じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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散歩道でよく見かけるネコファミリー。現在、母親1匹、娘2匹、孫(推定)2匹の5匹から構成されているが、興味深いのは、その中に黒猫が1匹混じっていることだ。この黒猫自身は、果たして、自分だけ毛色が違うということに気づくことができるだろうか。
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【思ったこと】 _61028(土)[教育]高校で地歴を必修にする必要はあるのか?(5)「リポートを提出することで履修したものとみなす」という発想 昨日の日記の続き。 今回の「履修漏れ」発覚に関して、受験・卒業を間近に控えた高3生を救済するため、与党内から ●リポートを提出することなどを条件に、履修時間を特例として短縮し、履修したものとみなす などの案も出ているというが、私は、この案には以下の2つの理由で反対である。 まず、「みなす」という措置だが、これでは、ちゃんと授業を受けて履修した生徒の努力が正当に評価されない。むしろ、「世界史A」、「世界史B」とは別に「特例世界史」とか「救済世界史」というような別の科目を特例的に設置し、その名称を調査書に記すべきであろう。 もう1点、私が特に気に入らないのは「リポートを提出すればよい」という発想だ。私が担当する講義などでも、授業を一度も受けていないような学生がやってきて、「就職活動が忙しくて授業を受けられませんでした。このままでは卒業できないので、リポートを出すことで単位をとったことにしてください。」などと申し出る学生が稀にいるが、私は、頑としてそれを拒否することにしている。 講義というのは、毎回きっちりと出席して、その内容を理解してこそ履修が認められるのである。授業を受けないでどうやってリポートが書けるというのか! それと、リポートを書くというのは、ある意味では、試験を受ける以上に大変な努力を要するのである。いろいろな文献を調べるのは当然だが、それらを理解し、必要最小限に範囲で引用しつつ、自分の言葉で論を立ててこそリポートと言える。ネット記事をそっくりコピーペーストして自分の文章のように装うことがあれば、それは剽窃であって犯罪行為だ。 受験や卒業を間近に控えた高3生に、果たして、自分の言葉でリポートをまとめるだけの時間的余裕があるかどうか、大いに疑問。他人の答案を盗み見ればカンニングという不正行為で処分されるが、リポートにおける丸写しはなぜカンニングと呼ばないのだろうか。調査書を偽装した上に、こんどは剽窃をそそのかそうとするのか。卒業間際になって、一字一句違わない「リポート」が大量に提出されていたことが発覚した時には、どう対処するのだろうか。 次回に続く。 |