じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 2009年版・岡山大学構内でお花見(83)煙突解体工事で変わるフジバカマとレオノティスの風景。

 昨日の日記に記したように、旧ボイラー棟の煙突解体工事が10月31日午後にはほぼ完了した。長年存在していたものが消え去ることは寂しいが、景観上は格段に向上。

 昨日言及した、フンデルト・ヴァッサーの言葉、「自然の中に唯一存在しないものが直線である。社会や文化が存在しないこの直線に基づいているとすれば、やがてすべては崩壊するだろう」の通り、確かに、煙突を取り除いた後には直線は全く存在していないことに気づく。


11月1日(日)

【ちょっと思ったこと】

「空から日本を見てみよう」

 10月15日から放送開始された「空から日本を見てみよう」という番組を、毎回録画、ダビングして視ている。第一回目の東京湾周辺はあまり馴染みが無かったが、山手線沿線や神田川沿いには実際に歩いた場所も多く、その時の思い出と空からの違った視点を重ね合わせることができて十分に楽しめた。

 この番組が開始された時には、航空写真を動画化した程度のシンプルな内容でレギュラー番組として視聴率を維持できるのだろうかという素朴な疑問があった。しかし、妻がどこかで耳にした話では、けっこう評判になっているのだそうだ。また、これは未確認であるが、中高年の男性に好まれているというウワサもある。

 私個人にとっての面白さは、まず第一に、ドラえもんの歌詞にあるごとく「そらをじゆうに とびたいな」という欲求をある程度満たしてくれるという点にある。単に東京の上空を眺めるというだけであれば、飛行機の上からでも可能であるが(こんな感じ)あれはあまりにも高度が高すぎて、下界の生活空間とは結びつけることができない。このほかに、グーグルの航空写真や、ストリートビューなどもあるが、画質が荒すぎでリアルとは言えない。今回の番組は、地デジの高画質で楽しめる上、時々、地上の様子も紹介してくれるところが魅力である。

 第二の魅力は、大都会は、いっけん自由に歩き回ることができるように見えて、実際は私有地ばかりで、行動範囲がきわめて限られているという点である。地上では立ち入り禁止の場所でも、空からは原則自由に眺めることができる。とにかく東京というところは、謎の建造物が多い。有栖川宮記念公園で見た謎の尖塔なども、私のような田舎者には大変珍しい存在であったが、公園内を歩いている人々はそれが何であるかも知らず、別に気にもとめていない様子であった。ごく一部とはいえ、番組を通じて、謎の建造物の正体が解き明かされるのもまた魅力となっている。

 この番組、次回11月5日は、京都上空を飛ぶという。京都にも、ふだん立ち入れない拝観謝絶寺院などがあり、大いに期待できる。同時に、古き街並みが失われていく様子もあらわになるだろう。

 1つ心配なのは、こういう形でどこまでネタが続くかということだ。東京や京都なら多くの視聴者の関心を集めるだろうが、仮に岡山上空を取り上げたとしても、感激する人は地元の人だけで民放番組としては成り立たない可能性がある。また、火山などの大自然風景については、NHKでも「空中散歩」という番組を時たま放送している。私が見た中では、「−九州・火の国紀行−」が、ふだん登ることのできない火山を見下ろすなどの映像が多く、特に興味深い内容であった。元の「空から日本を見てみよう」では、これから先、山手線北半分、富士山、横浜などが取り上げられるのではないかと思うが、せいぜい10回でネタが尽きるのではないかという気がしないでもない。

11/2追記]
「妻がどこかで耳にした話」というのは、10月30日付けの朝日新聞「記者レビュー」であった。執筆者は松田史朗氏。「悲哀あふれる中年サラリーマンが、ほっとできる番組(私も仲間です)」として紹介されていた。