じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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広島地方気象台は9日、中国地方が梅雨入りしたとみられると発表した。昨年より12日、平年より3日遅いという。岡山県南部は6月10日の4時台から1時間あたり0.5ミリ程度の雨が降っている。写真は、10日早朝の田んぼ。 |
【思ったこと】 _80609(火)[心理]ゴミの不法投棄はなぜ起こるか(2) 昨日の続き。なおここでは主として、ごみステーションでのルール違反の問題を取り上げるが、道路脇へのポイ捨て、投げ捨て行為を含めて考察する予定である。 さて、昨日の日記では、ゴミの不法投棄がなぜ起こるのかについては、少なくとも3つの視点からの分析が必要であると述べた。
このうち、1.は、要するに、「行動(←オペラント行動)が起こっているのは、それが強化されているからだ」という、行動分析学の視点からの発想である。心理学的に調べる方法としては、質問紙調査、面接調査、観察、実験などがあるが、不法投棄をしている当人に面接を行うというのは、泥棒に「あなたはなぜ物を盗ろうとしているのですか」と尋ねるようなものであまり現実的とはいえない。質問紙調査でその種の行動をしているかどうか、なぜしているのかを尋ねたところで、正直に答えてくれるかどうはは心もとないし、また当人が気づかないような強化因もありうる。また、現実からかけ離れた実験室実験というのもあまり意味が無い。 ではどういうアプローチが可能であるか。 まず、隠しカメラなどを設置して定点観察を行えば、不法投棄やポイ捨てが、何時頃、どのような環境条件のもとで起こりやすいのかが把握できる。 次に、ごみ収集の時間帯を夕方や深夜に変えてみたり、ごみ収集の回数を変えてみるといった社会実験を行い、不法投棄がどのように変化するのかを観察すれば、強化因の一端を確定することができるだろう。 前日や深夜にごみステーションにごみ袋を持ち込む人の中には、起床時刻が遅かったり、朝の出勤が慌ただしくでごみ袋を運ぶ時間的余裕がないというケースもあるかもしれない。収集時間帯を変えてみれば、不法投棄が起こりにくくなるかもしれない。収集回数についても同様である。もっとも、収集時間帯を深夜とし、毎日収集というように変更すれば、これまで「不法」とされてきた行為は定義上「適法」と化すだけのことであり、何らかの働きかけを行う実験とは方法論的に異なる。 なお余談だが、この連載では、「不法投棄」というように「不法」という言葉を使っている。「不法」によく似た言葉に「違法」がありその違いがよく分からなかったのでネットで検索したところ、NHK放送文化研究所のサイトに詳しい解説があった。ルール違反のごみ捨ては、「違法投棄」ではなく「不法投棄」と呼ぶのが一般的であるようだ。 次回に続く。 |