じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
文化科学研究棟(および放送大学)前の混植花壇で、ガザニアに加えてテンニンギク(天人菊)の花が目立つようになってきた。ガザニア同様、この花壇で大量に開花するようになってから、自分の手で育ててみようという意欲が完全に失せてしまった。 |
【思ったこと】 _40521(金)[心理]気楽な老後の迎え方(2)エベレスト登頂直後に亡くなられた方 各種報道によれば、エベレスト公募隊第1次アタック隊の大田祥子さん(63)が、20日の登頂成功後、下山途中8500m付近で意識を失い遭難死されたという。その後の状況はこちらに伝えられている。 ネットで検索すると種々の記事がヒットするように、大田さんは、広島県福山市の内科医。40歳を過ぎてから「仕事と子育てに追われるだけの人生ではなく、自分のためだけに何かを始めたい」と登山活動を初め、これまでにもパルチャモ(6187m)などの登頂に成功、また、毎日10km前後走り込んで、体力強化に励んできたという。 昨年6月27日の記事では、登山を始めたきっかけについて「40歳まで一生懸命仕事と子育てをやってきて『私の人生何かしら』と40歳にして迷い『何かしよう』と思いたち、まず歩くことを始めたのがきっかけです」と語り、「あなたはなぜ山に登るんですか?」とういう質問には「生きているからです」と明快に答えられたという。向老期〜高齢期の生きがいについて1つの道筋を示してくださっていただけに、まことに残念。ご冥福をお祈りしたい。 今回の事故に関して、一部の記事では、商業公募隊の在り方について批判的な意見も寄せられているようだ。確かに、「カネさえ出せばどこでも」というような無謀登山は慎むべきだが、大田さんの場合は、事前にかなりの訓練を積んでいるし、チョーオユー(8201m)にも登頂している。決して無謀であったとは思えない。むしろ、こういう事故をきっかけにした事なかれ主義の蔓延によって、登山に生きがいをもつ高齢者の夢が奪われることを危惧している。 そう言えば、4/23の日記で、イラク人質事件に関連して、 私自身の率直な受け止め方としては、エベレストの頂上付近で猛吹雪にあって身動きが取れなくなった登山者と、今回人質になった人たちの自己責任は同じレベル。国としての救出責任も同じ程度でよく、マスコミも同じ程度の重みで報道すればそれでよかったと考えている。と書いたことがあった。大田さんの登山の場合は、まさに、自己責任において登頂を達成され、残念ながら下山中に命を落とされた。内科医としてご自分の体調はそれなりに把握されていたであろうし、同行者を犠牲に巻き込んだわけでは無い。この連載の「気楽な老後の迎え方」には当てはまらないかもしれないが、これはこれで1つの人生としてアリではなかったか、と考えてもよいように思う。 |