じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _c1229(土)質的研究・文化心理学の交差点:ヤーン・ヴァルシナー教授を迎えて(4)ヴァルシナー氏の講演(3) 12月28日の続き。ヴァルシナー氏の講演については、とりあえず、最後の要約部分を引用することとし、詳しい内容については、御著書(サトウタツヤ氏監訳)を入手したのちに、改めてコメントさせていただこうと思っている。でもって、配布資料に記された要約は以下の通りであった(訳はサトウタツヤ氏)。
文化とはその中で生まれた人に影響を及ぼすその人以外の人々によって用意されたすべての変数のことである。と定義していることを再度引用しておく。 次に2.では、人間行為(行動ではなく)【HUMAN CONDUCT(NOT "BEHAVIOR")】という部分で、行為と行動をどう区別しているのかが気になるところである。ちなみに、中国語では、「行動主義」は「行為主義」と呼ばれている(こちらの写真(台北)参照)。 。このほうがBEHAVIORにぴったりの訳になるというのだが、ここで訳されている「行為ではなく行動」とはどう違うのだろうか。それから、行動分析学でいう行動とは、外形的におなじに見える筋肉の動きではなくて、あくまで、行動随伴性とセットになった行動として定義される。さらに目的論的行動主義ともなれば、さらに中・長期的な視点が入ってくる。また、「記号論的になる。人間の行為は「意味に満ちた」」は、個体を取り巻く環境刺激の一部が弁別刺激や習得性強化刺激になることとして十分説明可能であるように思われた。 3.の「破壊と構築の統一」については、12月28日の日記でも言及したように、日常場面での行動(行為?)は、いちいち葛藤や選択を迫られるようなものではなく、単に、生起頻度の確率が増えたり減ったりするだけの現象として捉えてもそれほど不都合はないと考えている。 次回に続く。 |