じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[写真] 講演(←年次休暇)の翌日、淡路島の水仙園に寄ってみた。評判には聞いていたが、まさに「百聞は一見にしかず」の言葉どおりの素晴らしい眺めだった。余談だが、これまで兵庫県の最南端は淡路島にあると思っていたが、じつはもう1つ有人の島があることを初めて知った。


2月5日(水)

【思ったこと】
_30205(水)[一般]5万円のハイウェイカード廃止のロジックと買いだめの損得

 1泊2日の小旅行の際に5万円のハイウェイカードを購入しようとしたら、発行機のところに「平成15年2月28日(金)をもって、ハイウェイカード(5万円券・3万円券)の販売を終了させていただきます。/平成16年2月29日(予定)までご利用いただけます。」という掲示があることに気づいた。少し前にこの方針が決まったことは知っていたが、こんなに早く実施されるとは思わなかった。来年の3〜4月頃は、大学に入学するはずの息子の引っ越しもあるだろうから、我が家に限っては高速道路の利用頻度が増える見込み。その前に廃止されるのは痛い。

 で、私が一番関心を持ったのは来年3月1日以降に、使用残額がどのように処理されるかということである。ネットで検索したところハイカハイシというサイトに次のような説明と事例が挙げられていることが分かった【以下要約】。
  • 残額は、公団指定図柄(再発行券)に1万円以下に分割して再発行する。
  • 5万円券(5万8000円までご利用可能)の未使用カード→1万円券5枚+8000円分使用可能の券
  • 利用残高が2万4200円だった場合→1万円券2枚と、4200円分使用可能の券
 要するに、5万円券を買いだめしておけば、当分の間は、割引の特典を保持したまま1万円券などに分割して使用できるので、非常にお得ということになる。高速道路をある程度利用する予定のある人は、余裕資金のある限りは買いだめに走るかもしれない。2月末を待たずに完売ということもありうるのではないかと思う。

 ところで、今回の販売・利用停止の理由だが、道路公団の「言い訳」のロジックは説得力に欠けている。ハイカハイシの説明を要約すると、
  1. 平成11年5月に、偽造ハイウェイカード(5万円券)が発見されたので道路公団としていろいろな対策をとって努力した。
  2. 偽造対策は一定の効果があったが、今なお新たな偽造ハイウェイカードが発見されるなど、社会問題化してきた。
  3. 国の審議会等で、「偽造が問題化しているハイウェイカードを廃止し、割引策をETCによるものに集約すべきである」との答申が出され、国の指示により、今回の廃止の決定となった。
 要するに公団の論点は、「偽造が防げないので」と「国の指示により」の2点に集約できるかと思うが、「偽造が社会問題化したから廃止」を認めるなら、「偽札があるので紙幣を廃止する」、「偽造があるのでパスポートを廃止する」ことだって言える。社会問題化というなら偽札や偽造パスポートのほうがはるかに重大ではないか。しかもこれでは犯罪への屈服だ。ハイカは、一般の銀行キャッシュカードや紙幣一般と異なり、あくまで料金所の職員の手で操作して引き出すものであるから、本来は偽造を見破りやすいし、使用者をその場で逮捕することだって容易にできるはずだ。だいいち、偽造だけが問題ならば1万円券5枚のほうがもっと深刻になるはずである。

 高額ハイカ廃止の本当の理由は、料金所の人件費削減、そしてそれを実現するために不可欠なETC普及にあるにちがいない。ヘタな理由を後付けするより、堂々と本音を述べればよいと思う。以下にその見本を示すと...
公団では、料金所の人件費を削減するため、ETC普及を目ざしてきました。しかし、割引率の大きいハイカがある限り、ETCの利用者は期待されるほどには増えず、結果的に、地方のICでは、ETCゲート(紫ランプ)は閑古鳥が鳴き、設備投資の効果が現れていません。そこで、「ETCを利用しないと割引してもらえない」という好子消失の随伴性を設定する目的で、高額ハイカを廃止することに決めました。文句のある人はさっさとETCを取り付けてください。
といった具合だろうか。

 なお、通常、この種の割引カードは投機の対象にもなりうる。例えば、500万円の資金で5万円カードを100枚仕入れれば、3月以降はおそらく1枚5万1000円、最終的には5万5000円ぐらいで売れる可能性があり、ひょっとすると30万円ほどの利益が転がり込むことになるはずだ。しかし、上記のように偽造カードの問題が強調されると、ネット取引で買うような人はまず居るまい。但し、信頼の厚い金券ショップならば購入者もありうる。この場合、表示金額より高いレートで取引することは違法になるのだろうか。

 もう1つ、道路公団のほうだが、買いだめが増えると、2月期の現金収入は大幅に増えることになる。一方、3月以降は、その見返りの落ち込みが予想される。このあたり会計上、税金上はどのように処理されるのだろうか。一般論としてはタンス預金を引き出してハイカを買いだめすることは一時的な消費活性化のようにも思えるが、ハイカの買いだめに資金を投入することで他の商品の購入を先延ばしすることになれば逆に停滞を招く。どなたかお教えいただければ幸いです。