じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



7月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
2010年版・岡山大学構内でお花見(68)農学部のヒマワリ畑見頃に

 農学部構内の一角に今年もまた、ヒマワリ畑が出現した。昨年と一昨年の写真が にある。今年は少々開花が遅いようだ。

 2008年6月25日でも述べたが、この場所のヒマワリは、日光の関係で北東方向を向いて咲く。その南側にあるイチョウ並木や、西側から眺めると背中を向けてしまうのがちょっぴり残念。


7月6日(火)

【思ったこと】
_a0706(火)[心理]プロボノと働きがい

 少し前のことになるが、7月1日のNHKクローズアップ現代で

プロボノ 〜広がる新たな社会貢献のカタチ〜

という話題を取り上げていた。リンク先の番組記録サイトから放送内容を要約引用すると、以下のようになる。
  • 若者たちの間で、金融や広告、研究職などこれまでボランティアとは無縁と思われてきた層を中心に、仕事のスキルを生かした新たな「社会貢献」として「プロボノ」とよばれる “新しい働き方”が広がりを見せている。
  • 「プロボノ」の語源はPro Bono Publico(公共善のために)というラテン語、
  • 2000年頃からアメリカで始まり、社会に有益な活動をしているが資金も人材も不足しがちなNPOを受け皿に急拡大、今や10億ドルの経済効果をあげるともみられている。
  • 本職の仕事が専門化、複雑化する中、より確かな「手応え」を求めて参加。
  • 社員の「仕事」に対するモチベーションをあげるため、「プロボノ」を支援する企業も現れ始めている
 このほか、ネットで検索したところ、こちらに詳しい解説があった。(但し、会員登録をしないと、続編が読めない。)

 いま述べたリンク先にも記されていたが、もともと「プロボノ」というのは

弁護士や会計士、コンサルタントなどが、「月に数時間」「年間で数日」といった時間を決めて、NPOの法律や会計、経営の相談などを無償で行う

というような意味で使われていたように思う。しかし、最近の新しい流れは、上記の職種以外の様々な専門的知識を持った若者が参加するようになってきており、それを支援する企業も増えてきたということにあるようだ。




 では通常のボランティア活動とはどう違うのか。どうやら、一番の違いは、それぞれの参加者が、自分のスキルを最大限に発揮できるという点にあるようだ。例えば、大地震や水害で被害を受けた地域の人たちをサポートするためのボランティア活動というと、通常は、壊れた家の中の後片付けを手伝うというような活動が頭に浮かぶ。もちろんそれも意義深いことではあるが、私のように歳をとってくると、腰への負荷から重い物を運ぶことはできないし、体力的にも活動時間が限られてくる。何かしら専門性が活かせるなら、そういう方面で頑張ったほうがお役に立てるというものであろう。

 いっぽう、支援を受けるNPOの側にも専門家を必要としている事情がある。NHKの番組で田坂広志氏(多摩大学大学院教授)が言っておられたように、日本のNPOは、志は深いが、若くてプロフェッショナルのスキルを持たない人が立ち上げる例が多いという。そのため、せっかく頑張っても、各種の手続や金銭上の管理などで行き詰まることも少なくない。専門的なスキルを持った人がプロボノとして参加すれば大きな支援となる。

 さらに、企業の側も、それまでのようなお金の寄付に替えて、人材・知識を提供することで、より有効な社会貢献ができるし、それに参加した社員がプロボノの経験を会社の中でも活かせるようになるという点で双方向の効果が期待できるという。

 もっとも、「本務先の職場では自己実現や働きがいが実現しないからプロボノという形でそれを補完」という考え方については、上掲の田坂氏は否定的であり、「職場が殺伐としていることは問題。企業そのものが本来、働きがいのある職場でなければならない。」と指摘しておられた。




 以上、私が理解した範囲で考えを述べるならば、まず、プロボノという形態は、仕事と全く関係の無いような活動を主体とするボランティア活動よりも参加しやすく、しかも、自分自身の得意とすることを思う存分に発揮できるという点で、ボランティア活動全体を枠を広げる意義があるように思う。本務先の職場が以下に働きがいのあるものであっても、プロボノのような形の社会貢献にも合わせて参加していくことは、大いにプラスになるだろう。

 大学教員がプロボノに参加するとしたら、一般的には、謝金を受け取らないような講演、ネット上での情報提供、自らの専門知識に基づくアドバイスなどが中心となるであろう。