じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[写真] 明石海峡大橋2点。左は成田〜福岡便の上空から見た様子。右は、2/5、淡路島からは岡山に戻る時に撮影したもの。 [写真]


2月6日(木)

【ちょっと思ったこと】

プラネタリウムの廃館と休暇村天文台

 複数のWeb日記などで話題になっているが、池袋の「サンシャインプラネタリウム」が2003年6月1日をもって閉館することになったという。また、これに関して、日本プラネタリウム協会会長から存続を願う声明が発表されたという。

 サンシャシンのプラネタリウムには何かのついでの1度だけ立ち寄ったことがあった。中学生の頃によく通った渋谷の五島プラネタリウムに比べると投影機がシンプルになっており、見やすい反面、安っぽさを感じた。また、私が見学に行った時は、ありきたりの星座の説明と星座にまつわる伝説の紹介のみであり、天文ファンとしてはまことに物足りない内容であった。

 もともと、天文に興味を持つということは、地球の外の世界への好奇心から生まれるものであって、神話や伝説にロマンを感じるからではない。むしろ、美しい天体写真や、天文学にまつわるQ & Aに焦点をあてるべきだったと思う。




 そう言えば、2/4に泊まった「休暇村 南淡路」では、20時から21時のあいだに天体観測会をやっていた。殆ど宣伝していないにもかかわらず30〜50人程度の宿泊客が集まり、中型の望遠鏡の接眼レンズを直接覗いて、土星、木星、スバルを見物した。都会の真ん中で人工的な光点を眺めるよりは、風呂上がりに本物の星座を眺め、レンズを通してじかに天体に向き合うということのほうが感動が大きい。プラネタリウムは衰退するかもしれないが、この種の天文施設は逆に観光名所になる可能性がある。

【思ったこと】
_30206(木)[心理]自然とかかわるセラピー(1)自然にもいろいろ

 2/10に、学長裁量経費の配分を受けた「自然と人間」プロジェクトの研究会が学内で開催され、私も「自然とかかわるセラピー」ということで30分の講演(+質疑30分)をすることになっている。これまで、この種のテーマの研究会というと理系の部局の主催のものが多かったのだが、今回はすべて文学部の教員による発表ということで、これまでとは違った視点からのディスカッションが期待される。

 今回はわずか30分ということなので、よほど論点を絞らないと何も伝えることができない。いま考えているのは
  1. 自然にもいろいろある。我々がふだん「自然とふれあう」と言う時の「自然」は、じつは人間が作った自然環境にすぎない。
  2. 自然との関わり方にもいろいろある。
  3. 効能を強調するセラピーにはいろいろあるが、人工的な実験環境の中で断片的な医療効果を「検証」してもあまり意味はない。自然の神秘的なパワーよりは、関わり方の中味を科学的に分析すべきである。
という3点だ。

 このうち1.の論点に関しては、例えばこういう写真を何枚か提示したいと思う。大部分の人はどちらも美しい自然だと感じるに違いない。しかし、本物の自然は左側、右側はそういう原生林を人間が破壊して新たに作り上げた自然環境の一部なのだ。

 以前、農学部の先生と話をする機会があったが、我々が親しむ日本の自然環境は大部分、人間が切り開いて作ったものである。人間が手を加えなければ雑草が生い茂り、いずれは雑木林になってしまう。のどかな田園風景や、北海道の雄大な牧場風景はそれでよいのだが、ありのままの自然では決してない。自然とは人間に対してそんなにフレンドリーではないのだ。