じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
【思ったこと】
980608(月)[一般]ネジバナと階段の左巻き、右巻きについて考える 6/4の「ちょっと思ったこと」のところに書いたが、ネジバナ(モジズリ)は右巻きと左巻きがほぼ半々になっているようだ。きょうの夕刻、これを確かめようと、文学部中庭一面に咲いているネジバナ中から証拠になりそうな写真を数枚撮ってみた。こちらにその「成果」を示す。【写真は、期間限定につき掲載終了】 自然界には、右巻き、左巻きいずれかに方向が定まったツル植物は多いが、ネジバナに限って全くランダムに左右の巻き方が決まるとすれば、これはまた大きな謎である。 さて、これだけでは物足りないので、そこからの連想で、階段の「左巻き」「右巻き」についてちょっと考えてみることにしたい。ここでいう左巻き、右巻きというのは、折り返しながら上に登っていく階段について、左足を外側にするように登っていくのか、それとも右足を外側にするように登っていくのか、という問題である。4〜5年まえに、うちの教室の卒論生が、大学構内や周辺アパートの階段についてその比率を調べたことがあった。手元に卒論原本が無いので詳しいことは忘れてしまったが、少なくとも国家公務員アパートに関しては、どの階段もすべて左足が外側になるように登っていくように設計されていた。 記憶が定かではないが、東京タワーの階段なんぞも同じ向きになっており、展望台から歩いて下るときには、右足が外側(←下りなので、逆になる)になるような螺旋階段の構造になっていたように思う。 もちろん逆向きの階段が無いわけではないが、どうも比率には偏りがある(=左足が外側になるように登っていくほうがはるかに多い)ように思えてならない。謎をとく鍵となるような情報をお持ちの方がおられたら、ぜひ教えていただきたいと思う。 |
【思ったこと】
980613(土)[一般]人間界の左と右(1)遊園地の遊具の場合 月下旬にカナダに長期出張に行く同僚夫婦を招いて夕食会をやった。珍しくワインを4杯も飲んだために、眠くてたまらなくなったので、連載中の「トランプゲーム」と「大学ランキング」の話題はお休み。 同僚の教官は日本の高校を卒業後、アメリカの大学でずっと研究をしてきた経歴があるだけにいろいろと貴重な体験を話してくれた。そんななかでディズニーランドのことが話題になったときに、かねてから疑問に思っていたことを尋ねてみた。それは、向こうの遊具は、進行方向に向かって左側から乗るか、右側から乗るかという問題である。 8日の日記で、ネジバナの回転方向にかこつけて建物の階段が右回りか左回りか(左足を外側にして登るか、右足を外側にして登るか)という話題をとりあげたが、もっと一般的に、乗り物とかエスカレータとか歩行者の動きなど、意外なところで左右の比率に偏りがあるように思う。 日本国内の遊園地の乗り物は、たいがい、進行方向に向かって左側から乗るようにできていたと思う。TDLの遊具などを思い出してみても、各所の観覧車を思い出してみても、あまり例外は無かったと思う。もっとも息子の記憶によれば北九州のスペースワールドのスペースドーム何たらというのが右側から乗るようになっていたという。また、香川県のレオマワールドは、直輸入ものが多いせいか右乗りが多く、もしかするとメリーゴーランドも左回りではなかったかというような記憶があるが定かではない。 その理由として、日本(たぶんイギリスも同じ)は、バスやタクシーに乗るときに進行方向に向かって左側から乗車する。そこでなるべく日常生活場面に一致させることで事故を減らそうと左乗りにしているのではないかという仮説が考えられる。そしてもしそうであれば、アメリカでは逆に右側から乗る遊具が多いのではないかと考えられる。 で、そのことを聞いてみたわけだが、あまり同僚もあまりはっきりは覚えていないが、高速の遊具では右乗りが多かったのではないかという話だった。 こういうことは、アメリカ御滞在中の日記作者に聞けばすぐに分かることなんだが、takaさんやえんどーさんが一時帰国された時にもまったく思いつかなかった。国内外を問わず、何か情報をお持ちのかたがおられたら、こちらまでお教えいただければ幸いである。 |
【思ったこと】
980620(土)[一般]人間界の左と右(2) 昨日の日記の回転寿司の廻る方向について、いくつか情報をいただいた。その1つ、りえさんから、(右利きの人の場合)皿が右から左方向に動くほうが右手で取りやすいのでは、という御意見をいただいた。 皿が左から右に動く方ばあい、皿の進行と右手の手のひらが向き合うのでかえって取りやすいようにも思えるが、これでは手のひらへの衝撃が大きい。皿をおいかけるようにして取る場合には、さらの進行方向と手のひらの移動方向が同じ向きの方が衝撃が少なくて済む。このことが右回りの回転が多い理由になっているとすれば納得できる。さすがはりえさんだ。 【訂正追記】りえさんのご意見は、右回りなのは、左手でお皿を取りやすい・・ということだったので訂正します。つまり、右手にはお箸を持っているから、左手でお皿を取ると。回転寿司は気楽に食事が出来る場所だから、多少、行儀が悪くてもいいのではないかな、と。ということ。となると、上記の考察は見当ちがいということになるなあ。うーむ。ますます分からなくなってきた。 この回転寿司に限らず、人間界にはいつの間にか左右の方向や位置が定まってしまった現象があるようだ。その中には、
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【思ったこと】
980621(日)[一般]人間界の左と右(3)スーパーのレジ、バスの乗降、お寺の拝観順路、教室の入り口 昨日の日記の続きとして、ふと思ったことを箇条書きにしていきたい。なお、この日記を読まれた方々からも貴重なご意見を頂戴しているが、明日以降にまとめて紹介させていただきたいと思う。
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【思ったこと】 980623(火)[一般]人間界の左と右(4)寄せられた情報・御意見を御紹介 きょうは、この連載に対して寄せられた情報や御意見を紹介させていただきたいと思う。但し、これだけでは転載onlyになってしまうので、私が昨日「発見」した新たな疑問を1つ。 テレビやディスプレイの電源ボタンはすべて右側についている。ところがビデオデッキの電源ボタンは、左側についている。これは何故だろう???きょうはまた、学外非常勤講師終了後、近くの回転寿司屋で昼食をとる。皿が右から左に動くのを眺めながら、これが反対向きだったら何か困ることはないかと思案するが、いっこうに名案が浮かばない。余談だが、きょうはイクラが出て無かった。O157がらみの自粛だろうか。 さて、それでは寄せられた情報を2つほど紹介させていただく。まずは、米国での生活経験豊富なY.Horiuchiさんからの情報。 まあ、回転寿司のコンベアを作っている会社が1社しか無ければ、その仕様に従うしか無いなあ。今度の土日にでも、そのメーカーのホームページでも探してみるか。 飛行機に関しては、国内線、国際線、外国の国内線などいろいろ乗ったが、あまり昔のことは記憶に無い。ここ数年のあいだに乗った国内線は皆左側から乗降していたと思う。20年ほどまえに乗ったボーイング727は、おしりのところから乗降したような記憶があるけれど...。しかし、いまのジェット機、右側には乗降口はついていなかったかなあ。左右対称についていたような気もするのだが。 郵便配達車が右側ハンドルだとは知らなかった。日本では車を運転しながら郵便配達するような町は無いから左ハンドルにする必要は無いかもしれない。ひょっとして有用かと思われるのは、路側帯を気にしながら移動する除雪車。日本の場合は左ハンドルにしたほうが見やすいのではないだろうか。 もうおひとかた、S.Tsukizakiさんからいただいた情報: そうか、バイクや自転車のスタンドは車体の左側から操作するようになっているのか。とすれば、この問題にかぎっては車両は左側通行のほうが安全ではなかろうか。 右利き、左利きの比率とか諸能力との関係については、数年前に心理学関係誌に取り上げられていたように思う。右脳左脳の優位性などと関連づけて長年にわたって研究している方もおられるようだが、最近の進捗状況は不勉強のため把握していない。 キーボードは、テンキーで数値入力をする限りは右側のほうが多いようにも思う。ただ、マウス(私は最近はトラックボールしか使っていないが)とキーボードを併用する環境では、左側のキー操作が増えるのはやむを得ないかと思う。 以上とりあえず、お寄せいただいた情報・御意見の第一弾を御紹介させていただいた。今後もぜひ、情報をお寄せいただければ幸いです。 |
【思ったこと】
980707(火)[一般]人間界の左と右(5)右脳左脳、右利き左利き 自宅アパートに戻ったところ、「たけしの万物創世記」で、「右と左の世界」をやっていた。内容は、右脳左脳の機能や優位性の話、それと右利き左利きであった。第一印象として、この番組には珍しく、左右の脳の機能差についての誇張表現が多いような気がしたが、終わりのほうでは、左右が統合された1つの脳としての働きにも言及していたから、まあ、それほど目くじらをたててあれこれ言うべきこともなかろうかと思った。真偽のほどは別としてとりあえず、面白かった話題は以下の通り。
時間が無いので、とりあえずこれらに対する感想を箇条書きにしておく。
<追記>この連載をサボっている間に、読者の方々から貴重な情報が寄せられたのでご紹介させていただく。
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【思ったこと】
990107(木)[一般]人間界の左と右(5):矢印の向きと「開始」「終了」 昨年7/7の日記以来のひさびさにとりあげる話題。 各種報道によれば、往復葉書のデザインが変更され、在庫が無くなり次第あたらしいものに切り替えられるという。といっても実際に変わるのは、これまで「往信」「返信」の表示を囲んでいた四角い枠を矢形するという程度のことらしい。とはいえ、矢の向きが、「往信」は右、「返信」は左になっているというところが面白い。 この表示に限らず、右向きの矢印(→)は開始、左向きの矢印(←)は終了という意味で用いられることがある。身近なところでは、交通標識で、制限80kmとか追越禁止の区間の始まりと終わりを示す場合だ。 ところでちょっと考えてみると、右向きの矢印が開始の意味に使われなければならない理由はどこにもない。数字あるいは大部分の言語では文字を左から右に書くけれど、日本語や中国語の縦書き、戦前の日本語の横書、アラブやエブライ語のように右から左に書く場合もある。こういう国でも右向きの矢印は「開始」の意味に使われているのだろうか。どなたか教えていただければ幸いです。 もうひとつ、交通標識についても似たような疑問がある。自動車学校で「→」が区間の開始で「←」が終了であるというのを習った当初、私はどうしてもそれを覚えることができなかった。そこで
※この連載に関して昨年7/7以降に判明したのは次のとおり。
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【思ったこと】
990108(金)[一般]人間界の左と右(6):年賀状のウサギは左向き 昨日の日記で書き忘れたが、そういえば、ネットスケープやMS-IE、JustViewなどについているBackとForwardのボタンも、左向き(←)が「戻る」、右向き(→)が進むという意味であることを思い出した。そのほか、これは前にも書いたけれど、ラジカセなどのテープの再生や早送りは右向き、巻き戻しは左向きの三角マークがついている。このほか、車はアクセルが右、ブレーキは左。 さて、「右=進む」がこれだけ多いと、なんだか左向きは後退の印象を与えてしまうように思うが必ずしもそうでない場合がある。私が今年の正月に受け取った年賀状のなかで動物の絵が描かれてあったのは全部で53枚あったが、そのうちの33枚(62.3%)は左を向いており、右向きの4枚(7.5%)より圧倒的に多いことが分かった。 53枚の内訳は、ウサギが47枚、ホオジロ3枚(絵付官製葉書「万両とホオジロ」西村昭二郎氏画)、それ以外の鳥1枚、コアラ1枚、自宅の犬の耳に飾りをつけてウサギにしたもの1枚。左を向く動物が多いのには、1つには絵が右下に配置されているため葉書の中心に顔を向けていたほうがバランスをとりやすいという理由があると思う。また、年賀状は縦書きが多く、文字の流れに合わせて左向きにしたという理由も考えられる。 しかし、おそらく一番の理由は、少なくとも右利きの人の場合、動物の横顔は左向きに描いたほうが描きやすいということにあるのではないかと思う。では何故か。これも推測だが、右利きの人が線を描くときには、ふつう左から右に描く。動物を描き始める時に顔から描き始める(シッポやお尻から描き始める人はまず居ないだろう)ので左に鼻先があったほうが描きやすいという理屈。じっさい、私自身も、犬や鳩、ネズミなどの横顔はみな左向きに描いてしまう。 もうひとつ、動物とは関係ないが、新聞の折り込みチラシの中に新車の広告があった。このチラシには25台分の写真があったけれど全部が左向きになっている。これまでにも左向きの写真を多く見たように思う。こちらは写真だから車の絵を描く場合とは異なるので別の理由を考えてみた。 コジツケかもしれないが、日本では車を道路の左側に停めるので、歩道から見た車は左向きとなる。右向きの写真では車道を渡った向こう側に停まっているように見えので親近感がわかないというのが私の解釈だ。これが正しいとすれば、米国の車の宣伝チラシは逆向きの写真になっているはずなのだが、実際はどうだろうか。 |
【思ったこと】
990122(金)[一般]人間界の左と右(7):広告の車の写真と図鑑の魚 1/8の日記の続き。前回もふれたが、右利きの人が人間や動物、乗り物などの絵を描く時には左向きになりやすい。これは、顔の前面(鼻先)から絵を描く場合に、左から右方向への線のほうが描きやすいためであると推測される。(このほか、右手で描くと絵の右側が隠れてしまうことも一因になっている可能性がある。ただし、それが唯一の原因であるとするなら、マウスなどを使ってコンピュータで絵を描く場合には右向きでも不便は無いはずだ。データをとってみる必要がありそう)。 いずれにせよ、写真を載せる場合には右向き、左向きの利便性は全く関係無いはずなんだが、車の広告ではどうも左向きのほうが多いように見える。そこで、一昨日あたりからの折り込みチラシで比率を調べてみた。結果は予想通りであった。但し、左向きといっても、前面から45度左に向いているものが多いようだ。いちおう区別してカウントしてみた。
左向きの車が多いことについて1/8の日記で コジツケかもしれないが、日本では車を道路の左側に停めるので、歩道から見た車は左向きとなる。右向きの写真では車道を渡った向こう側に停まっているように見えので親近感がわかないというのが私の解釈だ。これが正しいとすれば、米国の車の宣伝チラシは逆向きの写真になっているはずなのだが、実際はどうだろうか。と書いたところ、sableさんから貴重な情報をいただいたので紹介させていただく。 「米国の車の広告について」 他の方々からもぜひ情報をお願いします。 きょうの日記はここで終わりにしようと思っていたが、娘が使っている下敷きに魚の写真がたくさんあり全部左向きだったことから、興味をもって何冊か図鑑を調べてみた。
ネット上で公開されている魚の写真もいくつか拝見したが、この場合には左右の向きは半々ぐらい。釣り上げた魚の場合は右手で尾のほうを持つせいか、向かい合って撮影した場合には魚が右を向いている写真(つまり尾を右手で持ち、頭のほうを左手で支えている写真)が多いようにも見えた。こちらも情報をいただければ幸いです。 |
【思ったこと】 _00223(水)[一般]人間界の左と右(8)雛人形の左右の位置 2000年2月22日付けの日記読み日記で雛人形の左右の位置について 私が子供の頃に自宅に飾ってあったのは、確か(こちらから見て)左側が男だったように記憶しているのだが、リンクされていた京都国立博物館のHPでは、みな右側が男になっている。と思って、たまたま送られてきた全日信販の「AJ歳事暦」を見たら左が男になっていた。そういや、じぶんの結婚式の時、新婦はどっちに立っていたかなあ。確かじぶんの左側(周囲から見て右側)だったように記憶しているのだが、結婚式のアルバムを押入の奥に詰め込んでしまったため思い出せない。と書いたところ、めぐみさん(当該ページはこちら)から、以下のような貴重な情報をいただいた。ご許可が得られたのでここに転載させていただく[改行位置は一部長谷川のほうで変更しました]。 一般的には、西日本では男雛が向って右、女雛が左となります。どうもありがとうございました。なお、めぐみさんに、右大臣・左大臣(あるいは桜と橘の位置)などの位置についてもお伺いしたところ、さらに以下のようなご説明をいただいた。重ね重ねありがとうございます。 基本的にはこれは一定です。なお妻に聞いたところ、娘の雛飾りは東京風の位置で飾るようにしているとこと。うちの場合はアパートなので、三人官女や五人囃子は飾っていない。そういや小学生の頃、五人囃子の一人と内裏雛の首をすげ替えて「クーデター雛」などとイタズラをして祖父母にひどく叱られたことがあったなあ。 |
この連載は、人間界の左と右(2)に続きます。 |