受動喫煙が防止されても、吸い殻と空き箱を投げ捨ては無くならない
各種報道によれば、タバコを長年吸って肺癌や肺気腫にかかった患者6人が、JTや国に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は、タバコの有害性を認めつつ、「あなたの健康を損なうおそれがありますので、吸いすぎに注意しましょう」という注意書きは警告として一定の機能を果たしている、と判断し、原告の訴えを退けたという。
この種の損害賠償裁判はアメリカではしばしば勝訴をもたらしているが、日本では自己責任の範囲にあると考えるのが一般的だ。この訴訟自体は、賠償金目当てというよりも、有害商品を売り続けていることの責任を追及する狙いがあったものと思うが、まだまだ道のりは厳しい。
その一方、健康増進法の施行により、受動喫煙防止や未成年の喫煙防止策は少しずつ効果をあげているように思う。岡山大学では10月より建物内は全面禁煙となった。これには教員の研究室も含まれている。建物出入口近く(屋外)に喫煙コーナーが設けられたためにかえって煙にあたる可能性が増えたようにも思うが、これも、いずれはキャンパス内全面禁煙に移行すれば解消するだろう。このほか、高速道路のSA、駅構内などもだいぶ改善された。
もっとも、受動喫煙防止策が徹底しても、いまなお無くならないのが、喫煙者による吸い殻のポイ捨てである、先日、明治大に行ったついでに湯島聖堂と神田明神のあたりを歩いてみたが、路上に落ちている唯一のゴミはタバコの吸い殻であった。
夕食後の散歩のため10月21日の夜にアパート階段下で妻が降りてくるのを待っていた時にも、非常に腹立たしい光景を目撃した。階段下には見慣れないスリーナンバーの車が止められており、遊び人風の若い男2名が誰かを待っている様子だった。うち一人がタバコを吸い始めたが、なっなんと、空になった箱をそのまま地面に捨てて足で踏んづけていた。
大学内でもしこんな場面に出くわしたら、私は間違いなく大声で怒鳴りつけるところなんだが、アパート敷地内で大声を出すと子どもたちまで変な目で見られるようになるからやめてちょうだいと妻からきつく申し渡されているので、じっと堪え、見て見ぬふりをした。 写真は、22日朝に撮った目撃写真。ま、どなりつけるのではなく、小声でたしなめるくらいがよかったかなあと思うが、犯罪行為を咎めるのに相手の気持ちなんかに配慮する必要があるかっ、というのが私の気性なもんで、私が何か言えば、最後は警察沙汰になっていたかもしれない。
いずれにせよ、タバコの注意書きは、本人の健康への配慮だけでは不十分。ちゃんと気配りをしている方にはまことに申し訳ないが、このさい小学生並みの扱いで
●よい子は、人の居ないところでタバコを吸いましょう。
●よい子は、ゴミを散らかさない。
という2点を書き加えておくべきだと思う。
あるいは、一本一本に製造番号を刻印し、購入時にIDカードで登録しておく。路上で発見された吸い殻や空き箱があれば、その登録情報をもとに購入者を割り出し、一本につき罰金一万円、一箱につき罰金十万円を課すというのもよいかもしれぬ。
|