じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



09月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
2012年版・岡山大学構内の紅葉(1) 図書館前と農学部前のカイノキ

 今年もまた、大学構内の紅葉の写真を連載していきたいと思う。1回目は、赤または黄に紅葉することで知られるカイノキ。農学部前のほうはまだ青々としているが、図書館前は一部、色が変わり始めてきた。

9月22日(土)

【思ったこと】
_c0922(土)全学FD研修(1)「国際教養」とは何か?(1)真の「留学効果」/英会話力よりライティング

 9月20日(木)、岡山大学で全学のFD研修会(「桃太カフォーラムXV」)が開催された。この研修会には、学会出張などとの競合が無い限りほぼ毎年出席している。(私が全学のFD委員長を拝命していた頃の記録がこちらにあり。)

 今回のメインテーマは「予測困難な時代の教養教育」となっていた。これは、

中央教育審議会答申(平成24年8月28日):新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜(答申)

の冒頭で「個人にとっても社会にとっても将来の予測が困難な時代が到来しつつある。」と記されていることに連動させたものと思われる()。
]3月26日発表の中央教育審議会大学分科会大学教育部会の審議まとめのタイトルは、「予測困難な時代において生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」となっていたが、その後、タイトルに限っては、「予測困難な時代において」が「新たな未来を築くための...」に置き換えられた模様である。

 もっとも、午前中の特別講演やシンポは、「国際教養」とは何か、あるいは、グローバル人材養成の目的や中味が討論されており、そういう教養教育を行うことが予測困難な時代に役立つということは最初から暗黙の前提になっているようにも思われた。

 以下、差し障りの無い範囲で、印象に残った点を備忘録代わりにメモしておく。

 まず、国際教養とかグローバル人材というと、海外での短期留学体験(3ヶ月〜1年程度)が思い浮かぶところであるが、海外に出かけただけでは真の「留学効果」は得られないというお話。大学の中には、海外に拠点を作って、何十人もの学生を一斉に送り込むことを「留学体験」と宣伝しているところもあるが、それでは、日本国内の講義室が海外に丸ごと一時移転したようなもので日本人どうしで固まってしまう。そうではなくて、できるだけたくさんの海外の大学と提携し、送り込む人数は一校あたりせいぜい2人以内とし、現地で一人で悪銭苦闘しながら日々の生活、履修登録、受講、試験などを体験していくことが大切であるというお話であり、まことにごもっとも、と思った。

 次に、「国際教養」のための英語教育であるが、これは決して英会話力ではない。求められるのは、相手が言うことを正確に理解し、正確に自分の考えを伝えることである。そのためには、とりわけ、ライティングの力が重視されるという。これもごもっとも、と思った。

 次回に続く。