じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2012年版・岡山大学構内でお花見(4)新入生を歓迎する桜。

 今年の春は気温の低い状態が続いていたためソメイヨシノはまだ一輪も咲いていないが、一般教育棟中庭では早咲きの桜(品種名不明)が一本だけ満開となっていた。写真は4月1日の早朝、同じ樹を違う角度から撮ったもの。下はフラッシュ使用。

 4月1日は、新入生オリエンテーションが各学部において実施される。新入生歓迎にはピッタリの雰囲気。

 ※岡山大学構内の花だよりのアルバム(追記更新型)をLife-Xに開設しました。随時追加していきますので、時たま覗いていただければ光栄です。

3月31日(土)

【思ったこと】
_c0331(土)第17回人間行動分析研究会(7)家庭犬のしつけに関する行動原理の知識テスト(3)行動原理を身につけている人とそうでない人を識別するツールとして

 昨日の日記で、なぜ内的整合性を高めなければならないのか?という若干の疑問を呈した。しかしとにかく、話題提供のもととなった論文によれば、198名のデータ分析の結果、KBPADのCronbachのα係数は0.827という高い値を示したということである。昨日も述べたように、今回の「しつけに関する行動原理の知識テスト(KBPAD)」は、行動原理に関する多種多様な知識・技能を総合的・網羅的にチェックするためのものではなく、むしろ、行動原理(=行動分析学の知見に基づく諸原理)を身につけている人とそうでない人を識別する(=弁別的妥当性)ツールとして開発されたものであると理解した。

 ちなみに、このテスト「KBPAD」という名称は、O'Dellら(1972)が子どもの行動変容の原理をその親に対して指導するために開発した、KBPAC(Knowledge of Behavioral Principles as Applied to Children)に由来しているという。要するに「Knowledge of Behavioral Principles as Applied to Children」の「Children」を「Dogs」に変えただけのことである(正確には「to Children」のところが「to Family Dog Training」)。KBPACのほうの内的整合性は、奇遇折半法で0.93という高い値を示しており、また妥当性も保証されている。(→育児場面の行動原理に関する複数の教科書から項目を抽出しているので内的妥当性があり、親訓練後に得点が上昇することから、基準関連妥当性も保証されている。) KBPACは日本語版も開発されており(三好,1979) 日本事情に合わせて修正した短縮版もあるとのことだ。

 でもって、今回のKPPADのほうであるが、当初用意した25項目(正答を含む4択問題)は、上掲のKBPACを犬用に修正したものであった。子ども相手と違って、犬とは約束ができないし、金銭報酬を与えても喜ばない。これらを犬にふさわしい表現に変えた上で、一般の犬の飼い主、心理学を学んでいない一般の大学生、心理学専攻大学生・大学院生、犬の訓練士、動物看護師など198名に実施し、最終的に。総合得点合計との相関の低い2項目が外されて23項目から構成されることになった。

 ここで私が興味を持ったのは、除外された2項目である。元の論文によれば、それらは、
  • 23. 罰の与え方について正しいのはどれですか?
    1. 望ましくない行動の直後に思い切って強い罰を与えると良い。
    2. 望ましくない行動の直後に軽い罰を与えれば良い。
    3. 軽い罰から始めて、効かなければ徐々に強化していくのが良い。
    4. 罰は効果がないから不適当である。
  • 25. 飼い犬のボブは飼い主を困らせるようなことを沢山します。飼い主はどうすれば良いでしょう。
    1. 望ましくない行動を一度に取り除くように努める。
    2. まずいくつかの行動を選び出して対処する。
    3. 最もひどい行動を1つだけ選んで、これを変えることに全力をつくす。
    4. 行動を変えようとする前に、3ヶ月ほど待って、問題行動が固定して続くものかどうか見極める。


 確かに、これら2つの質問は、一部紛らわしい表現があり、行動分析学を学んだものでも判断に迷うようであった。(正解とされたのはこちら
→→→23.の正解は1.、25の正解は3.←←←
(矢印のあいだをマウスでなぞってください)

 次回に続く。