【思ったこと】 _81130(日)[心理]日本心理学会第72回大会(52)環境配慮行動をおびやかす10匹の怪物(4)
前置きが長くなってしまったが、いよいよ怪物の登場である。今回、ギフォード氏が列挙した10匹は以下の通りであった。
- 不確実性(Uncertainty)
- 環境に対する無関心(Einvironmental Numbness)
- 行動統制感の欠如(Lack of Perceived Behavioral Control)
- 否認(Denial)
- 相容れない目標と願望(Conflicting Goals and Asperations)
- 社会的規範、公平さ、公正感が感じられないこと(Social Norms, Equity, and Felt Justice)
- 心理的反発(Reactance)
- コミュニティへのアイデンティティの欠如(Lack of Identification with Ones's Community)
- 見せかけばかりのまがい物(Tokenism)
- 習慣(Habit)
この10匹の怪物を列挙された時の私の第一印象は、あまり良いものではなかった。11月24日の日記でも述べたように、そもそもどういう経緯で10匹が選ばれたのか、つまり
- 環境に悪影響を及ぼすという重大性のTop10なのか
- 我々が気軽に実践できそうな行動の「容易さ」のTop10なのか
- 何かの調査の結果、選択比率が多かった項目のTop10なのか
- 何かの統計解析の結果、これらが原因の変数として重要な意味を持っていることが判明したという意味なのか
ということがよく分からなかった。それゆえ、「環境心理学の大家であるという触れ込みが無かったとしたら、どこぞの著名な心理学者が、環境問題について思いつくままに10個ほどの課題を挙げてみたという程度に受け止めてしまったかもしれない。」という印象が大きかったのである。
もっとも、これら10匹が列挙された後、「オンタリオ州における10匹の怪物」に関する調査結果が紹介されていた。それは、「気候の変化について何かできないかと思うけれども」ということについての自由記述回答と、「この環境活動にさらに積極的に関わることはしていない、なぜなら、...」という形で「非常に反対」から「非常に賛成」までの5件法による評定の平均値の紹介であり、「10匹の怪物」なるものがオンタリオ州でどのように受け止められているのかという実態は理解できた。
次回に続く。
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