じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _61011(水)[心理]日本心理学会創立80周年記念講演(2)日本と米国の心理学会 昨日の日記で書き忘れたが、Overmier氏の講演に先立って、織田理事長から簡単な挨拶があった。その中でもふれられたことだが、米国や中国の心理学会はアンブレラ方式をとっているという。これは中心となる総合学会があり、分野別学会や地域学会を、同じ傘(アンブレラ)の中におさめて密接なつながりを持たせていくという方式である。 心理学関係者にはよく知られているように、米国にはthe American Psychological Association (APA) という巨大な連合組織がある。こちらの紹介によれば、 Based in Washington, DC, the American Psychological Association (APA) is a scientific and professional organization that represents psychology in the United States. With 150,000 members, APA is the largest association of psychologists worldwide.となっている。 いっぽう日本心理学会のほうは、こちらの紹介によれば、 日本心理学会は、心理学の進歩普及を図ることを目的として1927年(昭和2年)4月7日に創立された、全国規模の心理学の総合学会では最も歴史のある学会です。基礎領域から応用領域まで広い専門領域にわたった会員を擁し、一貫して日本の心理学の発展に貢献してきました。任意団体でしたが1994年(平成6年)9月20日には、文部省から社団法人認可を受けました。 2006年4月末現在の正会員は、7,079名となっています。となっている。これらをよく読むと
もう1つ、これも書き忘れたが、臨床心理士資格認定で知られている日本心理臨床学会でも10月9日に東大・安田講堂で ●心理専門職に関する国際シンポジウム〜国家資格化をめぐって〜 という大規模なシンポが開催された模様である。このシンポの後援団体には日本心理学諸学会連合が加わっており、森正・日本心理学諸学会連合理事長の挨拶が含まれていた。ちなみに、この国際シンポは「ヨーロッパ各国からのスピーカーを招き」となっており米国は含まれていない。また参加申込み資格が ●日本心理臨床学会員及び後援団体会員 となっていることから、非会員である私は参加することができなかった。ちなみにこの日本心理臨床学会は、こちらには 日本心理臨床学会は、昭和57年、「心理臨床の業務にたずさわるもの相互の連携協力によって心理臨床科学の進歩と、会員の資質向上、身分の安定をはかる」ことを目的として設立されました。平成18年4月現在の会員数は正会員12,022名、準会員5,537名の計17,559名であり、日本の心理学界では最大の会員数を持つ学会です。と紹介されている。日本心理学会を遙かに凌ぐ会員数を誇っていることが分かる。 日本でなぜAPAのようなアンブレラ方式が成立しなかったのか、このあたりの経緯はよく分からない。上にもちょっと触れた日本心理学諸学会連合というのがあると言えばあるが、独自の個人会員を擁しているわけでもないし、APAのような学会誌を出しているわけでもない。理事長の挨拶を拝見しても 連合としては、今後も心理学(界)の調和ある発展に必要と思われる施策を検討・実行し、社会のお役に立てる心理学(界)を目指して努力を重ねていく所存です。というように、「調和ある発展」を目ざすという控えめな表現にとどまっているようだ。もっとも加盟学会は40学会にのぼっている(こちらに詳細あり)。それぞれの学会の年次大会にすべて参加すると、各大会の期間を平均2.5日間として、年間100日間も大会が開かれていることになるわけだから、これは相当なものだ。 次回に続く。 |