じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _c0612(火)金星の太陽面通過と行動分析学(6)間接体験の直接体験化(2) 昨日の日記で、間接体験をどういう形で直接体験に近づけるかが大きな課題となると述べた。 例えばバーチャルな宇宙旅行体験が実現すれば、わざわざ多額の旅費を払って宇宙船に乗り込まなくても、地球周回や月面、火星などに降り立つことの疑似体験ができるはずだ。そのさい、単に高精細の動画で景色を眺めるというだけでなく、自分自身の操作によってカメラの向きを変えたり(←実際には、ISSなどに広角のカメラを設置して生中継し、その画像のどの部分に視野を移すのかを観察者が能動的に操作できるようにする)、拡大できるようにすれば能動感が高まるはずだ。無重力の体験は地上では難しいが、宇宙空間が投影されている大型の水槽を回転させ、その中で潜水服を着ながら泳ぎ回れば、それらしい体験ができるかもしれない。 宇宙旅行などと大げさなことでなく、一度も行ったことのない街角とか、かつて暮らした町の懐かしい風景なども、単に写真を眺めるのではなく、自分で働きかけて方角を変えたり前後に移動しながら画像を動かせるようになれば、より能動感が出てくる。Googleマップのストリートビューなども、もう少し操作性が簡単になれば、移動が不自由なお年寄りの楽しみの1つになるはずである。 この世界に生きている以上、多様な直接体験を重ねることが可能であればそれにこしたことはないが、時間的・資金的に制約があるし、常に安全であるとは限らない。バーチャルな世界に埋没してはならないが、仮想体験や、よりリアルな間接体験によって直接体験では実現できない部分を補っていくことは価値のあることだと思う。 |