じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2010年版・岡山大学構内でお花見(83)ヒガンバナの隠れた名所 10月1日の日記に、大学構内で咲くヒガンバナの写真を掲載したが、隠れた名所は他にもある。今回の写真は、一般教育棟構内(津島東キャンパス)の東南端と、座主川沿い。ここでもどういうふうに繁殖しているのかは大きな謎である。 |
【思ったこと】 _a1005(火)日本心理学会第74回大会(14)心理学の縦断研究における継時的データの分析方法(1) 今回は、大会第2日午後に行われたワークショップ: ●心理学の縦断研究における継時的データの分析方法− 方法論と幾つかの試み − 21日 12:30-14:30 について、メモと感想を記すことにしたい。ちなみに、この時間帯には、「統計学と心理学の関わりと隔たり」、「医療・健康と心理学の新しい関係をめざして」、「高齢者ケアに対する心理学からのアプローチ」、「集団行動原理の文化差とその社会生態学的要因の解明」、「フランクルとマズローの再評価−人生の意味を問う心理学に向けて」といった、私にとって特に興味深いタイトルのシンポジウム、ワークショップ、小講演が目白押しになっていて、どれに参加しようかとかなり迷ったところであったが、いちばん実用的な内容であり、卒論・修論指導にも役立つと考えて、表記のワークショップに参加することにした。 抄録集によれば、このワークショップの趣旨は、 心理学における縦断的研究が滞っていると思われる理由の一つとして,生活体の感情や認知,そして行動の変容過程に関する収集データを合理的かつ有効に分析する手段が確立されていないことが挙げられる.そこで本ワークショップでは同じ問題に直面する研究者が,新たな分析方法に基づいて継時的データを処理し,その結果について報告する.となっていた。 始めに、YK氏から企画趣旨の説明があり、続いて、MA氏から、「マルチレベルモデルを利用した刑事データの分析」というタイトルの分かりやすい解説があった。 MA氏は、これまでの心理統計教育の手薄な点を、「Nested」、「ANCOVA」、「変量効果、random effect)」という3つのキーワードに基づいて指摘された。マルチレベルモデルは1980年代から知られており、SASやSPSSでも実行可能であるが、今述べた3点が考慮されていなかったためにあまり用いられて来なかったという。 詳細は印刷資料として配布されたのでここでは省略するが、要するに、分散分析というのは回帰分析の一種であるということが十分に理解されていないというのが、話題提供者や指定討論者の共通のご指摘であったと理解した。 私自身も、これまでに何度か心理統計の授業を担当したことがあり、自らの理解力の無さを大いに反省しているところであるが、そもそも文学部の学部教育で、心理統計関連の授業の達成目標をどこに置くかというところから、かなり懐疑的にはなっている。心理統計だけの専修コースをたてるならともかく、実験心理学から調査・面接といったあらゆる分野を総合的に教えるというカリキュラムの中では、統計学関連の授業はせいぜい3コマ程度になってしまう。数学を苦手とする人の多い文系の学部で基礎から学ぶということはなかなか困難。結局、よく分からないままに先行研究の真似をしながら、原付バイクの免許で大型トラックを運転するような感じで統計パッケージにデータを入れているようなところが無いとも言えない。 次回に続く。 |