じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _c0811(土)TEDで学ぶ心理学(6)Sheena Iyengar: The art of choosing.選択の科学(5)自分で選んだ場合と母親に選んでもらった場合の動機づけの中味 アイエンガー先生の ●Sheena Iyengar: The art of choosing.(2010年7月) の連載5回目。 昨日の日記にも述べたように、この実験は、 Iyengar, S. S., & Lepper, M.(1989).Rethinking the Value of Choice: A Cultural Perspective on Intrinsic Motivation. Journal of Personality and Social Psychology, 76, 349-366. から引用したものであり、コロンビア大学のアイエンガー先生の論文一覧から、原著論文ファイル(PDF形式)を直接入手することができる。昨日も述べたが、この実験論文では、実験者立ち会い場面での作業遂行課題のほか、休憩時間(実験者が「採点している」間の待ち時間)に子どもたちがどれだけの時間、自発的にアナグラムで遊ぶかということも報告されている【Figure.2】。グラフをざっと眺めた限りでは、休憩時間に自発的にアナグラムで遊ぶ時間は、
もっとも、行動分析学的にはもう少し別の解釈も可能である。但しそのためには、アナグラムパズルを解くという行動が何によって強化されていたのか(達成自体か、実験者や周囲による称賛か、...)、その行動は好子出現の随伴性で強化されていたのか、それとも「課題をやらないと怒られる」というような「阻止の随伴性」で強化されていたのかを個別に検討する必要がある。そのさいには、それぞれの子どもと母親との関係、あるいは、母親のしつけ方のタイプも調べる必要がある。 なお、リンク先の原著論文ではさらに詳細な考察や別の実験も掲載されているが、この連載の趣旨からは大きく脱線してしまうので、別の機会にコメントさせていただくこととしたい。 次回に続く。 |