じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
カラスウリ。赤い実を見ると秋の訪れを実感する。 |
【ちょっと思ったこと】
コーヒーを飲んでから昼寝すると寝覚めがよい 夕食時に視た「クイズ日本人の質問」によれば、最近は、短時間の昼寝を確保する職場が増えているとか。一般的に人間は、夜間のほか午後2時ころに軽い眠気が生じるようになっており、そのあたりで15分ぐらい、完全に横にならずに昼寝をするのがよいとか。クイズとして出題されたのは、そのさいの裏技。正解は、コーヒーを飲んでから昼寝すると、カフェインが効いてきた頃にちょうど目が覚め、すっきりするということだった。確かに眠いときにコーヒーなど飲んでも直ちに目が覚めるわけではない。タイミングがうまく合えば効果的だろう。 もっともこれは寝付きがいい人に限るはずだ。昼寝しようと思っているうちにカフェインが効き始めたらもう手遅れである。 このほか、関空への電力供給を管理するセンターでは、夜間の室内照明を2500ルクスまで上げて眠気防止をはかっているというのが興味深い。もっとも、電力供給管理のようなものは、かなりの程度まで機械で制御できるはず。異常時の警報システムさえちゃんと作動するようにしていれば、わざわざ担当者の覚醒レベルを上げなくても事故は起こらないように思うのだが。むしろ問題なのは、真夜中に発着する航空機のパイロットや管制官の眠気だろう。 そういえば9/29の新聞に「全日空あわや飲酒飛行?」という見出しの記事があった。ベトナム・ホーチミン発成田行きの便(9/13の22時50分発予定)の副操縦士が酒のにおいをさせていたため、機長の判断で酔いが覚めるまで出発を見合わせ。結局、予定より7時間遅れて14日早朝に離陸したという。この不祥事の詳細は現在調査中だというが、副操縦士は「深夜便の前に睡眠をとろうとしたが、寝付けなかったので飲んだ」と説明しているという。この言葉からも示唆されるように、国際線の操縦士の睡眠管理というのはなかなか大変ではないかと推察される。飲酒操縦はゼッタイに困るが、居眠り操縦もお断りだ。アルコール検知ばかりでなく、睡眠管理のチェックもちゃんとしてほしいものだ。 買い物袋はちゃんと再使用されている? ローカルニュースによれば、岡山を除く(←why?)中国地方4県で、自治体と業者が一体となった「買物袋キャンペーン」が始められたという。石油から作られる買い物袋(レジ袋)の使用量は1年間に1人あたり260枚にのぼるとか。丈夫な買い物バッグを持参し繰り返し使うことで資源の節約をはかろうという目的のようだ。 1年間に260枚というのは明らかに多すぎるとは思うが、個人的には、買い物袋というのは十分にリサイクルされていると思う。我が家では、水気がつかなかった袋は大切に保管し、旅行時の衣類入れなどに活用している。汚れてしまったものはゴミ袋として活用。レジでもらってきた袋を再使用せずにそっくり捨てるなどということはあり得ない話だ。 けっきょく、一番の問題は生ゴミをどう処理するかということかと思う。ゴミの回収を必要とする限りはポリ袋が必要。悪臭が出ないように小分けして詰めるのに買い物袋が役立っているというのが現状かと思う。いっそのこと、各家庭が自宅の庭(アパート住まいの人には公共地を貸し出し)で生ゴミを処理することを義務づけたほうが、トータルではるかに資源節約になるのではないか。そうなれば、ゴミ用の袋も不要となり、買い物袋は要りませんという人が増えてくるはず。 |
【思ったこと】 _20929(日)[心理]英語教育と日本語文法を疑う(12)日本人の英語力の現状認識についての異論 昨日の続き。今回は英語能力検定試験の国際比較をもとに議論をすることの是非について考えてみたいと思う。 英語を苦手とする人々にとっては「日本人が英語を使えない」という主張は無批判に受け入れられがちである。TOEFL、TOEICといった国際的な検定試験における日本人受験者の平均点は確かに低い。しかしながら、他国との順位比較が客観的な根拠になりうるかどうかははなはだ疑問である。 英語指導方法等改善の推進に関する懇談会報告(2001年1月)の資料編には TOEFLの国別比較が掲載されている。その表には「日本人受験者の平均点は501点、アジア21か国・地域中18位)」であると記されているが、表にあげられた中でサンプルのサイズが同程度であるのは、中国562点(受験者70760人)、 韓国535点(61667人)、台湾 510点(32967人)、インド583点(30658人)という4カ国・地域にすぎない。 ちなみに同じ表の中には平均点上位3カ国が紹介されているが、それらはドイツ617点(44人)、ノルウェー607点(62人)、フィリピン584点(92人)と遙かに少なく、比較可能なサンプルとは言い難い。 TOEFLに関しては、その後2001-02年度版のデータ・サマリーが公開されている。それによれば、TOEFLコンピューター・テスト(CBT、日本では2000年10月より切り替え・導入)において、日本語を母国語とする受験者60114人の平均点は184点であり、韓国語者201点(52506人)、中国語者204点(45355人)などアジア各国が軒並み200点を超えているなかで際だった低さを示している。表に示されているデータの中で、日本より平均が低かったのは、ジャワ語者175点(280人)、ウォロフ語者183点(296人)、 マドゥラ語者Madurese182点(129人)の3言語者のみであった。しかしTOEFL-CBTの受験者数がアジア地域で1万人を越えているのは、日本、韓国、インド、台湾、中国、フィリピンの6カ国・地域(Paper-basedはこのうちのフィリピンを除く5カ国・地域)、ヨーロッパではドイツ、フランスの2カ国にすぎない。 TOEICの公式サイトには、少し古いが1997〜1998年の国別平均点が掲載されている。それによると日本人受験者の平均スコアは451点であり、16カ国・地域の中で最低であった。しかし、日本人の受験生は86万2509人でありなんと全受験者の62.7%を占めていた。いっぽう平均点が最高を記録したドイツ(788点)の受験者数は615人にすぎなかった。 以上から言えるように、点数や順位に基づく国際比較は、日本人の英語力を測る客観的証拠としてははなはだ不十分である。また、英語が国際語化しつつあるとはいえ、TOEFLやTOEICの点数向上を達成目標として教育を目ざしている国はそれほど多くないということも結論できる。 但し、絶対評価として、中学〜大学における現行の英語教育が必ずしも成果をあげていないこと、また、アジアの先進国・地域の中で遅れをとっているという事実は読みとることができる。ちなみに、いくつかの大学では、英語能力検定試験(外部試験)で一定の成績をおさめた場合に、英語授業科目の単位認定を受けることができる制度が確立している。岡山大学の場合は、「英語 準1級」、「TEOFL500点以上」、「TOEIC 586点以上」のいずれかを満たした場合に「英語A」の単位を4単位、また、「英検1級」、「TEOFL550点以上」、「TOEIC 730点以上」のいずれかを満たした場合に「 英語A」8単位を取得したものとして認定を受けることができるようになっているが、実際にこの得点で単位認定を受けた学生はきわめて少ない。この基準に達するためには相当の訓練が必要のようだ。 |