じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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空から眺めるコリャーク山(左、カリャークスキー)とアヴァチャ山(右、アヴァーチャ)。



8月12日(火)

【思ったこと】
_80812(火)[旅行]花のカムチャツカとアヴァチャ山登山(1)

 8月5日から8日間の日程で、カムチャツカ半島南部を訪れた。今回の旅行の目的の1つは、アヴァチャ山という2741mの火山に登ることにあったが、登り初めから風雨が強く、2000m地点で登頂を中止せざるを得なかった(視界がきかないことを承知で頂上まで登った人が4名おられた)。8月12日付けの楽天版に、1800m前後の地点で見られた虹とブロッケン現象の写真あり。

 もともと8月上旬は用事が多く、できれば8月中旬以降に出発したいと考えていたところであったが、8日間の日程の催行確定ツアーが見当たらず、急遽、出発日を早めた次第であった。

 旅行社の中には、アヴァチャ山登山を主目的とした5日間コースを組んでいるツアーもあったが、万が一悪天候が続いた場合は、霧の中で体力を消耗するだけで何をしに来たのか分からなくなるというリスクがあろと考え、今回は選択肢から外した。

 でもって、実際の天候であるが、案の定、というか、予想以上に悪天候が続き、けっきょく青空が見えたのは、8日間全体を通じて合計5〜6時間程度にとどまった。他社ツアー参加者から聞いた情報では、8月10日に登頂した人たちは、アヴァチャ山頂上から雲海の上にそびえるコリャーク山を眺めることができたそうである。このページの↑のほうに掲載した機上からの写真と同じような気象状態にあったものと推測される。それ以外の日に登った人たちからは、頂上付近が好天であったという情報は得られなかった。

 このエリアの天候については、現地のガイドさんに訊いてみても「よく分からない」という答えしか返ってこなかった(あるいは、日本人旅行者が減ることを恐れて、悪天候が続きやすいという「真実」を語らなかったのかもしれない)。あくまで推測であるが、以下のような特徴はありうると考えている。
  • 8月上旬であっても晴天が続くこともある。
  • 登山予備日を設定してあってもあまり意味はない。
  • 高気圧が近くにあるからといって晴れるとは限らない。
  • 山麓や平地が曇っていても、雲の上に頭を出していることもある(↑の写真参照)。よって、風雨の中を登り始めても、頂上で晴れるという可能性はゼロとは言えない。
  • 今回ベースキャンプ滞在中は、コリャーク山とアヴァチャ山の間から雨混じりの北風が昼夜を問わずずっと吹き荒れていた。専門的なことはよく分からないが、北東側にある太平洋からの湿った風が、反時計回りに南の方に吹き付けるような状態が長く続く傾向にあるようだ[]。この場合、2000m付近の尾根筋では向かい風をモロに受けることになり、かなり体力を消耗する。
 以上述べたように、山登りの日に好天に恵まれるチャンスというのは余り多くない。ヘリコプターで移動するようなツアーも同様である。もっとも、平地で雨に降られたことは殆ど無かった。お花畑や温泉を楽しむ目的で参加する場合には、満足できるツアーになったのではないかと思う。

追記]デジタル台風の中の、気象衛星動画240時間で雲の動きをチェックしたところ、この期間は、オホーツク海からカムチャツカ半島南部を経て太平洋に延びる雲の帯がずっとかかっており、オホーツク海側からの雲が次々とアヴァチャ山上空を通過していることが分かった。この動きは時計回りであり、どうやら、高気圧の縁にできている模様。




 以上のような気象上のリスクはあるものの、直行チャーター便で日本からわずか3時間半、気温15〜25℃前後の涼しさ、天然温泉つきというのは、中高年者の方々にもかなりの魅力である。航行距離が比較的短いため、燃油サーチャージ高騰のおりでも、ヨーロッパやアメリカ方面に比べると相対的に安い料金で旅行ができる。もう少し宿泊設備や温泉設備を充実させ、ツアーの価格をもっと下げれば、さらに人気が出るものと思われる。ま、個人的には、あまり観光地化してほしくないという希望もあるけれど。

 次回に続く。