じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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農学部農場のスイカ畑。今年は早く梅雨明けになったので、日照時間は十分。まもなく収穫され、直販所で売り出されることになると思う。我が家でもぜひスイカを購入したいと思うが、いちばんの問題は冷蔵庫が満杯で冷蔵できる場所が無いということ。カットしたものをこまめに買うほかはなさそう。 |
【思ったこと】 _b0711(月)「ためしてガッテン」の数字トリックとは「モンティ・ホール問題」と「ベイズの定理」だった ハードディスクに録画してあった7月6日放送の、 NHK「ためしてガッテン」:数字トリック見破り術 を視た。「ためしてガッテン」という番組は1995年4月5日から放送されている長寿番組であり、昔はよく視ていたのだが、最近は何だかうさんくさい健康法などの紹介が多く、興味の持てないことが多かった。そんななか、数字トリックの話題を取り上げるというので久しぶりに録画予約をしておいた次第だが、内容は
このうち、2.のモンティ・ホール問題は、2月27日の日記でも取り上げたことがあった。ウィキペディアの当該項目にも詳細な解説があるが、なんで今ごろこの話題が取り上げられるのか、数字トリックとどういう関係があるのかはイマイチ謎であった。 ま、「一種の心理トリックになっており、確率論から導かれる結果を説明されても、なお納得しない者が少なくないことから、ジレンマあるいはパラドックスとも称される。 「直感で正しいと思える解答と、論理的に正しい解答が異なる問題」の適例とされる。」という点ではトリックと言えないこともないが...。 この問題に限らないが、ある現象が起こる確率というのは、決して唯一不変の値をとるものではない。但し、その意味は、条件をしっかりと確定した時のその事象の起こりやすさは客観的であって、念力で変えることはできないし、観察者によって起こりやすさが変わるというわけではない。要するに、確率の値を計算する時、観察者が何を分母にして、どういう範囲で現象を観察しようとしているのかによって大きさが変わるという意味である。 例えば、きょうの雨の降る確率は何%?という時の確率の大きさは、どういう地域(狭い地域か県全体か)を対象とするかによって変わってくる。日本全体なら毎日ほぼ100%といってよいかもしれないが、自分の家の屋根の上に降る確率はもっと小さくなる。但し、何を分母にしたとしても、これから1時間以内の雨の降りやすさが変わるわけではない。 3.の「がん検診」の話題は、ベイズの公式の基本形であり、これも、なんで今ごろこの話題が取り上げられるのかという点では若干疑問が残った。どうせなら、いま切実である放射能汚染の安全基準の問題を扱ったほうがよいのではないかと思った。がん検診というものは、常に
もう1つ4.では、「合格者発表前に学生アパート等の契約(不合格の場合のキャンセル料無料)をした受験生の合格率は、一般的な合格率よりも高い」というような話題を取り上げていた。解説にもあったように、一番の要因は、受験の最中に「絶対ダメだ」と思った受験生はそのような申し込みをしないであろうということ、このことが合格率計算の分母を小さめにしているのではないかと考えられる。あと、ラサール石井さんも指摘しておられたが、アパート等の契約をする人は、自宅通学できない人に限られている。わざわざ遠方の大学まで受けに来る受験生はそれなりの準備をしてきたはずで、もし自宅通学圏内受験生の中に「合格可能性は低いが、もし入学できたら近くで便利なので、とりあえず併願しておこう」という者が多ければ、アパート契約者のほうが合格率は高くなるものと思われる。但し、これは、出身県別の合格率を算出しないと何とも言えない。 この4.の話題はまさに「数字トリック」と呼ぶべきものである。「発表前にアパート契約したから合格率が上がる」という因果関係があるのではなくて、「契約をしたという条件のもとでの合格率は結果として高かった」と考えることが数字トリックの見破りということになる。 |