【連載】チコちゃんに叱られる! 緑が目に優しい理由/波長555nmの色/黒は目に優しい?/完全閉眼の効果は?
昨日に続いて、1月9日(金)に初回放送され表記の番組についての感想・考察。本日は、
- なぜラグビーボールは楕円形?
- なぜ緑は目に優しい?
- なぜフラミンゴはピンク色?
という3つの話題のうち、2.について取り上げる。
放送では緑が目に優しいのは「筋肉が楽だから」が正解であると説明された。目の健康に詳しい綾木雅彦さん(眼科専門医)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- そもそも私たちの目は光の反射で色を認識している。
- 人間の目に見える色は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色の光でできている。緑の色に見えるというのは、対象物が緑以外の色を吸収し、緑だけを反射している状態。
- つまり物体そのものに色があるわけではない。反射する色によって何色かが決まる。
- 色の違いは光の波長によって決まる。
- 人の目で見える光の波長の長さはおよそ400nmから700nm。
- この範囲の波長を錐体細胞が感知することで色が認識される。
- 光の波長で一番筋肉が疲れないのが緑色の波長。
- 網膜は目の中でスクリーンの役割をしている。
- 光が網膜に集まるとピントが合う。
- ピントが合っていない時は毛様体筋が縮んだり伸びたりすることで水晶体の厚みを変えて調整する。
- この調整は色によって異なる。
- 青の波長は焦点が手前にあるため毛様体筋はずっと縮み続ける必要がある。
- 赤の波長は焦点が奧にあるため毛様体筋が緩められて水晶体を薄くするが、ピントの調整は繊細で合わせてもすぐにずれてしまう。合わせ続けなければならないので筋肉はジワジワと疲れる。
- 緑を見る時は最初から波長の焦点が網膜に合っている。毛様体筋は動かないので目が疲れにくく目に優しい。
- 緑は、筋肉以外にも目に優しい特徴をもつ。
- 同じ輝度の青、緑、赤では緑が一番見えやすい。
- 網膜には色の波長ごとに反応する3種類の錐体細胞があり、波長の短いものからS、M、Lと呼ばれている。
- 赤の波長にはL、青の波長にはSというように1つの錐体細胞が反応するのに対して、緑は2つ以上に反応するため見えやすい。
- 緑が目に優しくなったのは緑が人間にとって一番大事な色だったから。
- 約250万年前から、人類は【緑色の】森や草原で生活を続けてきた。緑の中で生き抜くため、緑とほかのものを識別する必要があった。全体の背景の緑にピントを合わせ、そこから違う色のモノ、例えば食べ物・敵・仲間を見分けられるように目が進化した。
放送ではこのほかブルーライトについても簡単な解説があった【要約・改変あり】。
- ブルーライトとはスマホやパソコンの液晶画面に多く含まれる青成分の多い光のこと。
- そもそも太陽からはスマホやパソコンから出る100倍のブルーライト成分を太陽から浴びている。
- しかし夜にブルーライトを浴びると、眠りを促すホルモンの分泌が出にくくなり睡眠のリズムが崩れてしまう。
- いっぽう、朝にブルーライトを受けることは目を覚ます効果がある。
- 昼のブルーライトには集中力を高める効果がある。
- 但しブルーライトの見すぎは毛様体筋が縮み続けるので筋肉が疲れる。
- そのため遠くの緑を見ると毛様体筋が緩められるので筋肉が楽になり目の疲れがリセットされる。
- でも本当に目を休めるのは目を閉じること。
放送では最後に
●毛様体筋が一番疲れにくく、錐体細胞の感度が一番高いのは波長555nmの黄緑色
という補足説明があった。
ここからは私の感想・考察を述べる。
まず、最後のところで補足説明された「波長555nm」の色をここで表示しようと思ったが、Yahoo!のAIアシスタントによるとそう簡単ではないとのことであった。理由は以下の通り。
特定の波長の光(単色光)をRGB値で正確に表現するのは、実はとても複雑なんです。厳密に波長555nmの光をRGBで完全に再現することはできません。しかし、近似値として表現することは可能です。
RGB表示の難しさ
人間の目は赤・緑・青の3色の光を認識する細胞(錐体細胞)を持っています。RGB表色系は、この人間の目の仕組みに合わせて、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの原色の光を混ぜ合わせることで様々な色を表現するシステムです。
しかし、単一の波長を持つ純粋な光(スペクトル色)の中には、RGBの三原色をどんなに混ぜ合わせても完全に再現できない色が存在します。これは、人間の目の特性とRGB表色系の限界によるものです。
ということであくまで近似的な16進数表現: #009200 は以下のようになる。
■■■■■■
なお、放送で表示された波長555nmと称する色はもう少し明るく黄緑色に見えていた。
次にChatGPTに以下のような質問をさせていただいた。
【質問】「青色や赤色の光を見るときには毛様体筋を調整する必要があるのに対して緑色の光を見る時は最初から波長の焦点が網膜に合っている。毛様体筋は動かないので目が疲れにくく目に優しい。」という説明を耳にしましたが、もしそうであれば、緑色で目の疲れを癒やすよりは、黒色を見たり室内を暗くすることのほうが目に優しいように思われますが、どうでしょうか?
いただいた解答は以下の通り。
ご質問の説明には**一部事実に基づく点**と、**誤解を招きやすい単純化**の両方が含まれています。そのうえで結論から申し上げると、
> **「黒を見る/暗くする」ことは、必ずしも緑を見るより目に優しいとは言えない**
というのが、眼科学・視覚生理学的に妥当な整理です。
以下、順を追って説明します。
- 「緑は毛様体筋を使わない」という説明の正確さ
- 焦点と波長の関係
人の眼では、波長によって網膜上での焦点位置がわずかに異なります(**色収差**)。
- 赤色光:焦点がやや網膜の後ろに来やすい
- 青色光:焦点がやや手前に来やすい
- **緑色光:網膜付近に最も合いやすい**
この点だけを見ると、
> 「緑はピント調節(毛様体筋の働き)が少なくて済む」
という説明は**完全に誤りではありません**。
- しかし、実際の目の疲れの主因は別
現実の視作業における眼精疲労の主因は、
- 調節(毛様体筋)
- 輻輳(両眼を寄せる筋)
- 瞳孔反応
- まばたきの減少
- 網膜・視神経の情報処理負荷
などの**複合要因**です。
色収差による調節負荷は、
👉 **眼精疲労全体の中ではごく小さい要素**にすぎません。
- 「では黒を見る/暗くするほうが楽では?」という疑問について
直感としてはもっともですが、ここに重要な落とし穴があります。
- 暗い環境では毛様体筋は休まらない
暗くすると、
- 対象物が見えにくくなる
- 無意識に「何とか見よう」とする
- **調節が不安定に揺れる(調節微動が増える)**
結果として、
👉 **毛様体筋はむしろ不安定に働き続けます**
- 瞳孔が大きく開く副作用
暗所では瞳孔が拡大します。
すると、
- 焦点深度が浅くなる
- ピントのズレに敏感になる
- 収差の影響が増す
👉 **かえってピント調節がシビアになり、疲れやすい**
- 網膜・脳の負荷はむしろ増える
「黒を見る」「暗くする」という行為は、
- 視覚情報が乏しい
- 脳がノイズの多い情報を補完しようとする
結果として、
👉 **中枢側(脳)の疲労は増える**傾向があります。
- なぜ「緑は目に優しい」と言われるのか(本質)
実は理由は色収差よりも、こちらの方が重要です。
- 視感度が最も高い
人の明所視(錐体視)の感度ピークは **黄緑(約555nm)**。
- 自然環境として「情報量が適度」
自然の緑(植物)は、
- コントラストが強すぎない
- ランダムだが秩序がある
- 視線を固定しなくてよい
👉 **調節・輻輳・脳処理のすべてが“ほどよく休む”**
- 結論の整理
| 行為 | 目への影響 |
| ------- | ---------------------- |
| 緑を見る | 視感度が高く、調節・脳処理ともに安定しやすい |
| 黒を見る | 見えにくく、調節が不安定になりやすい |
| 室内を暗くする | 瞳孔拡大・焦点不安定・脳負荷増加 |
- ### 結論
- **「緑=毛様体筋が動かないから楽」という説明は単純化しすぎ**
- **「黒や暗闇の方が目に優しい」というわけでもない**
* 目を休めるには
👉 **適度な明るさで、遠くの自然な緑を見る**のが最も合理的
緑が目に優しい理由として、今回の放送で解説の1番目に挙げられた「色収差」説についてはChatGPTはあまり重視しておらず、2番目に挙げられた「視感度が最も高い」、あるいは放送では言及されなかった「自然環境として「情報量が適度」」のほうが大きな理由であると指摘されていた。
もう1つ、「完全に目を閉じるのは有効か?」についても質問させていただいた。結論部分だけを要約すると以下の通り。
- 「完全に目を閉じること」は、短時間であれば有効だが、眼精疲労の根本的回復策ではない。
- 毛様体筋は「完全弛緩」していない。
- 視覚中枢(脳)は休みきらない。
- 長時間の閉眼は逆効果になりうる。
- 閉眼」と他の休眼法との比較
方法 |効果 |限界 |
完全に目を閉じる|即効性が高い|持続性が低い |
暗所を見る |効果は弱い |調節が不安定 |
遠方を見る |最も生理的 |実行環境に左右 |
自然な緑を見る |脳負荷が低い|色より距離が重要|
- 実用的な結論(おすすめの使い方)
- 最も効果的な使い分け
- 強い疲れ・乾燥感
→ 30~60秒、完全に目を閉じる
- 作業の合間の予防
→ 2~3分、5~6m以上先を見る
- 画面作業が長い日
→ 閉眼+深呼吸を組み合わせる
- やってはいけない誤用
- 「目を閉じていれば長時間回復する」と考える
- 画面作業中に頻繁に数分以上閉眼する
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