じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2010年版・岡山大学構内でお花見(4)講義棟南側のサザンカ。 冬至の頃、このあたりは一号館の日陰となるが、冬至から1カ月以上すぎて、だいぶ日の光がさしこむようになってきた。 |
【思ったこと】 _a0129(金)[一般]気象庁大本営発表の「台風上陸位置」 1月29日早朝のNHK「おはよう日本」で、 ●気象庁 気象会社を文書で指導 という一風変わったニュースが流れた。ネットで検索したところ、こちらにその記録が残っており、要約すると以下のようになる。
このときの混乱についてはその後立ち消えになったかと思っていたが、じつはその後数ヶ月にわたり、気象会社と気象庁の間でバトルが展開されていたことがデジタル台風の記事を拝見して初めて分かった。また、サンケイビズ(1/6付け)に、関連記事もあることが分かった。 要するに、気象庁が諸データをもとに確定した台風の径路自体は志摩半島を通過するコースとなっており(突き出した半島の先端をかすった時は「上陸」とは言わず「通過」という言葉を使う)、半島をかすめたことを上陸と見なすのであれば、気象会社の速報のほうが当たっていたような印象も与えている。しかし結果的にどちらが当たっていたかということとは別に、このような緊急時に情報が混乱することは防災上好ましいとは言えない。第二次大戦末期の「大本営発表」は信頼できない情報ばかりであったようだが、今の時代、台風進路の予報業務はやはり気象庁大本営に一元化しておき、それぞれの時点での最善の予測を信じることのほうがベターであるように思える。このほかの論点については、デジタル台風が詳しく論じており私もその内容に同意したい。 なお、同じく、デジタル台風からのリンクになるが、気象庁からは台風第18号における5日先までの台風進路予報利用状況調査についてという調査結果(2009.11.16.付け)も発表されているということだ。デジタル台風でも述べておられるが、「気象庁、都道府県以外のホームページで、入手先として回答の多かったもの」の中に、「アメリカ・ハワイの米軍合同台風」というのが挙げられているのはまことに興味深い。じっさい私も、岡山方面に台風が来るかどうかを判断する際には、気象庁の予想とアメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センターの両方を参考にさせていただくことにしている。 もっとも、米軍サイトのほうにはちゃんと と断り書きが書かれている。 気象庁より米軍のほうがずっと先の日付まで予想を行うが、その「大胆な進路予想」については、刻々と予想を大幅変更する場合があり、あまりあてにならない。過去にも、岡山直撃のように予想された翌日には進路が西よりの九州方面になっていたり、そうかと思えば大阪方面に変わるというように刻々と変わるのである。ま、そうは言っても、気象庁予想と米軍予想が大きく食い違っている場合は、その分、上空の偏西風の影響や近隣の別の台風の影響などの不確定要素が残っているという可能性が示唆されるので、警戒の参考情報にはなりうる。「気象庁大本営発表」を信頼しつつも、それだけに頼りすぎるのは心配だ。 以上の議論はここまでとしておくが、私の持論は2009年10月8日の日記にも書いた通りであり、台風関連の気象災害は中心に近いところだけで発生するわけではない。テレビなどの台風情報速報では、中心位置ばかりの報道に偏重せず、中心から離れた地域を含む雨雲予想、竜巻発生予想、河川の氾濫予想などを刻々と伝えることが肝要である。 |