じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 大学構内で見つけた「オレンジ色の秋」。写真上はキンモクセイの花。左下はホオズキ、右下はカラスウリの実。


10月14日(木)

【思ったこと】
_a1014(木)日本心理学会第74回大会(22)自然環境と心理学(1)

 今回からは大会第2日目の夕刻に行われたワークショップ、

●日本環境心理学会企画 自然環境と心理学 21日 15:30-17:30

について、メモと感想を記すことにしたい。

 まず論文集によれば、このワークショップの企画趣旨は、
自然環境は,いわゆる「癒し」を与えてくれる環境の1つとして多くの人々に好まれている。環境心理学では,こうした自然による癒し効果についての実証的研究も数多く行われている。とくに今世紀に入ってからは,自然環境を扱う心理学研究の数も増え,近年では,自然環境を扱った研究論文が,海外の環境心理学主要誌にほぼ毎号のように掲載されるまでになってきている。こうした海外の状況と比較すると,わが国においてはまだ,自然環境を扱った心理学研究の数が少ないように思われる。

 そこで本ワークショップでは,森林浴,校庭緑化,公園散策による心理的・行動的影響について,最近の研究成果を話題提供してもらい,自然環境と心理・行動研究のありかたや,今後の展望について議論したい。
となっていた。私自身がこのワークショップに関心を持ったのは、なんと言っても、ここで取り上げられている話題が、私自身が入会している、 とよく似たテーマを取り上げているからであった。もっとも、上掲の2つの学会の会員は、農学部園芸学系や医療関係者(医師、看護師、作業療法士など)の研究者が大多数を占めており、心理学系には殆ど知られていない。ということもあって、上掲の2つの学会では心理学の研究法が用いられることは殆どなく、実験、調査、統計解析などの点で、心理学者から見ればうーむちょっと問題があるのでは?と思われるような研究発表も少なくなかった。

 いっぽう、今回のワークショップは、日本心理学会の大会の中で行われているため、参加者はほぼ全員が心理学関係者となっていて、園芸学系や医療系の関係者は皆無に近い。今後、何らかの形で、その溝を埋めることに貢献できれば、と思ったのがワークショップに参加した最大の理由であった。

 なお、まことに失礼ながら、私は、日本環境心理学会という学会があることを、今回初めて知った。ネットで検索したところ、こちらに学会のWebサイトがあり、すでに年次大会を3回開催しているということが分かった。次回は、2011年3月5日(土)に東京都市大学環境情報学部横浜キャンパスで開催されるとのことだ。時間的余裕があれば臨時会員として参加させていただきたいと思うが、この時期は、入試関係などの業務できわめて多忙であり、出張日程を確保できるかどうかは微妙である。


 次回に続く。