じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 奈良公園で一番最初に見たシカ1号と、平城遷都1300年祭の公式マスコットキャラクターの「せんとくん」(新大阪駅で撮影)。

 シカにはそれぞれ縄張りがあり、シカせんべい販売所のすぐ近くに居るのはおそらく勝ち組のシカではないかと推測される。角の形は「せんとくん」の角とはかなり異なっていた。

 いっぽう、ウィキペディアの当該項目に、「従来流行していたゆるキャラとは一線を画したこれまでにないデザインに、一部の人から「気持ち悪い」との声が上がった。奈良の古刹を中心とした仏教界からは、仏に鹿の角を生やしたような姿は「仏様を侮辱している」と異議が唱えられた。.....Yahoo!ニュースにて2008年3月3日から3月11日までの9日間行われた世論調査ではこのマスコットキャラクターに対する反対が78%にもなり、支持の19%を圧倒した。」と記されているように、一部の人たちからは否定的な声があったという。

 今回初めて実物のマスコットを間近に拝見したが、「なんとなく気色悪い」という第一印象を持ったことは否めない。少なくとも、アザラシやクマのぬいぐるみのように、初めて見た時から無条件にカワイイというようなタイプではなかった。キューピー人形を抱っこしていたら突然角が生えて、ギョロッと睨まれたというような妖怪的な印象もあった。もっとも、その分、一度見たら一生忘れないというようなオリジナリティもある。

 なお、今回の旅行中には、まんとくんには一度も出会わなかったし、どんなデザインだったかも原画を見ないと思い出せない。第一印象としては「気色悪い」マスコットでも、何度も何度も人の目に触れていけば、逆に個性的なキャラとして人気を獲得する可能性があるということだろうか。



5月26日(水)

【思ったこと】
_a0526(水)[心理]2010年 人間・植物関係学会 10周年記念大会(4)柳田邦男氏の基調講演(1)

 昨日の続き。

 基調講演(公開)の3番目は、柳田邦男氏による、絵本を中心とした話題提供であった。絵本の中には、森や一本の木との関わりをテーマにしたものが多数あり読む人に大きな感動を与えてくれる。今回は、8つの視点からそれらが分類され紹介されていった。

 ところで、今回の講演を拝聴する前、私は柳田邦男氏についていくつか誤解をしていたことがあった。

 第一に、まことに失礼ながら、お名前の「柳田邦男」というのはペンネームであって、民俗学者の柳田國男の音を借りて名乗られたものと思い込んでいたが、実際は、ご本名であった。また、このことで初めて知ったが、柳田國男の柳田は「やなぎ」、いっぽう、柳田邦男氏の「柳田」は「やなぎ」であり、発音が違っていた。

 第二に、柳田邦男氏はジャーナリストとして活躍されている方だと思っていたが、絵本の翻訳も多数手がけておられるということは全く知らなかった。

 第三に、柳田邦男氏の奥様が著名な絵本作家であるということも全く存じ上げていなかった。




 講演では、森や一本の木との関わりを描いた絵本が何冊か紹介された。その一覧は
  1. もりのなか(マリー・ホール・エッツJr)
  2. あの森へ(ニヴォラ、柳田邦男訳)
  3. もりのてがみ(片山令子)
  4. 今森光彦ネイチャーフォト・ギャラリー
  5. 森はだれがつくったのだろう?(河合雅雄訳)
  6. 森へ(星野道夫)
  7. 鹿よ おれの兄弟よ(神沢利子)
  8. 木を植えた男
  9. その手に1本の苗木を マータイさんのものがたり(柳田邦男訳)
  10. ファーディとおちば
  11. 葉っぱのフレディ
  12. 大きな木のような人(いせひでこ)
  13. おおきな木(←原題は「The Giving Tree」となっているので、日本語タイトルでは意味が伝わってこないという指摘をされていた)
  14. 少年の木 希望のものがたり
  15. よろこびの木
  16. おかあさんとさくらの木
  17. テスの木
というような内容であった(あくまで長谷川のメモに基づく。著者名などは同一タイトル書と区別できる程度で記した)。

 上掲リストにも示されているように、ご講演の最初のほうは「生物多様性の象徴でもある、森との関わり」について取り上げられていたが、後半では一本の木をめぐる話題が中心となった。植物との関わりを長期的に捉える場合は、「森を見る」よりも特定の「木を見る」接し方のほうが感動を生むストーリーになりやすいようだ。

 ちなみに、上掲リストの中で私が知っているのは「木を植えた男」と「葉っぱのフレディ」ぐらいのものである。最近では、子どもや孫へのプレゼントとしてではなく、自分自身が読むために絵本を購入する中高齢者も増えていると聞く。小説やマンガを殆ど読まない私であるが、絵本をじっくりと眺めながら思いにふけるということであれば老後の楽しみになりそうな気がする。


 次回に続く。