【思ったこと】 _70407(土)[教育]第13回大学教育研究フォーラム(1)学士課程教育の改革とFD
別の連載を優先させていたため、すっかり遅くなってしまったが、3月27日〜28日に京都大学で行われた
●第13回大学教育研究フォーラム(主催:京都大学高等教育研究開発推進センター)
の参加感想の連載を始めることにしたい。なお、時間の関係で、ここでは、1日目の、
- 小講演(1) 11:00〜12:00 ・・・・・・・・・・【吉田南1号館・各会場】
《長谷川が参加したのは、
学士課程教育の改革とFD 鈴木敏之(文部科学省高等教育局・企画官)》
- 特別講演/シンポジウム 13:00〜17:00 ・・・・・【百周年時計台記念館・1F百周年記念ホール】
- 開会の挨拶 13:00〜13:10 尾池 和夫 (京都大学総長)
- 特別講演 13:10〜14:10 「大学教育をどう再構築するか−リベラル・アーツ、資格教育、そして大学院教育−」
寺崎昌男(立教学院本部調査役・東京大学名誉教授/大学教育学会会長)
- シンポジウム 14:25〜17:00
大学教育の再構築−専門職化と教養教育再編の狭間で−」
- 話題提供1 土井真一 (京都大学大学院法学研究科・教授)
- 話題提供2 小笠原正明 (東京農工大学大学教育センター・教授)
- 話題提供3 松浦良充 (慶應義塾大学文学部・教授)
- 話題提供4 大山泰宏 (京都大学高等教育研究開発推進センター・助教授)
- 全体討論 司会:大塚雄作(京都大学高等教育研究開発推進センター・教授)
および2日目の
- 小講演(2) 11:00〜12:00 ・・・・・・・・・・【吉田南1号館・各会場】
《長谷川が参加したのは
批判的思考力育成と高次リテラシー能力 楠見孝(京都大学大学院教育学研究科)》
- ラウンドテーブル企画 13:30〜16:00 ・・・・・・・・【吉田南1号館・各会場】
《長谷川が参加したのは
心理学者,大学教育への挑戦7 −グループ活動を含む初年次教育の実践−》
に限って、気づいた点を述べさせていただくことにしたい(登壇者の敬称は略させていただきました)。
さて、3月27日の午前中には
●学士課程教育の改革とFD 鈴木敏之(文部科学省高等教育局・企画官)
という小講演が行われた。そこではまず、改正・教育基本法第7条において、大学の規定が設けられたこと、そこでは「2 大学については、自主性,自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」というように自主性や自律性が盛り込まれているが、その分、世の中に対するアカウンタビリティが求められること、また、その目的達成にあたっては競争以外のアプローチもあることが指摘された。
続いて、平成3年2月の大学設置審答申以降の、学士教育に関する主な答申の経緯が説明された。平成17年1月の中教審答申「我が国の高等教育の将来像」において、
- 学位を与える「課程」中心の考え方への再整理。学士課程教育においては、教養教育と専門分野の基礎・基本を重視。
- 早急に取り組むべき重点施策として12の提言。入学者選抜・教育課程改善、「出口管理」強化、設置認可や認証評価における審査内容・視点の明確化、教養教育や専門教育等の総合的な充実など。
といった提言が行われている。なお、このことに関連しては、私自身、こちらでも取り上げたことがあった。
次にFDの取り組み状況についての各種資料が示された。主な例としては
- 教養教育に関する開設科目
- 学際的・総合的内容
- 実験・実習の充実
- インターンシップ
- 専門教育の基礎
- 高学年次向け
- 文書作成・意見発表・プレゼンの訓練
- 情報活用能力を育成
- 心身の健康
- 社会的・学問的な主題等
- TOEIC、英検等の学外試験結果による単位認定
- 情報(処理)教育の必修科目開設
- ボランティア活動の実践を取り入れた科目の開設
- シラバス作成
- TAの増員
- 学生による授業評価実施
が挙げられていた。これらは本来、各大学の自主的な取り組みとして行われるべきものではあるが、文科省の調査項目に含まれているというだけで是非とも実施しなければならないというプレッシャーを感じるためだろうか、結果的には、殆どの大学の中期計画に盛り込まれているのではないかと思われる。
次回に続く。
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