【思ったこと】 _a0712(月)[一般]参議院選挙雑感
7月11日に行われた参議院選挙の結果、与党・民主党は44(-10)、国民党は0(-3)、野党では自民党51(+13)、みんなの党10(+10)、公明党9(-2)、共産党3(-1)、社民党2(-1)、たちあがれ日本1(0)、新党改革1(-4)の議席を獲得したという(括弧内は改選前との増減)。非改選と合わせた議席数は、与党側が110(民主106、国民3、日本1)、野党側が132(自民84、公明19、みんな11、共産6、社民4、たちあがれ日本3、新党改革2、諸派・無所属3)となった。
今回の結果について、いくつか感想を述べておきたい。まず、一般論から。
- 8年程度のサイクルでの政権交代は必要
8年程度ごとに政権が交代していくことは日本にとって必要なことであると思う(←2〜3年で交代するような不安定な短期政権では困るが)。政権が長期化すると、必ず、既得権益を得ようとする支援勢力、族議員などが生まれてくる。また、野党側が弱体化しているもとでは、政権側の汚職や不正なカネの流れを追及しきれないところがある。政権交代の可能性が常にあれば、相互の監視態勢も維持されるだろう。但し、場合によっては、二大政党による棲み分け、なれ合いも起こりかねない。こういう時のためには、第三勢力も必要である。
- 今のままの参議院は必要ない
現行の参議院は、私はあまり必要だとは思っていない。同じような政党が衆議院と参議院で同じように議席を占めている状態では、わざわざ2回も審議をする必要はない。それよりも、地方区は全廃、立候補は無所属を原則とし、政党所属であっても党議拘束を外す、というような形で、「良識の府」としての役割を果たすべきであろう(その場合、衆議院のほうは選挙区のみとする)。また、参議院での審議内容は、長期的な制度に関する法案審議などに限ることとし、会議の回数を大幅に減らし、議員としての給与は大幅削減、そのかわり、「専業議員」ではなく、もともとの職業に就いたままで兼業できるよう、時間的にも制度的にも配慮を加えればよい。
次に、今回の具体的な結果についての感想。
- 今回の結果は、自民党の勝利ではない
自民党が改選第一党になったのは、人口の少ない一人区での当選が多かったからにすぎない(自民党の21勝8敗)。比例区の得票では、民主党の18,450,140票(16議席)に対して、自民党は14,071,670票(12議席)しか獲得しておらず、国民の多数が自民党政権の復活を望んでいるという状況には決してない。
- 「小泉チルドレン」の復活を歓迎する
「小泉チルドレン」という呼称が妥当かどうかは別として、とにかく、新自由主義経済派の小さな政府論に依拠して聖域なき構造改革を推進しようという勢力が復活したことは、今後の日本の進路選択において、民主党の対立軸の1つを残したという点で大いに意義があると思う。それも、新たな小党ではなくて、自民党の中で復活したという意味は大きいと思う。
- タレント候補、元スポーツ選手の大量落選を歓迎する
今回の参院選で与野党が擁立したタレントやスポーツ選手ら著名人候補は計25人に上ったが、当選したのは柔道選手の谷亮子氏(民主・比例)ら5人にとどまったという。タレント出身の政治家の中にも都道府県知事や大臣として活躍しておられる方があり一概に悪いとは言えないが、比例区の得票稼ぎとしか思えないような形で立候補されるのはいかがかと思う。
- 千葉法相の落選を歓迎する
神奈川選挙区で千葉景子・法務大臣が落選した。落選といっても69万6739票を獲得しているのだから、実際には、1票の格差の犠牲者と言えないこともないが...。
千葉景子氏が参議院議員としてどのような活動をされていたのかについては全く存じ上げていないが(←ウィキペディアで拝見したところ、私の出身高校の先輩であることが判明)、法務大臣として、就任以後に死刑執行ゼロというのは明らかに職務怠慢であったと思う。議員個人として死刑制度に反対することは自由だが、死刑執行の承認許可を出すことは法務大臣の職務であり、明確な理由無しに許可を先延ばししているとしたら大臣失格であると言わざるを得ない。
このさい、千葉氏は即刻更迭し、後任に、こちらの方に就任していただくということが、法治国家を守る上でぜひとも必要であると思う。
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