じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 50年前の江ノ島弁天橋付近(1957年10月1日撮影)。ウィキペディアの当該項目によれば、1958年に「鉄筋コンクリート製の現在の江の島弁天橋が架けられる。」とある。この写真には車道工事の現場が写っている。

 今でも記憶に残っていることとしては、
  • 小田急線の片瀬江ノ島行きの電車が藤沢駅から逆向きに走るため、戻っているのだと勘違いして泣き出したこと
  • 江ノ島駅を降りると磯の香りが漂っていたこと
  • 小舟で岩場をめぐったこと。
  • 時間の関係で岩屋の洞窟に行かれず、どうしても行きたいといって泣いたこと(その後も一度も訪れたことがない)。
などなど。

 なお、藤沢市の正式な表記は「江ノ島」ではなく「江の島」となっている。



10月12日(金)

【思ったこと】
_71012(金)[心理]日本心理学会第71回大会(22)“ネガティブ”な要因のポジティブな生かし方(7)まとめ

 表記のワークショップの参加感想最終回。

 話題提供3件のあと、大竹恵子氏から指定討論が行われた。9月28日の日記にも書いたように、指定討論者は、「話題提供者の講演内容について、やや違った角度から意義や問題点を指摘したり、聴衆が共通していだくような質問を出して、シンポジウム全体を盛り上げる」という役目を果たすことにあると思っているところであるが、大竹氏はまさにその模範であり、聴衆にわかりやすいように各話題提供の要点をコンパクトにまとめ、いくつかの質問を提示しておられた。

 大竹氏がまとめられたように、今回の話題提供は、研究対象、研究方法、効果という点では三者三様であった。いずれも「“ネガティブ”な要因にも、ポジティブな効果がある!」という結論では共通していたものの、そもそも“ネガティブ”な要因とは何かについて、考えてみる必要がありそうだ。

 「ポジティブ」と「ネガティブ」が絶対的な物差しの両端に位置するものではないという例として、大竹氏は、「楽観主義」と「非現実的楽観主義」を対比し、前者はポジティブだが、後者は、リスク行動や健康という基準で考えた場合にはネガティブになることを指摘された。実際、度を超えた楽観主義のために、無謀な冒険をしたり、無理をして健康を損ねるというケースは少なくない。

 大竹氏はまた、「主観的な幸せ」と「客観的な幸せ」についても対比しておられた。いくら主観的に幸せであっても、周囲に迷惑を及ぼしたり、反社会的な行為に走るようでは「客観的な幸せ」にはならない。

 大竹氏の指定討論者としての全般的な質問は、「“ネガティブ”な要因」と「“ポジティブ”な効果"の定義、および、

●どのような意味で、“ポジティブ”“ネガティブ”というものを扱うことが、何において意味を持つのか?

という内容であり、まことに的確な御指摘であった。このほか、個々の話題提供者にも個別の質問がなされた。




 ポジティブ、ネガティブの相対性については、10月5日の日記でも述べた通りであるが、まず、それらの強化子としての機能を明確にし、不安や不快といった情動的な要素は、強化子への確立操作として扱うべきであるというのが、私自身の率直な感想である(10月11日の日記参照)。そのほうが、何を操作できるのか、何を変えられるのか、が明確になる。ま、行動分析学の世界でも、強化の相対性についてはしばしば議論になっており(例えば、2001年9月4日の日記参照)、“ポジティブ"な強化子、“ネガティブ"な強化子について確固たる定義がなされているとは言えないけれど...。

 あと、これはフロアからの質疑の際に私自身から発言させていただいたことであるが、今回の「“ネガティブ”な要因のポジティブな生かし方」を議論するにあたっては、どの程度の時間のスパンで、どういう人たちを対象にするのかによって、適用される法則、原理は全く異なってくる可能性がある。似ているからというだけで1つのテーマに扱う内容としてはやはり広すぎる。最低限、
  • 短期間で達成されるような課題遂行への影響
  • 数年から数十年単位における人生設計
  • リスク管理
  • 不安に悩む人への対処
  • 高齢者福祉
というように対象を絞って論じるべきであろう。


 次回に続く。