じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§ §§ 昨日に続き、夕刻の金星と木星と月の話題。12月1日は大変よく晴れて、これら3者が見かけ上最も接近した様子を、地平線に沈むまで何度も眺めることができた。写真のいちばん下は、月齢3.7の月が地平線近くの山に沈む瞬間。


12月01日(月)

【ちょっと思ったこと】

今年の流行語大賞

 恒例の「流行語大賞」が発表されたという。このWeb日記でもこの時期にほぼ毎年この話題を取り上げていたと思ったが、昨年の書き込みは見当たらなかった。2006年の話題は、こちらにある。この時は
今年の流行語大賞・トップテン大賞には、「イナバウワー」と「品格」が選ばれたという。トップテンにはこのほか「エロカッコイイ(エロカワイイ) 」、「格差社会」、「シンジラレナ〜イ」、「たらこ・たらこ・たらこ」、「脳トレ」、「ハンカチ王子」、「ミクシィ」、「メタボリックシンドローム(メタボ) 」がランクインしていたそうだ。
と書かれてあった。

 今年の大賞は「グ〜!」と「アラフォー」だそうだが、私はどちらも聞いたことがない(流行する前から一般的に使われていた「グー」なら知っているが。エド・はるみという人はどこかでお見かけしたことがあると思ったのでネットで検索したところ、どうやら、私が毎朝視ている「モーサテ」の某証券会社CMに出てくる女性らしい。もっとも、あのCMは当該会社の知名度アップ効果はあると思うが、個人的には、なんだかお節介で図々しくてありがた迷惑な勧誘をされそうな印象を持ってしまう。証券会社のCMは、とにかく、静かで信頼感を高めるようなイメージアップ効果を狙ったほうが顧客が増えるのではないかと思う。

 それ以外のトップテン「上野の413球」、「居酒屋タクシー」、「名ばかり管理職」、「埋蔵金」、「蟹工船」、「ゲリラ豪雨」、「後期高齢者」、「あなたとは違うんです」はいずれも聞いたことがあり、どういう経緯で話題になったのかも大体知っている。但し、「蟹工船」の受賞者が、なぜ長谷川仁美(ブックエキスプレス ディラ上野店店員)という方なのかはサッパリ分からない。後期高齢者の受賞者、山崎英也(マスターズ陸上競技選手)も同様だ。「ゲリラ豪雨」はずっと以前から使われており、なぜ今年の流行語になったのか、これもまたよく分からない。

【思ったこと】
_81201(月)[心理]日本心理学会第72回大会(53)環境配慮行動をおびやかす10匹の怪物(5)

 本日は、ギフォード氏が列挙した10匹の怪物:
  1. 不確実性(Uncertainty)
  2. 環境に対する無関心(Einvironmental Numbness)
  3. 行動統制感の欠如(Lack of Perceived Behavioral Control)
  4. 否認(Denial)
  5. 相容れない目標と願望(Conflicting Goals and Asperations)
  6. 社会的規範、公平さ、公正感が感じられないこと(Social Norms, Equity, and Felt Justice)
  7. 心理的反発(Reactance)
  8. コミュニティへのアイデンティティの欠如(Lack of Identification with Ones's Community)
  9. 見せかけばかりのまがい物(Tokenism)
  10. 習慣(Habit)
について、ごく簡単に感想を述べさせいただく。

 まず1.の「不確実性(Uncertainty)」というのは、温暖化を証拠づけるような気候変動のデータが不確かであるという意味であると理解した。これは、純粋に科学的な意味での立証と、われわれ一般人がそのような変動を実感するために必要な説得的な証拠に分けて考える必要があると思う。後者は必ずしも科学的な推論とは一致しない。例えば、猛暑や日照りや局地的豪雨があると、何となく最近の気候は変だということを実感する。もっとも、今年の秋のように、各地で、記録的に早い初雪や低温を観測することもある。肌で体験できる「温暖化」には、やはり限界があるだろう。むしろ、中期的な変化、例えば、世界各地の氷河の減衰・崩壊や、北極圏の氷の溶解などを視覚的に示すことは大いに効果があるだろう。また、単に、温暖化に伴う自然風景の激変を示すだけでなく、そこに暮らす人々や動物たちの困惑ぶりを伝えれば、より共感的理解が得られるはずだ。行動分析学の言葉で言えば、これは、「温暖化という嫌子に対する確立操作」を意味することになる。

 次に2.の「環境に対する無関心(Einvironmental Numbness)」については、何を強調されておられたのかイマイチよく分からなかった。一口に無関心と言っても、
  1. 自分との関わりが薄いことによる無関心
  2. 他の関心事と比べて優先順位が低いための相対的な無関心
  3. 現状に慣れきってしまったことによる無関心(例えば、ゴミが散らばっている環境で生まれ育った人はそれが当たり前となり、無頓着になる)
  4. 何をしても無駄ということからくる無関心
などさまざまのタイプが思い浮かぶ。それぞれに対する心理学的な対応は異なるはずであるし、一部は「10匹の怪物」のうちの別の怪物とも重複する。とにかく、「無関心が元凶である」とか「関心を高めましょう」というだけでは心理学にはならない。心理学の知見に根ざした、有効と思われる対策とセットで「怪物退治」を提唱しなければ意味がない。

次回に続く。