じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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センター試験1日目の岡山は、最低気温1.9度、最高気温9.7度(9時〜21時のあいだ)で、穏やか好天に恵まれた。大学構内の日だまりでは、我が輩には関わりのないことでござんすといった感じで古株のネコたちが昼寝をしていた。
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【ちょっと思ったこと】
リスニングテスト、日本の技術力の高さと統制のとれた組織力をなぜ誇らないのか 1月20日夕刻に行われた大学入試センター・英語リスニングテストでは、今年も音声が聞き取りにくいなどの指摘が受験生から寄せられ、381人が再試験を受けたという。 1月20日付けのアサヒコム記事(こちらに期間限定掲載)によれば、トラブルの内訳は
また1月21日付け朝日新聞記事(こちらに期間限定掲載。)には、再開テストを受けた受験生の声がいくつか紹介されている。要約抜粋すると、
センターは、昨年の混乱を受けて機器や試験方法を改良したが、再びトラブルが起きたことで、試験のあり方が改めて問われそうだ。と主張されていた。 リスニングテストのトラブルに関しては昨年1月21日の日記にも書いたところであるが、新聞やテレビは、なぜこういうマイナス面ばかりを強調したがるのだろうか。もちろん、トラブルがゼロであることにこしたことは無いが、機密保持上の制限(→トラブルゼロよりも、機器チェックの段階で問題内容が漏れることのほうが重大問題)、コスト(→受験料が高額になっては困る)、その他諸々のリスクを勘案したときには、ある程度のトラブルが発生するのは覚悟しなければならない。大切なことはむしろ、トラブルの被害を受けた受験生に、他の受験生と公平な機会を提供する手だてを考えることである。昨年も述べたが、なんでもっと「日本の技術水準の高さと、統制のとれた組織力を示した」ことを誇ろうとしないのか。そうでなければ、残り99.923%の成功の努力が報われないではないか。 とにかく、現実に対処すべきことは、トラブルの被害を受けた受験生にどうやって公平な受験機会を保障するのかが最大のポイントである。私が知りうる限りでは、リスニングテストの途中で音が途切れたり、隣の人が急病で倒れたとばっちりで続行不可能になったような場合は、再開テストで、同じ音声問題をもう一度初めから聞くことができるように配慮されているはずだ。但し、トラブル発生直後以降しか解答できない。この措置によって、再開テスト受験者が特段不利になるとは思えない。むしろ、同じ問題を最初から聞き取れることで有利になる可能性すらある。 もし不利になるとすれば、試験終了時間が遅くなり、翌日に受験に差し障りが出ることだろう。リスニングテストは受験生ばかりでなく、監督側も極度に緊張するものだ。翌日に疲れが出てミスが多発するようでは困る。できれば2日目の最後の時間にやったほうがいいと思う。 その他、上記の再開テスト受験者の声の中で若干気になるのだが、上記3.の「音がこもって聞きにくいように感じ、試験官に訴え出た。再開テストでも同じだったため、試験官に聞いてもらったが「問題ない」と言われたという。」というのは、トラブルではなく、受験生がわざとクレームをつけて再開テストを受験したようにも受け取れる。「音がこもる」のがこの受験生のプレヤーだけの特異な問題なのか、リスニングテスト全体の問題なのかは詳細に調査する必要がある。どの機器でも共通して「音がこもる」というなら、改善の余地はあるかもしれない。しかし、昨年1月21日の日記にも書いたように、日常生活場面でのコミュニケーションなどというのは生活雑音があって当然。そういう困難で聞き取れるかどうかということも、リスニング力に含まれていると思う。なお、「試験官に聞いてもらう」などということはマニュアル対応には無かったはずだが、どうなっているんだろう。 上記4.の「イヤホンが耳の形に合わず」というトラブルについても、昨年度はそういう受験生のため事前にヘッドホンが用意されていたはずだと思ったが、なぜ再開テストの対象となったのかは不明。 ※私自身は、本年度のセンター試験には一切関与していないので、センターからどういう対応策が指示されていたのかは全く知らない。 [※1/21追記] 英語リスニング問題(音声及びスクリプト)はこちらに公開されている。 |