じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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8月22日(日)

【思ったこと】
_a0822(日)[旅行]東トルコで思ったこと(5)どこへ行ってもマンションだらけ

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 トルコ旅行は今回が初めてであったが、他国の都市と比べて一番目についたのは、マンションの多さであった。人口数万規模の地方都市でも、町の中心部はもとより、郊外の岩山の中腹のようなところにまでマンションが建ち並び、さらには、建設中の現場もたくさん目に入った。

 特徴としては、
  • おおむね4〜8階程度。
  • 同じ形、色のものが多い。色は、どちらかというと、オレンジやピンクなどの暖色系が多い。
  • マンションの屋上には、太陽熱を利用した温水器が取り付けられている。
  • ベランダには衛星放送のパラボラアンテナが異なる方向に向けて2基取り付けられている。ガイドさんの説明によれば、2つの衛星から数千の海外放送が受信できるということであったが、ホテルの客室では、大部分、トルコ語放送のみであり、天気予報と世界の経済指標(各国の株価と外国為替レート)以外は内容を理解することができなかった。(CNNの放送もあったが、なぜかトルコ語のみ。北東地域ではロシアの放送もあった。)
 夜になっても灯りのついている部屋は少なく、ひょっとして住宅バブル?と思ったが、ガイドさんに尋ねた限りでは、ローンを返せない人はそれほど多くはないという。アラブ系のビジネスマンが、長期滞在用に所有している場合もあるらしい。

 マンションの価格について詳しい情報は得られなかったが、イスタンブールあたりでは、日本の地方都市なみの価格になっているらしい。1戸あたりの建坪は日本よりはかなり広く、中には300平米以上というように宣伝している看板も見かけた。

 ということで、日本よりは広々とした環境で快適なマンション生活が送れそうにも思えたが、1つ、非常に気になったのはその耐震性である。写真下の6枚にもあるように、8階程度の高さのマンションを造る場合は、
  • まず、壁と天井・床のみを、鉄筋コンクリートで造る。
  • 材木の支柱をいっぱい立てて、1階ずつ上に積み上げていく。
  • 残りの壁は、ブロックを積み上げてふさぐ。
  • 室内と外壁をしっくいとペンキで塗り固めて完成。
という工法であるように推察された。

 この工法による建物であればおそらく、震度5程度の地震でブロック部分がすべて崩れ落ち、その下敷きになる危険が大きい。(←であるからして、万が一、トルコで大地震に見舞われた時は、まずは、壁の近くから遠ざかることが第一であるように思われた。) また、鉄筋もそれほど丈夫ではなく、横揺れの振幅によって、特定階が丸ごと崩壊する恐れもあるように見えた。私たちが宿泊したホテルも、大部分は、同じような工法で建てられたものと思う。

 トルコでは10年に一度程度、大きな地震が起こっているという。最近では1999年8月17日に北西部でマグニチュード7.4の地震が発生し、死者約1万6000人、被災建物約24万4000棟など、甚大な被害があった。また一番最近では、2010年の3月8日未明には東部エラズー県ではマグニチュード6.0の地震が起こっているが、この時の死者は速報で57人、日干しレンガ造りの建物の倒壊で被害を広げたが、コンクリートや石造りの建物では亀裂程度の被害ですんだという。今年の3月に起こった地震は規模が小さく、どうやら、10年に一度の大地震には相当しないようだ。

 次回に続く。