じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§ エチオピア・ダナキル砂漠の旅行中の食事内容。
  • A〜D:ホテルの食事。牛肉、鶏肉、ヤギ肉など
  • E〜G:テント泊中の食事
  • H:弁当
  • I:ドライバーの人たちが食べていた現地料理

アファール人たちの日常食とはエライ違いだ。

1月21日(金)

【思ったこと】
_b0121(金)世界一番紀行 「世界で一番暑い土地〜アファール三角地帯 ジブチ〜」

 表記のNHK番組を視た。昨日の日記で取り上げたソマリアの隣にあり、エチオピア・ダナキル砂漠にきわめて近い。というか、ダナキル砂漠自体がアファール三角地帯の一部を構成しているとも言える。番組の後半部分で紹介されていた塩湖や礫砂漠は、3週間前に見てきた風景とそっくりであった。もっとも、エチオピアのアサアレ湖では岩塩の板として切り出されてラクダやロバに積まれていたのに対して、今回のアッサル湖での採掘では、湖岸の固まった塩を袋に詰めてラクダに積むという方法がとられていた。また、1月4日の日記に記したような部族間の分業は無く、アファール人だけの手で運ばれているように見えた。

 番組では「世界で一番暑い」とされていたが、これはあくまで平均気温34.5℃が世界一というだけにすぎない。最高気温だけで比較すれば、イラクのバスラの58.8℃のほうが暑いし、昨年8月の岡山県岡山の平均気温は大阪と並んで日本一の30.4℃(2010年9月2日の日記参照)であって、日本のほうが湿度が高いことを考えれば、ジプチの暑さがそれほど過酷であるかどうかは分からない。

 番組の後半では、塩のキャラバンで生計を立てている人たちのことばが印象に残った。

●(リーダー)この土地には何より自由がある
●(リーダー)我々アファール族は自分のやり方を貫くことができる
●(リーダー)外から干渉されないのが一番だ
●(別の男性)わたしたちの幸せはこの土地の外にはありません
●(別の男性)ここはアファール族にとって恵みの地なのです

 私たちが旅行中に食べた料理(↑の写真参照)に比べると、彼らの食事はきわめて質素であり、岩塩と交換して手に入れた小麦粉をこねて焼け石の竈で焼いたパン、他にはヤギの乳だけで暮らしているようにも見えた。そこで暮らす限りにおいては何とか自活できるし、不況で解雇される心配もない。グローバルな世界から見れば、集団で隠遁生活をしているようにも思えた。

 彼らの生活スタイルの一番の問題は、職業選択の自由が無いということであろう。近くに学校が無いため十分な教育を受けることができない。何百年経っても、近代的な生活に移行することができない。

 しかし、それじゃあ、現代人に職業選択の自由があるかというと、これまた難しい。確かに求人広告だけは多種多様にあるが、そのうちのどれに就くのかを自由に選べるわけではない。また、おおかたの職業では、組織の中で人の指図に従って任務を遂行しなければならない。これらの点ではアファール人のほうが遙かに自由であるかもしれない。

 牛を使った脱穀風景(1月21日の楽天版)にも写っているように、エチオピアの子どもたちは、農村部でも砂漠地帯でも実によく働いていた。子どもを働かせるのは虐待であると主張する人も居るが、少なくとも、家族の一員としての役割をちゃんと果たしていることは事実である。いっぽう、いまの日本では子どもたちはみな失業しており、しかも、自らの交換価値を高めるために資格取得などに励んでいる。どちらが生きがいをもたらすのかは微妙。