じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 11月6日、本部棟の屋上にフランス共和国国旗がはためいていた。国際学都シンポジウム「学都とは何か?-ストラスブールの挑戦」を歓迎するための配慮ではないかと思われる。私の知る限り、外国の国旗が掲揚されたのほ今回が初めて。

11月6日(火)

【思ったこと】
_c1106(火)第5回日本園芸療法学会in 岐阜(10)大会2日目の研究発表は高齢者関係の発表が2/3を占める

 11月1日の日記の続き。

 大会2日目は、朝09時から研究発表が行われた。発表は口頭とポスターに別れており、口頭発表は18件、ポスターは6件、合計24件であった。長谷川の独断で大ざっぱに分類してみると、
  • 高齢者関連:16件
  • 発達障がい者関連:2件
  • 病院(高齢者関係を除く):2件
  • その他:4件
となっていて、高齢者関係の発表が2/3を占めていた。昨日の日記にも述べたように、園芸活動には
  • 庭づくりという能動的・主体的な活動が継続し、かつ、その行動は植物の成長によって自然に強化される。
  • やる気を失った状態にあっても、植物に促される作業がある。
  • どんなに歳をとっても、季節の移ろいに伴って、発芽、成長、開花、結実のプロセスに期待し、じっくりと待つことができる。
などの特長があるほか、現在の高齢者には農業体験者が多いため過去の経験を活かした充実した日々を送れるというメリットも考えられるように思う。

 もっとも、園芸活動といっても、多くの施設では、プランターへの寄せ植えが中心であった。この場合、寄せ植え行動の直後、または数週間以内に開花が楽しめるという直接効果的な結果が伴う反面、発芽からの長期間の成長、季節の移ろいに合わせた変化を楽しむことはできない。認知症の度合いによっては、少し前に自分が関わった作業を忘れてしまうということもありうるが。

 このほか、急性期の患者さん等を受け入れる施設の場合は、病室でのスプラウトの栽培、病院屋上などで植物に触れる機会、病室の窓からの自然の景観などが有効ではないかと思われる。

 発表の個々の内容にはふれないが、奥様を癌で失った方の喪失体験の語り、農業高校生の体験発表など、他の学会年次大会には見られないユニークな内容も含まれていた。いずれも意欲的で、実践家どうしの体験交流として意義深い内容であったと思う。

 次回に続く。