じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ブーゲンビリア。赤い「花」は苞(ほう)で、中の白い部分が本当の花。行きつけの花屋で買ってきた処分品の100円鉢であったが、「花」の終わったブーゲンビリアから再び「花」を咲かせることができたのは今回が初めて。ネットで調べたところ、原産地には雨季と乾季があり、花は雨季の最初の頃に咲く。乾期は葉をつけられないほどの乾燥に耐えるとか。時折水を控えたほうがよいのかも。
※後ろの黄色い花は、ビロードモウズイカ(マレイン)。


6月26日(土)

【ちょっと思ったこと】

魚釣りの醍醐味

 6月27日朝6時台のNHK「たべもの新世紀」で、「アンコール放送 海峡の一本釣り 潮が鍛えたアジをねらえ〜愛媛県三崎町〜」というのをやっていた。

 6/26の生涯学習講座でも「熱中しやすい行動」の1つとして「魚釣り」を挙げたばかりであるが、プロの魚釣りとなれば、これはもうレベルが違うなあと感嘆した。

 番組紹介サイトにもあるように、アジの一本釣りでは、正確なポイント選び、疑似餌の工夫と選択、指先の感覚が物を言う。

 プロである以上、釣りという行動に対する最終的な強化子はお金や他の必需品との交換ということになるのだろうが、「釣れたときの指先の感覚がたまらない」と御本人が語っておられるように、直後の結果で強化されていることが何よりも重要だ。スキナーの言葉を借りれば、「In the long run, 【he】 was perhaps working for money or for other goods, but every step of what he did was reinforced by certain immediate consequences.」ということになる。

 余談だが、私が始めて釣りを体験した場所は、淡路島南淡町。ユースホステルのスタッフと一緒に、夕食のおかずとなるアジを釣りに行ったのだが、糸の引き寄せ方が分からず、結局、かかっても全部逃げられてしまった。それ以来30年、アジ釣りには一度も挑戦したことがない。

【思ったこと】
_40626(土)[心理]「活きる」ための心理学(1)やる気の起源

 自治体主催の生涯学習講座(4回シリーズ)の出講1回目。今回は「やる気の起源」というテーマ。
  • 行動が長続きしないのは「やる気」が無いからだ、とよく言われるが、本当の原因は「意志の弱さ」ではない。
  • 意志があろうと無かろうと大部分の行動(=オペラント行動)は行動の結果によって影響を受ける。
  • 行動が長続きするかどうかはその行動が「確実な成果を上げているかどうか」にかかっている。
  • 目に見えるような成果(=結果)が伴わない場合は、いろいろな結果が伴うように工夫をしてやれば、「やる気」が起こるようになる。
といった話をさせていただいた。




 まず、参加者自身に、「やりたいと思っているが、長続きしない行動」と「熱中している行動(できれば、熱中しすぎて困っている行動)」を1つずつ挙げてもらった。それらについて、
  • 長続きしない行動の原因:
    • 結果が小さすぎるか不確実
    • 競合する行動のほうが強化されている
    • 単純反復(累積的進歩や達成が見えてこない)
  • 熱中する行動の原因
    • 結果が適切な大きさで確実に伴っている
    • 結果の伴い方に特徴がある(ギャンブルのように、時々意外な結果がもたらされるほうが熱中しやすい))
    • 邪魔が入らない(競合する行動が少ない)
    • 累積的進歩や達成度が明確
といった特徴が無いかどうか点検してもらった。




 次に、「いろいろな結果が伴うように工夫をしてやれば、「やる気」が起こるようになる。」という事例として、「毎日30分走る」という行動を取り上げた。この行動が長続きしない場合、「30分走った」という日々の行動に明確な結果が伴っていないことが原因として考えられる。そこで結果を増やす方策として、
  • 自然に伴う結果を増やす
    • コースを変更し、眺めの良い場所を走る。当たりの景色や、出会う人々、動物たちが新たな結果を与えてくれる。
  • 自分で結果を増やす
    • 自己記録の更新を目ざす(速く走る目的があるならば、記録更新にチャレンジすることは大きな励みになる)
    • 累積記録をとる(何回走ったのかをカウントし、100回達成、200回達成、というように区切りの達成を祝う)
    • 通算何キロ走ったのかを地図で表す(例えば、旧東海道を描き、通算走行距離を走破した道のりとして表示してみる)
  • 外部から与えられる結果とリンクさせる
    • 同好会で競争、もしくは協同(合算)してみる)ライバルとして励まし合うのもよいが、競うのが嫌な場合は、メンバー全員の走行距離の合計を上記の東海道の道のりに換算することも一案。この場合は、みんなで助け合うことで、日々の行動を強化できる。)
    • 競技大会に出場(そもそも種々の大会というのは、そこで優勝することよりも、優勝をめざして努力するプロセスにこそ意義がある)
    といった工夫が考えられることを紹介した。

    次回に続く。