分担授業「行動科学概論」では毎年「クリティカル・シンキング」の話をしている。全部で5回だけであり、教材も限られているのだが、同じ話の繰り返しではマンネリになってしまう。そんなこともあって、毎年その年の時事問題をネタに取り入れているのだが、今回は「遺伝子組み換え食品(GM食品とも呼ばれる。俗に言う「GMO」は「Genetically Modified Organisms、遺伝的に改変した生物」の略)を事例の1つにしてみようかと思っている。

 元のネタは、先日、『UNIV.CO-OP』という全国大学生協連発行の雑誌で見つけたもので、執筆者は『遺伝子組替え食品』(文春新書)の著者のお一人の川口啓明氏であった。

 大学生協発行の雑誌などというと「遺伝子組み換え食品絶対反対」を叫んでいるような先入観を持ってしまうが、記事の内容は全く逆で、むしろ素人判断による過剰な排斥論を批判し、科学的妥当性のある的確な判断の必要性を説く内容となっていた。

 川口氏は、GM食品に関する誤解を以下のようにまとめている。
  1. GM食品のような新品種は安全性の確認に問題がある
    →伝統的な品種改良(交配、F1品種、放射線、突然変異誘発剤、バイオ手法など)でも遺伝的な変化があるはずだが、安全性確認は行われていない。
  2. ノンGMなら安全か
    →STS(シンクロニー大豆。突然変異誘発剤により特定の除草剤だけに耐性を持たせたもの)はGM手法を使わずに突然変異させたものなので、加工食品の表示上は「GMでない大豆使用」とうたえる。
  3. GM食品はアレルギーを引き起こす
    →GM作物で新たに作り出されるタンパク質については検査済み。食物アレルギーは、GM食品登場以前からあった。
  4. GM食品以外は、何千年も食べてきたので安全
    →酒類は何千年も飲まれてきたが、れっきとした発ガン物質。
  5. GM作物の栽培は自然環境に悪い
    →農業自体が環境破壊の側面をもつ。GM作物のほうが農薬使用量が減るので悪影響の度合いが少ないと言える。
 川口氏はこれらをもとに
GM食品についてさまざまに流れる情報の中で、どれがまともで、科学的な妥当性があるのかを、的確に判断できるように、まずは高校や大学の生物学の授業で習うような基本的なレベルから、正確に理解していくことが必要なように思えます。
と結んでおられた。その本旨からは逸れるが、ここでは、クリティカルなとらえ方をさらに磨くためにさらに先に進んでみたいと思う。つまり、
  1. 上記の5つの議論は「GM食品は安全である」という根拠になるだろうか。
  2. 上記の5つの議論以外に「GM食品は危険である」という主張はあるだろうか。
  3. 「GM食品は安全である」ことが100%確認された場合、それをたくさん購入することに問題はないのか?例えば、農業生産にはどういう影響を及ぼすだろうか。
次回はこの点について考えてみたい。