じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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農学部・農場の、朝日を浴びるサツマイモ苗。連作障害を避けるため、このエリアでは、昨年はカボチャ、その前はネギを植えていたが、今年は久しぶりにサツマイモの番が回ってきた。ここで採れるイモは、近隣の幼稚園・保育所の芋掘り遠足に活用されている。 |
【ちょっと思ったこと】
過労深刻化の根拠 NHKオンライン(5月17日6時25分発信)によれば、過労が原因の脳や心臓の病気で倒れ労災と認定された人は、昨年度は355人で、前の年より25人増えて過去最悪となっていることが16日に明らかになった。厚生労働省がこの355人の残業時間を分析したところ、4人に1人にあたる88人は、過労で倒れる直前の残業が1か月120時間以上、平日で換算して毎日6時間以上に及んでいたという。 またアサヒコム経由のニュース(2007年05月16日)によれば、仕事上のストレスによるうつ病などで精神障害になり、2006年度に労災認定を受けた人は、前年度の1.6倍の205人に急増し、同じく過去最多になったという。 現実社会において、多くの人が夜遅くまで働き、過労が深刻化しているであろうということは直感できるが、うーむ、どうだろうか、上掲の統計数値だけを見ると ●これだけ多くの人たちが長時間働いているにもかかわらず、過労が原因で病気になる人の割合は、意外に少ない。交通事故に遭うリスクのほうが遙かに高い。 というようにも読めてしまう。 そもそもこれだけ多くの人たちが働いている日本で、過労が原因で労災と認定された人が年間数百人というのは余りにも少なすぎる。その理由としては、
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【思ったこと】 _70516(水)[心理]他者の体験の情報的価値(2)研究と観光ガイドブックの違い 他個体の経験を利用するということは、広義にとらえれば、人間や動物が環境に適応していく過程で身につけた重要な行動リパートリーの1つになっている。私自身も実験・観察や翻訳に関与したことがあるが、例えばニホンザルでは、ある新奇な食物を口にするという行動は、子ザルから母ザルなど、いくつかの経路で群の中に伝播していく。また、種々の動物において、手の込んだ捕食や採餌は、親から子、年長者から若者へと伝承されていく。そして人間こそ、他個体の体験を最も有効に活用できる動物であることは間違いない。言語なども、そういう情報を正確に伝えるツールとして生まれてきたものと言ってよいだろう。 「他者の体験の情報的価値」というテーマは、心理学の研究において特に重要な意味を持っているように思う。 例えば、どこかへ出かけていって何人かにインタビューしたとする。それを書き起こしてそっくり伝えたとしても、それだけでは到底、研究をしたことにはならない。 j では、第三者にとって有用な情報を引き出せば研究になるのか? 有用であることは重要な条件になっていることは確かだが、それだけではやはり、研究と見なすわけにはいかない。 例えば、口コミ情報を集めた観光ガイドブックは、初めてその場所を訪れる人たちにとってはきわめて有用な情報を提供しているが、どうみても学術書とは言えない。「ここに行けばこういう良いことがある」という事例を羅列するだけでは研究とは言えないのである。 では、集めた情報を分類整理し、より一般性のある情報として再構成、体系化すれば研究になるのか? しかし、これでも、まだ十分とは言えない。そもそも「一般性」と言っても、何かの物差しが無ければ、適用範囲を決めることはできない。また、通常それは、何が要請されているのか、というニーズに依存して変わってくるものである。 いま上に挙げた「観光」の場合でも
次回に続く。 |