じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
時計台東側の楷の木の紅葉。今年は例年になく美しく色づいている。この楷の木はメスの木なのだが、今年は殆ど実がなっていない。本部棟、農学部方面にあるオスの木からの花粉の飛来が少なかったためではないかと思う。11月7日の日記で比較したように、メスの木の場合は、実がいっぱいなると紅葉のほうはイマイチとなる。
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【ちょっと思ったこと】
某王国(フィクション)のお世継ぎ問題を考える このところ皇室関係のおめでたいニュースが続いている。 各種報道によれば、ご結婚を3日後に控えた紀宮さまが天皇、皇后両陛下にお別れのあいさつをする「朝見(ちょうけん)の儀」が12日午後、皇居・宮殿「松の間」で行われた。11月13日の朝日新聞記事によれば、11月15日の挙式当日に婚姻届けが区役所に届けられ受理された時点で、紀宮さまは「黒田清子」さんになり、皇族の身分を離れたことが皇族籍に記載される。元皇族となった後は法律上の制限はなく、選挙権が得られるほか年金にも加入することになるという。現時点では、2年後春の都知事選に投票ができるほか、立候補も可能。年金については、未納ではないため受給資格は得られるが、未加入期間の部分は減額されるという。 いっぽう、11月14日の各種報道によれば、愛子さまは今月8日に学習院幼稚園の試験を受けられ、皇太子ご夫妻も、お住まいの東宮御所で先月下旬、保護者面接を受けられた。13日午前、合格の発表が行われ、愛子さまは合格し、来年4月から学習院幼稚園に通われることになった。学習院によると、同幼稚園の志願者は254人、合格者は男女26人ずつ計52人であったというからかなりの難関。 こうしたおめでたいニュースとは別に、皇室典範に関する有識者会議が開催され、またその議事内容に対して、各種の意見が寄せられている模様である。 このことについては、私は全くの不勉強であり、女性天皇と女系天皇の違いについてもこちらの方の日記(2005.11.8〜11.11.)で初めてその違いを教えていただいた次第である。といっても、まだまだ充分には理解できていないが、要するに、推古天皇をはじめとする歴代の女性天皇8人は、父か祖父が天皇である「男系天皇」であって、母親から天皇家を受け継いだ「女系天皇(男女問わず)」は史上一人も居ないということである。女性天皇か男性天皇かは、天皇御本人の性別によるが、女系天皇か男系天皇かは、そうではなくて、その天皇が父親、母親どちらから天皇家を受け継いだかによって決まるということのようだ。ちなみに、愛子さま(正式には敬宮愛子内親王)の即位は父系継承にあたるが、現行の皇室典範では、愛子さまが皇太孫、将来的に皇太子(もしくは皇太女)となられることは規定されていないようだ。 さて、現実の場面で私見を述べさせていただくといろいろと差し障りがあるので、ここから後の議論は、私が、ある仮想の王国の大臣をつとめていたとして、その王国の繁栄が末永く続くことを願っていた場合、お世継ぎ問題をどう解決していくかという仮想の問題として考えていきたいと思う。 その際まず考えるのは、とにかく、王位継承順位というのは、ある時点で大きく変動しないほうが望ましいであろうということだ。そういう意味では、女系や男系にはあまりこだわらないほうがいいように思う。 なぜなら、もし、男系だけに限定してしまうと、ある王子と王女の間に女の子しか生まれなかった場合、継承順位1位は、王子の弟にまわることになる。その王子にも男の子が生まれず、かつ、王子に他の兄弟が居なかった時は、王子の弟の次の継承権は、王子の父親(つまり王様)の弟の家系にまわっていくことになる。ところが、ある時、その王子と王女の間に男の子が生まれたとすると、それまでの継承順位はガラッと変わってしまう。このように、男の子が生まれたかどうかというだけで、関係者の将来が大きく左右されてしまうというのは、王国の安定した繁栄のためには好ましくない。 もちろん、王子と王女の間に子どもが一人も生まれていない時点では上記と同じ問題が生じるが、それらは、第一子が生まれた時点で早期に決着する(父系にこだわると、男の子が生まれるまでずっと不安定な状態が続く)。そうして、その、お子の誕生を、将来の王様(あるいは女王)として国民こぞってお祝いしておいたほうが、国民の王室離れをふせぐことになると思う。 このほか、いくら王族といえども人間であり、人権には充分な配慮をする必要がある。王子や王女の家族計画や、生まれてきた子の将来のご結婚相手選びに、合理的根拠のない制約やプレッシャーをかけるようなルールはなるべく避けるべきだろう。 以上述べたのはあくまで仮想の王国におけるフィクションであって、現在の日本とは何の関係もない。念のため。 |