じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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10月6日は中秋の名月(月齢は14.0)。岡山では雲の間から月齢14の月を眺めることができた。この日は23時に月と地球の距離が最近(33’26”)となり、最遠(直近では10月19日の29’26”)よりは1割以上大きめに見えたはずであったが、雲が多かったせいもありそのことには気づかなかった。
写真左は日の入り前に同じ場所から撮影したもの。
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【ちょっと思ったこと】
台風16号の正体は? 10月3日にフィリピンの東で発生した台風16号は72時間後の6日に熱帯低気圧から普通の温帯低気圧に変わった。デジタル台風のデータによれば、最低気圧は990ヘクトパスカル。台風としては弱いほうであった。 この台風は発生当初から2つの雲のかたまりに分かれており、その後、中心より北側にあった円盤状の雲だけが残って日本に接近した。台風特有の渦巻きは見られず、ホンモノの台風であったのかどうか未だに疑問が残る。ひょっとして「亜熱帯低気圧」? この台風は、温帯低気圧になってから逆に強大化し、10月7日の午前3時時点では中心気圧は976ヘクトパスカル。東北地方では最大瞬間風速30メートル以上を記録し、漁船や貨物船座礁のニュースが伝えられている。10月7日朝の某ニュースでは「台風並みに発達した低気圧の影響で...」と言っていたが、もともと台風だったものが台風で無くなってから「台風並みに発達」というのは皮肉なものである。防災対策上、もう少し適確に危険を知らせる方法はないもんだろうか。 |
【思ったこと】 _61006(金)[心理]日本教育心理学会第48回総会(16)確かな学びを創りたい 9月16日〜18日に行われた日本教育心理学会総会の感想の最終回。学会年次大会や各種セミナーに参加した時は原則として2週間以内に感想をまとめることにしているのだが、今回は3週間近くが経過してしまった。これだけ日数が経つと記憶も印象も薄れ、メモした内容さえ何のことだったか思い出せない部分が増えてくる。ということもあり、感想を述べるのは今回をもって最終回としたい。 さて、総会最終日9月18日午後には ●確かな学びを創りたい 〜教育実践への3つのアプローチ というシンポが開催された。このシンポに参加しようと思った理由の1つは、話題提供者のお一人にCK氏のお名前があったためである。CK氏は、かつてWeb日記を毎日執筆され、日記才人で更新報告をされていた。最近お名前をお見かけしなくなったのでそのことを直接お尋ねしたところ、いまはmixi系に移行しておられるとか。うーむ、私なんぞは、その手のものには全く関心が向かないなあ。 シンポではまず企画者のTA氏から企画趣旨説明があった。TA氏は
続いて、HT氏、KA氏、CT氏から話題提供、さらにTT氏とTK氏から指定討論が行われた。これらの中には、年間、かなりの時間を教室あるいは現場の先生との交流を重視しておられる方もあった。やはり、教育心理学では実践が大切ということか。 ちなみに、指定討論者のお一人によれば、今回登場された方々は「児童・生徒 規範的 限定的」と、「教師 対話的 拡散的」という2つの直交軸でプロットすると、それぞれのお立場の違いが明快になってくるという。このうち、KA氏は「児童・生徒 規範的 限定的」軸では低位、「教師 対話的 拡散的」軸では高位であるが、低位のエリアもある。また、CT氏は「児童・生徒 規範的 限定的」軸は高位、「教師 対話的 拡散的」軸では中位に分類されていた。もっともCT氏の話題提供内容はもっぱら、大学教育や成人の生涯学習に関するものであった。 KA氏は質的心理学の大家として知られているが、今回の話題提供では、「あれ? どこが質的?」というような内容が多かった。事後の討論の中で伺ったところによれば、学校教育現場で新しい取組がどう活かされるかには、校長の意向が大きくモノを言う。せっかく経験を積み重ねても、校長が交代すると打ち切られてしまう場合もあるらしい。いずれにしても、指導要領のもとで行われる教育である以上、新しい工夫といってもそれなりの限界があるのだろう。 CK氏は教育工学の研究者としても知られている。CK氏によれば、教育工学とは「誰がやっても70点の授業ができるような方法を開発すること」にあるとか。もっともこの定義には、他の登壇者から異論も出ていたようだった。 CK氏は、本邦初公開という斬新なモデルを披露された。CK氏によれば、(少なくとも大学教育においては)どういうメディアを使うとか、細かい教授法の改善のようなものはあまり重要ではない。大福帳(岡大では「シャトルカード」と呼んでいる、教育・受講生の交換日記風の双方向記載カード)なども、教育と学生のコミュニケーションが大事なのではなく、「この先生は学生の声を聴きたがっている」という姿勢を学生に示せるかどうかがカギになるとのことであった。CK氏の最近のご活躍ぶりはこちらに公開されている。 ということで、日本教育心理学会第48回総会の感想の連載はこれをもって終了。私はこの学会の会員ではないが、今回の各種シンポには興味をひかれる内容が多かった、どこぞのシンポで「教育心理学は不毛である」と言われていたが、最近はずいぶんと新しい取組がなされていることが分かった。日程に都合がつけば、来年以降も臨時会員として参加してみたいと思う。 |