じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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センダンの大宇宙。
夕食後の散歩時に見かけたセンダン。近くの夜間照明のおかげで、たくさんの星が輝いているように見える。なお、昼間に撮影した「センダンの小宇宙」の写真が2007年12月17日の楽天版にあり。 |
【思ったこと】 _a0123(土)[心理]「男性は分析が好きで、女性は他者に反応する事が好き」の続き 昨日の日記で書き足りなかったことをいくつか追記しておきたい。 私が番組を気に入らなかった一番の理由は、一流学術誌に発表された論文を無批判に受け入れ、そこに記された文章を誇大に一般化して、ダイエット法に援用しているという点である。 もちろん、 Baron-Cohen, S, Knickmeyer, R, & Belmonte, M (2005). Sex differences in the brain: implications for explaining autism. Science, 310, 819-823. という論文が、Scienceという一流誌に掲載された点は大いなる注目には値する。しかし、一流誌に掲載されていたから書いてあることはすべて正しいなどというのは、単なる権威づけにすぎず、科学的な態度とは言い難い。 「男女の鉄道ファンに、鉄道のどこが好きなのか調査したところ、男性は「メカ」が好きな人が多く、女性は「旅行」が好きだという人が圧倒的に多かったのです。」という調査は事実かもしれないが、だから女性はすべてこうだと言ってしまったら、メカが好きな女性や、旅行が好きな男性は少数派として切り捨てられてしまうことになる(←私もかつては鉄道ファンであったが、メカには全く興味がなく、もっぱら鉄道旅行を楽しんでいた)。 ではどうすればよいか。まずは
※私は、メカや旅行の好き好きや男女の違いにかかわらず、「他者連携型ダイエット」条件を付加した4群のほうがダイエットが成功・継続しやすいのではないかと予想する。いっぽうNHKの番組の予想は、おそらく、メカのほうが好きな群では「測るだけ孤立ダイエット」、旅行のほうが好きな群では「他者連携型ダイエット」のほうがそれぞれ成功・継続しやすく、交互作用が見られるということになるだろう(「女性特有」というステレオタイプにこだわるならば、「メカと旅行の好き嫌いに限らず、女性は他者連携型ダイエットのほうが成功・継続しやすく、男性ではそのような傾向は見られない」という予想になる)。 効率的なダイエット法は男女で異なる、というだけであるなら「たかがダイエット」で済まされるが、もしあそこで援用されたロジックが真であるとするなら、小中学校の教育も男女別々のクラスにして違った教え方をしなければならないということになり社会的な大論争が巻き起こりそうな気がする。 |