じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山大学構内の紅葉情報の第12回目(2007年11月18日撮影)は、岡大西門横のモミジ(イロハモミジ)越しに眺める時計台方面の紅葉。このアングルからの写真はほぼ毎年掲載しているが、今年は時計台横の楷の木の紅葉が特に目立っている。  なお、この日の岡山県南部は概ね晴れていたが、県北や鳥取県の山では雪が降ったという。大山・中の原スキー場(11月19日6時29分現在)や大山・鏡ヶ成も雪が積もっていた。また、19日朝の岡山県南部の気温は3度台まで下がった。



11月18日(日)

【ちょっと思ったこと】

ホームズ彗星、27、28回目

 11月18日(日)の夕食後と19日(月)の早朝5時半頃に、双眼鏡でホームズ彗星を眺めることができた。

 18日の夕食後は双眼鏡でやっと見える程度。いっぽう19日早朝は透明度が良く、オリオン座の長方形(ベテルギウスとリゲルなどで構成される四角形)の中に10個以上の星が見えていたが(三つ星と小三つ星を除く)、ホームズ彗星は肉眼では無理だった。

 19日早朝に双眼鏡で眺めたところでは、ペルセウス座のα星とδ星を結ぶ直線と直角方向やや北極星よりの方向を軸として、楕円状もしくは尾が出ているように見えた。

【思ったこと】
_71118(日)[心理]日本心理学会第71回大会(55) 日本人は集団主義的か?(20)「系列」論議/行政指導や政策の有効性

 三輪氏の

●「日本株式会社」論の検証

という話題提供では、前置きに続いて、「系列」についての誤った考え方が、根拠に基づいて否定されていった。もっとも私は、この方面については全く素人であり、積極的に賛同することも、反対することもできない。以下、配付資料とメモに基づいて、私の理解したことを要約すると、...
  • 「系列」外の企業のほうが安くて良い製品を出しているのに、系列内の身内の製品を購入すればコスト面で降りになり繁栄には至らないはず。
  • 「財閥」などと言われるが、実際は4大財閥ではない。戦後の「財閥解体」では78?がリストアップされた。
  • 「系列融資」などと言われるが、「系列」銀行からの借り入れはたかだか15%にすぎない。
  • 「企業集団」などと言われるが、「日米貿易摩擦」論議が華やかだった1990年3月時点で、三井、三菱、住友系の企業の従業員は合計しても64万人、いっぽう、当時のGMは1社で75万人の従業員を抱えていた。
  • 自動社部品メーカーはいろいろな企業と取引している。
  • 「殖産興業政策」、「富国強兵策」、「傾斜生産政策」、「高度成長政策」などは、政府がかかげたスローガンのようなものであり、それらの政策が見事に功を奏して経済が大きく変わったというわけではない【←このあたりは長谷川の表現】。明確な理論的説明とsupporting evidenceがあるわけではない。
ということになるかと思う。

 以上のなかで、なるほどそうかと思ったのは、「産業政策」や「行政指導」の有効性の度合いについてのお話であった。言われてみれば確かに、政府の政策が有効に機能して世の中が変わっていくというようなことは滅多にあるものではない。じっさい、20世紀最大の社会・経済的実験であった「社会主義計画経済」は壮大な失敗に終わった。というか、そもそも、ソ連の「計画経済」は、実際に思われているほどには実施されていなかったし、機能もしていなかったという。

 三輪氏の配付資料には、

●もし、「行政指導」に国民が協力し「政策」がうまく機能するというのであれば、脱税、交通違反、駐車違反、殺人・傷害事件、政治資金などもみんな、同じように政府主導で実施すればよいはずだ

というようなことが書かれてあったが、このあたりはクリティカルシンキングの資料としても使えそうだ。要するに、これは、健康食品や民間療法と似たところがある。病気が「治った」事例だけ挙げて「効果があった」と宣伝し、治らなかった事例がどのくらいあったのかは口にしない。「行政指導」や「政策」の場合も、スローガン通りに変化があった事例だけを挙げて「有効に機能した」と言ってよいものかどうか、なぜ、あるケースではうまく機能し、別のケースでは失敗に終わるのか、それとも、たまたま、別の原因で生じた一部の変化がスローガンと相関していただけで、因果関係は無かったのか、このあたりを検証してからでないと、「殖産興業政策」、「富国強兵策」、「傾斜生産政策」、「高度成長政策」が日本経済を大きく変えた、というような主張は成り立たないということがよく理解できた。

 次回に続く。