じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山大学構内の紅葉情報の第二弾。
  • 写真の上2枚は時計台前。上から2番目にあるように、いまは桜の紅葉・黄葉が特に美しい。
  • 上から3枚目は農学部前の楷の木。手前のオスの樹の南側から紅葉が始まっている。
  • 一番下は農学部東西通りのイチョウ並木。近隣の市民の人たち(←一部は、専門の人?)のギンナン拾いを見かけるようになった。




10月25日(木)

【ちょっと思ったこと】

ホームズ彗星の大バースト

 公転周期約7年の周期彗星で、数日前まで17等星前後の明るさであったホームズ彗星が、10月25日、突如2等星級の明るさに大増光したという。大彗星のような尾は確認できないが、肉眼でも存在が確認できるという。

 このニュースはアストロアーツの速報で初めて知ったが、残念ながら25日夜から26日早朝にかけては曇りや雨の天気となり、直接確かめることはできなかった。

 当該ニュースによれば、ホームズ彗星は過去(1892年)にも1度バーストを起こしており、この時は4等級に達しその後1週間ほどでおよそ7等級まで暗くなったという。ということは、今回もまだ数日間は、肉眼でも眺めることができそう。明日以降の晴天に期待したい。彗星の位置はこちらに予報されている。

【思ったこと】
_71025(木)[心理]日本心理学会第71回大会(34)エビデンスにもとづく臨床(12)

 井上氏の話題提供の後半では、待機リスト法による群間比較についての言及があった。行動分析学の研究では単一事例法や個体内比較実験が主流となっているがこれでは外的妥当性が保証されない。待機リスト法は、その問題を解消しつつ、すべての対象者に介入の機会を与えるというメリットがある。通常の群間比較では、未介入群、つまり実験群との比較という目的だけのために一部の人たちを「放置」することが求められるが、待機リスト法であれば、時期はズレてもすべての人々に機会が保障される次第である。

 待機リスト法は、一口で言えば、A群とB群という2つのグループに
  • A群→テスト1→介入1 →テスト2→(待機)      →介入2
  • B群→テスト1→(待機)→テスト2→介入1  →テスト3→介入2
というような手続をとる方法であり、そうすれば例えば、テスト2の結果は、実質的に群間比較と同一であるし、テスト2までのところでは対照群であったB群にもそののちに同一の介入を行うので、平等性が保たれるし、さらに、テスト3の時点で、B群自身における効果の検証もできる。

 いちおう私が理解しているのは上記のようなロジックであるのだが、想定される困難としては、
  1. A群とB群に無作為な割付をすることは現実には困難ではないか? 同じ学級の構成員をランダムに半数に割り付けるというならともかく、別々の学級や学校ごとにグループに分けるのであれば、当然、操作変数以外の要因も関与してくる(統計学的には、実験研究ではなく観察研究の部類に入ってしまう)。
  2. それぞれの群内において、グループ構成員どうしが日常的に接していた場合、各メンバーのデータは独立とは言えなくなる。例えば、子どもの質問行動を高めるような教育プログラムを開発し、その有効性を確かめるというケースを考えてみると、特定の学級内で質問をする子どもが出てくると、他の子どももそれに影響されてますます質問がたくさん出てくるようになる。その場合、学級内での質問行動の頻度が上がっても、個々の子どもに対する教育プログラムの成果であるとは必ずしも言えない。むしろ子どもどうしの行動の相互作用の結果であると解釈すべきであろう。
  3. 待機期間が数ヶ月以上に及んだ場合、当然、子どもたちはその期間に発達し、また、さまざまな別の教育を受けることになる。その分、効果が検証しにくくなるのではないか。
 以上述べたことはたぶん、私の理解が足りないためでろう。実際には、待機リスト法はもう少し限定的に、一定の条件のもとで実施されているのであろう。いずれ、具体的な研究報告に対して、改めてコメントさせていただきたいと考えている。

 次回に続く。