じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



9月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真]
旭川河川敷に、謎の白装束集団出現。何かの映画で、頭布をつけて三途の川を渡るシーンでも撮影しているのかと思ったが(←関係者の方、ごめんなさい)、ネットでいろいろ調べてみると、どうやら化粧品会社のCMを作っていた模様。



9月10日(日)

【ちょっと思ったこと】

残暑から一転

 昨日の日記で、9月9日の岡山は、最高気温31.6度、最低気温26.2度と、真夏並みの暑さになったことを書いたが、10日になって秋雨前線が南下し、急に涼しくなってきた。

 気象庁のデータによれば、9月10日前日午後9時〜当日午前9時の間の最低気温は26.1度であったが、昼になってから逆に気温が下がり、その日の真夜中には21.9度となった。ちなみに、9月10日の最高気温は、午前0時〜午後3時の間で28.1度、午前9時〜午後9時の間で26.3度と記録されているが、前者は午前0時ギリギリの気温、後者は午前9時の気温である。要するに真夜中からほぼ直線的に気温が下がってきたために、記録上は、その日の午前9時までの最低気温(26.1度)と、午前9時から午後9時までの最高気温(26.3度)が0.2度しか違わず、記録上の最低気温より日中のほうが涼しくなるという珍現象が起こった。

 なお、少し前から気象衛星画像に熱帯低気圧の渦巻きが映っており気になっていたところであったが、9月10日夜にはとうとう台風13号(アジア名:サンサン (SHANSHAN) 、少女の名前 [香港])として確認されたようだ。

【思ったこと】
_60910(日)[心理]日本行動分析学会第24回年次大会(6)「技術が作り出す随伴性」と「技術を作り出す随伴性」ほか

 報告・感想の連載6回目。

●テクノロジーと行動分析

というタイトルの公開シンポでは、3名の方による指定討論が行われた。

 このうち1番目のM氏の御発言は

●先端的技術は行動分析学研究に新しい展開を生み出せるか?

という、実質3番目の話題提供と呼ぶべき内容であった。

 M氏によれば、そのポイントは
  1. バイオフィードバック:オペラントの定義を再検討する契機を提供
  2. 私的出来事への強化随伴性を設定できるか?
という2点にある。

 ご発言の時間が短かったこともあって十分には理解できなかったが、先端技術がもたらした種々の測定装置を活用することにより、オペラントの自発のメカニズム、レスポンデント的な反応を結果により統制する可能性、あるいは、私的出来事に関する観察されにくい行動を強化できる可能性が広がったというような内容であったようだ。

 M氏はまた、「技術が作り出す随伴性」vs「技術を作り出す随伴性」という比較対照で興味深い話題提供をされた。前者は
  • 技術に内在する随伴性
  • 技術を使わせようとする随伴性
  • 社会との交互作用で生まれる随伴性
後者は
  • 人為的随伴性と自然随伴性
  • 文化の設計 に関係する。携帯電話の普及過程などはまさにそういうものだと思う(←私個人は携帯電話・メイルを一切使わないので何とも言えないが)。

     ちなみにM氏とは、1994年10月の日本心理学会第58回大会で、“心理学研究の自己評価(1):基礎的統計解析の誤用と対策”というテーマのワークショップを立ち上げた時からのお付き合いがあるが、何だか最近になって、かなりスゴイことを発表されているなあという印象が強くなってきた。行動分析学の理論的・思想的リーダーとしてのご活躍が期待される。




     2番目の指定討論は、少し前にもお会いしたばかりのSS氏(←話題提供者とは別の方)であった。SS氏は「イノベーションは果たしてできるか」、「ビジョンの設定はあったほうがいい」というような発言をしておられたが、短時間であったのは残念であった。

     3番目のY氏は、主催校御所属の方で、行動分析とは違う観点から指定討論をされた。私のメモが不鮮明であったため誤解してしまったかもしれないが、確か「世界(心)を知る=知識」、「世界に働きかける=技術」という比較軸で発言されていた。その中で面白いと思ったのは、前者と後者を対照すると
    • 「迷信」、「占い」 vs 「呪術」、「まじない」
    • 「宗教」 vs 「祈り」
    • 「芸術」 vs 「演奏」
    • 「科学」 vs 「工学」
    といった対照が可能であるというような話題。もっとも、これは比較というより、後者は前者の一部であると理解することもできるように思った。

     このほか話題提供のS氏の内容に関して「随伴性以外の原理はあるか?」というような質問をされていたが、時間の関係でS氏からの回答は披露されなかった。私なりの考えだが、この回答は
    • 阻止の随伴性をどう位置づけるか
    • より長期的な視点での随伴性(例えば、目的論的行動主義の視点)をどう位置づけるか
    といったあたりに見出せるのではないかと思う。

     次回に続く。