じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 球根を植えっぱなしにしてあるグラジオラスが数日前から花をつけている。昨年とほぼ同時期、夏至のちょっと前から咲き始めるようだ。


6月21日(土)

【思ったこと】
_30621(土)[一般]大河ドラマ“武蔵”の視聴率は回復するか

 昼食時にNHK「武蔵 MUSASHI」(再放送)を初めて視た。時間を拘束されるのが嫌いということもあって、昔から連続ものは原則として視ないことに決めているのだが、6月12日の朝日新聞文化欄に「武蔵 苦戦!」という記事があり、視聴率低迷の原因を探りたかったからである。

 6月12日の記事・グラフによれば、「武蔵」の視聴率は
  • 21.7%からスタート。
  • 第7回(2月16日)に最高の24.6%を記録(このあたりで主演の市川新之助の私生活が問題になる)
  • その後は20%台を維持。
  • 第11回(3月23日)18.4%に落ち込み(3月20日より米英のイラク攻撃)。以後ずっと20%未満。
  • 第15回(4月13日、統一地方選開票速報)に最低の13.0%を記録
  • 第22回(6月1日)13.8%
  • 第23回も15%未満
という推移をたどっている(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 記事では、
  • 米倉の「たくましいお通」に対するオールドファンの抵抗感
  • マンガ「バガボンド」でフリーター風武蔵になじんだ若いファンからの違和感
  • 吉川英治の愛読者を戸惑わせた
  • 米英軍のイラク攻撃で負傷した子どもたちの姿が映し出されたために厭戦ムードが広がった
などが視聴率低落の原因として挙げられていたがどんなもんだろうか。「忠臣蔵」や「新撰組」などをみても、映画やドラマで様々な形で描かれており、他作品と異なるというだけで視られなくなるとは考えにくい。イラク攻撃が一般的な厭戦ムードをもたらしたのなら、「ロード・オブ・ザ・リング」などにも同様の影響が出たはずだ(←上映されたのは開戦前ではあったが)。だいいち、かつてのベトナム戦争の頃に比べれば、イラク攻撃では生々しい血みどろの映像は殆ど流されなかった。




 視聴率推移を分析する時にぜひとも必要なのは、裏番組の視聴率がどう変化したのかということだ。同時に2つの番組を視ることができない以上、例えば、4月以降に大人気の裏番組が登場すれば大河ドラマの視聴率は結果的に低下するだろう。あるいは、首位独走で気をよくした阪神ファンが日曜8時台にプロ野球中継を視るようになったという可能性もある(←元データが関東地区なので実際のところは分からない)。

 このほか、今回のように3月下旬以降に視聴率が急落したケースでは、年度替わりによる生活の変化も考慮に入れる必要がある(←もっとも、ビデオリサーチの調査対象者が年度替わりの影響をどの程度反映しているのかは不明)。

 裏番組を含めた絶対視聴率(=その時間にテレビを視ている率)の合計が低下している場合には単なるテレビ離れであって、大河ドラマ自体の内部事情による不人気が原因であるとは言い切れない。逆に、絶対視聴率に変化が無いとすれば、どの番組がチャンネルを奪ったのかを考慮しなければなるまい。




 それはさておき、今回ちょっとだけ視た限りでは、ストーリーが全く理解できなかった。もっとも、私は、宮本武蔵がどういう人なのかよく知らないし、ネットでざっと調べたところでは佐々木小次郎との決闘は小次郎を抹殺しようとする勢力によって仕組まれたものだという。小次郎はあくまで犠牲者であり、武蔵は「利用された人」にすぎないのではなかったかなあ?

 どっちにしても、「秀吉」、「家康」、「新撰組」、「徳川慶喜」のような「その時歴史が動いた」風のドラマは素人にも分かりやすい。また、(テロリストと大して変わらないとはいえ)皆が協力して1つの目的を成し遂げる「プロジェクトX」風の「忠臣蔵」も共感が集まりやすい。それに比べると、宮本武蔵は歴史をどう変えたのか、あるいは何を達成したのか、このあたりが今ひとつ分かりにくいところも不人気の原因かもしれないと思った。

 余談だが、某タウン誌によれあば、岡山県の観光戦略は、宮本武蔵と、星野監督の二刀流だそうだが、武蔵不人気ではいまひとつ盛り上がりにかける。星野監督がいくら岡山出身だからと言って、わざわざ生家を見物に来る人はおるまいし。