じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡山大学本部棟の屋上に出現した校旗。そう言えば先月、この建物で工事をしているのを見かけたが、数日前まで、校旗が掲揚されていることに気づかなかった。


1月24日(火)

【思ったこと】
_c0124(火)上野千鶴子特別招聘教授着任記念学術講演・シンポジウム(14)シンポジウム(1)立岩氏のコメント

 昨日の続き。

 上野氏の講演のあと、休憩時間をはさんで、シンポジウム「『ケアの社会学』をめぐって」が行われた。登壇者は上野氏のほか、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授の
  • 立岩真也氏
  • 後藤玲子氏
  • 小泉義之氏
の3氏であり、各氏のコメントのあと、上野氏からのリプライ、さらに、全体討論やフロアからの質問に帯する上野千鶴子氏のレスポンスが行われた。

 まず立岩氏は、上野氏の「問い」に関する話題について、「あえて加えれば」とした上で、「問いがあった上で研究者がツールを提供する。先に基礎を固めるとそれだけで死んでしまう。」と述べられた。次に、上野氏を含む団塊の世代の研究者は、当時の時代背景を反映して資本主義嫌い、国家嫌いの傾向があったが、多くの人は、のちにその流れから撤収していった。そんななかでフェミニズムは唯一をれを継続させた運動であり、上野氏は、1990年に『家父長制と資本制――マルクス主義フェミニズムの地平』を刊行し、中心的役割を果たしているというようなことを指摘された(←あくまで長谷川の聞き取りによるため不確か。)

 その上で、資本主義とは何かちゃんと言ってみる必要があること、ケアを受ける権利からは義務も生じる、とすると国家が現れざるを得ないこと、さらに、上野氏は西暦2000年からの10年をどう見ているのか、福祉多元主義自体は20年前から語られてきた点などを指摘された。

 ケアについては、ケアされる側から政策を見ていくことも必要であり、要介護認定はそれでよいのか、あるいは本人が言えばそれでよいのか、というようにまだ検討の余地がある。資本制に関しては、
  1. なぜ弱者を生かすのか?
  2. 権利と義務を課す国家
  3. ケアされる側からの設計思想
といった点を考慮する必要があると述べられた(←すべて、長谷川からの聞き取りのため、不確か)。

 次回に続く。