じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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§§  3月1日の夜は久しぶりによく晴れ、月齢4.4の月が半田山に沈む様子を眺めることができた。沈む直前は、手前にある樹木のために、スイカを縦切りにしたようなスジが入っている。


03月01日(日)

【思ったこと】
_90301(日)[一般]鞆の浦埋立て架橋計画問題

 先日訪れた鞆の浦の写真を、じゃらんのおでかけガイドにアップした。
 この旅行は、2月25日〜26日の平日に年休をとって出かけたものであり、お目当ては26日からメイン期間となる雛祭りの観光と、江戸風呂の日帰り入浴であった。菜種梅雨模様の天気が続いていたが、まことにラッキーなことに一度も雨に降られず、しかも26日の明け方には、こちらのアルバムにもアップしたような、美しい朝日を堪能することができた。

 さて、鞆の浦と言えば、最近、各種報道で、埋立て架橋計画問題が取り上げられるようになっている。比較的最近のアサヒコム(2009.2.18.)では、広島県と福山市は交通混雑の解消などを目的に計画を進めてきたが、埋め立てを認可する金子国交相が1月末、慎重姿勢を表明し、福山市は18日、事業を幅広く県内外にPRしたり、国、県との調整を行ったりする担当課長を新年度から設ける方針を明らかにした、というようなことが報じられている。

 また、2月23日付けの朝日新聞社説では
  • 約5千人が暮らす鞆では計画推進の住民が多数派。生活の利便を求める声はよくわかる。
  • 貴重な景観を壊すことに見合うだけの必要性があるか疑問。
  • 埋め立て地にターミナルを築くというフェリーの航路は、人口700人の島との1本だけ。利用者がどれほどあるのか、はっきりしない。
  • 160台分の駐車場も整備するというが、陸側に代替地を確保できるという指摘にも耳を傾けるべき。
  • 架橋に反対する住民らは山側にトンネルを掘る案を提案している。景観を壊さず、渋滞を和らげる効果がある。道路建設費だけでみると、こちらの方が安くすむ。再度検討し、地元の合意形成を図ってはどうか。
というようなことが論じられていた【長谷川による要約引用】。この問題についてはこのほか、ウィキペディアの当該項目でも詳しく紹介されている。




 さて、今回、じっさいにこの地を訪れてみて感じたのは、やはり埋め立ては景観を著しく破壊するであろうということであった。

 確かに、鞆の町並み自体はどこも狭く、本当に車が通れるのかと思うほどであった。中でも、医王寺に通じる坂道などはどう見ても歩いて登るだけの坂道のように見えたが、お寺の崖下にはちゃんと駐車場があり、軽自動車が駐められていたからスゴイ。

 また、福山市からの22号線は港の岸壁のところで途絶え、ここから港の西側にいたる700〜900メートル程度の区間は車が1台通れるほどに狭くなっており、平日の昼間でも各所で離合のために待避する車が見られた。なお港の西側からの道路は小室浜海水浴場や阿伏兎(あぶと)方面に通じている。26日の午後に、この狭い道路を通ってそちらのほうにも行ってみたが、小室浜海水浴場に通じる道路は鎖で閉鎖されていた。また阿伏兎山森林公園の近くからはグリーンラインと呼ばれる幅の広い道路が福山市方面に通じており、こちらの道路は幅が広いわりに、車は殆ど通行していなかった。グリーラインの途中には後山公園というのがあり、そこの展望台や途中の道路からは鞆の浦・仙酔島方面を見渡すこともできた。

 ちなみに、ウィキペディアの当該項目よれば、このグリーンラインは、当初は有料道路であったが、「1980年4月1日 交通量が少ないことに伴う経営不振によりわずか6年で無料開放される。」とのことである。




 平日に一度だけ訪れただけの経験から軽々しく口をはさむべきことではないかもしれないが、私が得た印象としては、
  1. 鞆の町の路地は狭いこと自体が魅力であり、これ自体は埋立て架橋で改善されるものではない。
  2. 上記のグリーンラインの取り付け道路を整備すれば、鞆の浦を通過するだけの車、あるいは、港の西側に住む人たちが福山方面に向かうための生活道路は十分に確保できるのではないか。
  3. 港を埋め立てて駐車場などを作っても、破壊された景観を眺めにやってくる観光客は居ない。
ということになるかと思う。

 このほか26日の17時すぎに鞆の浦から福山東ICに向かおうとしたところ、福山市中心部手前で30分以上の渋滞に巻き込まれてしまった。こちらのほうの渋滞回避策のほうが先決であるようにも思えた。