じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 1月21日の午後、本部棟の真上に、雲越しの丸い太陽が見えていた。本部棟の屋上には日章旗が掲揚されているが、撮影場所からの見え方はホンモノの太陽とほぼ同じ大きさであった。


2013年01月21日(月)

【思ったこと】
130121(月)離婚して同じ人と再婚する場合の戸籍上の移動

 ほぼ毎回視ているNHK朝ドラ「純と愛」(1月10日の日記に関連記事あり)で先週、マリヤ(純の義姉)が正(純の実兄)との離婚届を出して受理されたが、その後いろいろあって、結局2日後に再び婚姻届を出したというような話があった。

 あくまでドラマの話ではあるが、実際にそういうことが可能なのか、またその場合の戸籍上の移動はどうなるのか、素朴な疑問が浮かんできた。なお、私は法律については全くの素人であり、以下に記すことはあくまでネット上で得た耳学問のレベルに過ぎない。関心のある方はぜひ御自身の手で確認していただきたい。

 さて、このドラマで真っ先に浮かんだのは、民法733条の、
(再婚禁止期間)733条
1.女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2.女が前婚の解消又は取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。
という規定である。もっとも、ウィキペディアの当該項目では、例外規定として、「再婚相手が前婚の解消又は取消し相手の場合」があるとのことで、同一人物と離婚し再婚する場合には特に問題が無さそうであった。但し、この例外規定は民法の条文としてではなく、「通説・実務」となっているようだが(こちら参照)、法律の詳しいことは分からない。



 もっとも、「離婚→再婚」は、離婚届や婚姻届の提出だけでは済まないことがいろいろありそうである。特に問題となりそうなのは戸籍の移動。このドラマの場合は、夫婦間の問題以外に、「狩野勇気」(女の子)という赤ちゃんが生まれている。勇気ちゃんの戸籍は再婚によってどう移動するのだろうか。なお、マリアさんは「日本人の父とフィリピン人の母を持つハーフ」という設定になっているので、当然、日本国籍を持っている。

 まず、狩野正とマリアが結婚した当初の戸籍で、どちらが筆頭者になるかで話が変わってくる。狩野正のほうが筆頭者であった場合、通常、マリアさんは旧姓で両親の戸籍に戻るか、狩野姓で新しい戸籍を作ることになるようだ。マリアさんの旧姓は分からないので、ここではそれを演じている高橋メアリージュンさんにちなんで旧姓を「高橋」と仮定すると、新しい戸籍では、「高橋マリア」となる。但し、マリアさんが希望すれば「離婚の際に称していた氏を称する届」を3ヶ月以内に出すことで、「狩野マリア」を名乗ることができるようだ。

 問題は勇気ちゃんの戸籍であるが、単に離婚しただけでは、筆頭者の狩野正の戸籍に残ることになる。マリアさんが勇気ちゃんを自分の戸籍に入れる場合は、入籍届が必要となるが、これには家庭裁判所の許可が必要であるという。となると、離婚2日後の時点で入籍が許可されたかどうかはかなり疑わしい。

 でもって、仮に入籍が許可されて、赤ちゃんの姓が「高橋勇気」に変更されたとなると、2日後の再婚時に、その戸籍からマリアさんだけが「狩野正」の戸籍に移動し、そのままでは「高橋勇気」だけの戸籍が残ることになる。勇気ちゃんを狩野正の戸籍に戻す場合は、通常の親の再婚であれば、「婚姻時に配偶者の連れ子がいる場合、養子縁組をしない限り法的には自分の子とはならない(姻族扱いとなる)。」という規定により父親との養子縁組が必要となるが、同一人物との再婚の場合は、子どもは実子であるゆえ養子にはできないはずである。となると、戸籍の記載上はどう扱われるのだろうか。このあたりは調べていないので何とも分からない。

 このほか、狩野正が、離婚後に作られたマリアさんの戸籍に入るという方法もあるらしい。その場合、筆頭者はマリアさんで、夫婦別姓が認められない限り、「狩野正」は「高橋正」になるはずである。

 今回のドラマのケースには当てはまらないと思うが、離婚歴を戸籍から消すという「裏技」もあるらしい。ネットで検索したところ、こちらのサイトにその方法が紹介されていた。詳しいことは分からないが、
【1】両親の戸籍に戻った後、住所を変更される際(住民票の手続き)などに、本籍地もどこか適当なところ(他の市町村)に移してください。移動させた新しい本籍地の戸籍簿には、離婚歴は引き継がれません(戸籍法施行規則第37条)ので、離婚歴がない戸籍になっています。つまり、自分の戸籍内にある離婚した相手についての記載や、親の戸籍内にある結婚前の自分についての記載が丸ごと消えることになります。
【2】もし、貴方のご希望の本籍地(元のご両親がいる市町村等)に戸籍を戻したければ、数ヶ月してから移してください。こちらにも離婚歴は記載されることはありません(元の市町村に戻られたときに、離婚歴がまた見えるようになることはありません)。
となっているようである。もっとも当人が死亡して遺産相続が発生した場合は、通常、当人の過去の戸籍の変遷が取り寄せられて相続人を確定し、遺産分割協議書を作成しなければならない。その調査過程で故人の離婚歴や非嫡出子の存在なども明るみに出てくるはずだと思うが、素人なので真偽はよく分からない。