じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【ちょっと思ったこと】
視覚ハンディキャップテニス 日曜日の夜、車を運転中にラジオのスイッチを入れたところ、表記のスポーツを取り上げていた。後で検索したところ、 こちらの記録にある、 ●ここが知りたい:ハンディキャップテニス というタイトルであることが分かった。番組紹介サイトによれば、御出演は、ハンディキャップテニスの発案者、武井実良さん。鉛入りのピンポン球を入れたスポンジボールを使いバウンドしたり回転したりする音を聞いて行うテニスを開発。晴眼者がテニスとする時には「ボールから目を離すな」と指導されるが、このテニスでは「耳を離すな」がコツになるらしい。さらに検索したところ、こちらや、こちらで、ご活躍の様子がうかがえる。 車を運転中であったため、十分に聞き取ることはできなかったが、参加者の自立、主体性を重視したルール(例えば、試合中にはコーチのアドバイスを受けないなど)になっているという点は大いに参考になった。 オリオン座流星群、その後 昨日に引き続き、早朝の散歩時に、オリオン座流星群の観察を試みたが、5時00分〜20分頃の間には1個も目撃することができなかった。空はよく晴れており、4等星レベルの星まで見えていた。 なお、イリジウム衛星のフレア出現予報によれば、22日の朝5時11分頃、イリジウム22号によるマイナス7等級のフレアが観察されるはずであったが、なぜか、見つけることができなかった。金星とのツーショットが撮れるかと思っていたのに残念。 |
【思ったこと】 _71021(日)[心理]日本心理学会第71回大会(30)エビデンスにもとづく臨床(8) シンポの2番目は、井上雅彦氏(兵庫教育大)による ●発達障害領域におけるエビデンスに基づいた臨床と我が国における課題 という話題提供であった。井上氏の話題提供は、9月初めの行動分析学会第24回年次大会の学会企画シンポでも拝聴したことがあった。内容は一部共通していたが、前回の行動分析学会の聴衆は当然、行動分析学的な研究方法を正しいと信じている人々が大半であり(←もっとも、某所に「エビデンス脱藩同盟」が結成されているというウワサあり)、我が国にそれをいかに定着させるのかという戦略が話題の中心となる。いっぽう、今回の日本心理学会シンポのほうは、聴衆の一部はおそらくエビデンス懐疑派、またその一方で、心理学実験で有意差が出ればそれで実証されたと信じて疑わない人々も含まれているものと推察される(←あくまで、長谷川の独断と偏見に基づく)。そういう意味では、話題構成にさぞかし苦労されたものと拝察する。 さて、井上氏はまず、自閉症研究において有効性の証明が困難な理由として、ニーズの多様性が群配置や測定に影響を及ぼす点、独立変数となる手続が複雑である点などを挙げられた。私自身も何度か指摘していることであるが、実際の介入場面では種々の独立変数がパッケージとして提供されている。その1つだけを取り出して実験的に操作するということは、組み合わせの数の膨大さから見ても非現実的であるし、また、そもそもそういう独立変数は、建築物の柱の1本1本のように相互に支え合っている場合があり、「柱時計という実験変数は操作できるが、家の柱は操作できない」という例を挙げたように、そもそも単独&加算的に効果を及ぼすものではないという場合もある。ということもあって、具体的な手続を含むような個別療法の万能性を証明することはまず不可能と思わざるを得ないが、基本的な介入のスタイルや考え方のレベルであれば十分に比較、評価ができるだろう。 シンポ1番目の話題提供(市井氏)で、エビデンスに基づく臨床心理では、CBT(認知行動療法)が「1人勝ち」になっているというようなお話があったが、米国の公的機関の見解や心理社会分野の専門家による調査(AAMRの機関誌2000年特集号)によれば、発達障害支援の分野ではどうやら、「応用行動分析、環境の整備、対象者や家族への教育」の手法が最も推奨されている模様である。このうち、応用行動分析の活用例としては、「PBS」、「PRT」、「Incidental Teaching」、qa Verbal Behavior」、「Discrete trial training」などがあるという。 次回に続く。 |