じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 12月14日の岡山は、最低気温がマイナス1.2度まで下がった。また、前夜23時台から14日6時台までずっと氷点下が続いた。岡大七不思議の1つ落ちない銀杏も、さすがにこの寒さには耐えかねて、一夜にして殆どすべての葉を落としてしまった。写真左半分は、14日朝、葉が落ちた様子。写真右半分は、13日の昼、まだ黄緑の葉をつけていた状態。


12月14日(水)

【ちょっと思ったこと】

ふたご座流星群、1個だけ目撃

 今年のふたご座流星群は、12月14日15時が極大ということであった。月明かりのため条件最悪と言われていたが、15日の朝5時半すぎに散歩中、しし座の南側で明るい流星を1個目撃した。光跡はちょうど、しし座と同じくらい。明るさは0〜1等星級であった。

【思ったこと】
_51214(水)[教育]大学コンソーシアム岡山の船出(3)単位互換の難しさ

 一日空いてしまったが、

●岡山経済同友会「教育フォーラム」:大学コンソーシアム岡山の船出〜産学官連携による大学改革〜

の参加感想の続き。

 パネルディスカッションの2番目は、赤木・加計学園専務理事の話題提供であった。

 赤木理事は、コンソーシアムの目標の1つでもある高大連携や大学間の単位互換について、すでに行われている事例を紹介された。そこでは、テレビ会議システム(ビデオ・オン・デマンド方式)やネットを通じた遠隔授業などの方式がとられていた。

 このうち、高大連携に関しては、入学前取得単位という制度があるそうだ。大学で行われている授業を、高校の教室で、ビデオやネット中継を通じて受講させ、大学生と同じように成績評価する。認定された単位は、その大学に入学後に「入学前取得単位」として換算されるというような内容であった。もっとも、その単位は高校在学時の卒業要件にはならない。意欲のある高校生は必ずしも多くないというようなお話であった。

 県内の大学間でも、学生が別の大学に出向いて受講するという制度がすでにあるそうだ。但し、女子大の授業は女性しか受講できない。また、交通の便の悪さもある。よほど魅力的な授業でないと、わざわざ他大学まで授業を受けに行くという学生はそんなに多くないであろう。

 今回のコンソーシアム設立に合わせて、私の大学でも、学部、教養それぞれ一定数の授業を他大学学生に無料で受講させる準備が進んでいる。しかし、現実にどのくらいの数の学生が受けにくるのか、まったく予想がつかない。

 こういう疑問があったので、ディスカッションの時間に私からも一言発言をさせてもらった。
  1. 大学の単位を入学前に取得できるというのは、高校生にとってはそれほど魅力にはならないのではないか? おおかたの高校生にとっては、まずは入学試験に合格することが当面の目標となる。そういう授業を受けるヒマがあったら、たぶん、予備校に通うだろう。
  2. 大学間の単位互換も、単に「魅力がある授業」というだけではダメであって、卒業要件を満たせる科目、もしくは、特定の副専攻カリキュラムに組み込まれた科目でないと、受講する学生は少ないのではないかと思われる。
  3. 資格取得に有利な科目であれば、受講する学生は居るだろう。但し、そういう科目を他大学生に開放してしまったのでは、その大学に入る必然性が無くなる。定員確保のために不利になるのではないか。
というような理由から、むしろ社会人のほうにターゲットを絞った互換制度を作っていったほうがよいというのが、私の発言の趣旨であった。

 社会人が受講する場合も、「魅力のある講義」をつまみ食いするだけでは学問を体系的に習得したことにはならない。そこで、コンソーシアムのほうで、いくつか、カリキュラムのようなものを用意し、受講を受け入れる教員ともあらかじめ調整しておく。また、受講を受け入れた場合には、コンソーシアムのほうから聴講料相当額をその大学に寄附するという制度があってもよいのではないかと思う。

 社会人以外の受け入れとしては、大学院入学を希望する他大学の学部学生に対して一定の専門科目を開放するという方策も考えられる。こうすれば、より優秀な学部生を入試前に確保できるというメリットがある。自前の大学院を設置しているところとは競争になるかもしれないが。

 次回に続く。