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Copyright(C)長谷川芳典 |
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NHK World Japanで配信されている気象情報の一例。雨を表すマークは国内向けと同様「傘マーク」になっていた。↓の記事参照。 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 天気予報の雨マーク(続き)/オンライン調査で傘の国際比較はできるか? 昨日に続いて、11月21日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。 本日はまず昨日取り上げた雨マークについての追記。昨日も述べたように、日本では雨のマークは傘マークが多いが、海外では雨雲マーク(雲から水滴、もしくは直線)ばかりで傘マークは殆ど使われていない。私が調べた限りでは、日本で雨雲マークが使われているのはウェザーニュースのみ、それ以外のNHK、気象協会、Yahoo!天気などは傘マークを使用しているようであった。 ここで1つ疑問に思ったのはNHKの海外向け放送では雨雲、傘のどちらのマークが使われているのかということであった。ウィキペディアの『NHKワールドTV、NHKワールド・プレミアムの国際放送独自の気象情報』の項目には、 2007年4月より祝日を除く月 - 金の昼間 - 深夜の時間帯(日本時間)においてリニューアルが行われ、他の海外放送局と同様に地球に見立てた立体CGの映像や天気マーク(「曇り」のマークが実物にそっくりな形で表現されている。雨マークは雨雲から水滴が落ちるアニメーション)および最高・最低気温(摂氏のみ)の表示もリニューアルされた。という記述があり、現在でも「雨雲マーク」が使われているのかと思ったが、NHKワールドのWebサイトでは傘マークになっており、どこかの時点で雨雲マークから傘マークに変わったのか、それとも雨雲と傘が不統一のまま併存しているのかどうかは確認できなかった。 次に放送で紹介されたウェザーニュースの調査(2014年)について。リンク先によればこの調査は、
また「雨で服がぬれるのは気になりますか?」という質問で 比較をする場合は「気になる」がどのような言葉に翻訳されていたのかが気になるところだ。例えば英語の場合、「気になる」は「worried about」、「anxious about」、「concerned」 「bother」、「annoy」、「care」、「mind」、「mattter」などがあるが、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあり、翻訳された語がどの程度の「気になる」のかによって回答比率も変わってくる。ちなみにDeepLでは
以下では、日本語の「雨で服がぬれるのは気になりますか?」に近いニュアンスを中心に、5つの英語表現の違いを丁寧に比較します。どれも意味は似ていますが、**聞き手が受け取る印象**が少しずつ異なります。 ## **(1) Do you mind getting your clothes wet in the rain?**
✔ 日本語に最も近い:「気になりますか?」=「嫌ですか?」「困りますか?」 ## **(2) Are you concerned about your clothes getting wet in the rain?**
✔ 「気にしていますか?」よりも **ちょっと心理的に重い感じ**。 **(3) Do you care about your clothes getting wet in the rain?**
✔ 例:ファッションにこだわる人かどうか、物を大切にするかどうかを聞くニュアンス。 **(4) Do you worry about your clothes getting wet in the rain?**
✔ 日本語では「気になりますか?」よりも **“心配していますか?”** に近い。 ## **(5) Does getting your clothes wet in the rain bother you?**
✔ 行動や状況が **「うっとおしいですか?」** というニュアンス。 ◆# まとめ(ニュアンスの強弱) | 表現 | 主なニュアンス | 強さ | | ------------------ | ----------- | -------- | | **(1) mind** | 嫌かどうか(最も自然) | 中 | | **(2) concerned** | 気がかり・心配 | やや強い | | **(3) care about** | 重視する・こだわり | 中(価値観寄り) | | **(4) worry** | 心配する | 強い | | **(5) bother** | 煩わしい・不快 | 中(不快感寄り) | ◆# 結論 日本語の「気になりますか?」に**最も自然に対応する**のは **(1) Do you mind ~ ?** と **(5) Does ~ bother you?** です。
他の文は、**心理的な心配**や**価値観**のニュアンスが強まるため、状況によって使い分けることになります。 もう1つ、ウェザーニュースの調査の方法であるが、どうやらこちらのようなフォームでネット上でのアンケートとして行われたようだ。ChatGPTに確認したところ、以下のことが分かった。 公開されている報道資料で方法が説明されています。要点は以下のとおりです。 ということであったのでさらに以下の質問をした。 【質問】このような方式で調査を行った場合、国・地域別の比較ではどのような「歪み」(全数調査を行った場合との結果の違い)が生じる可能性がありますか? いただいた回答は以下の通り。 ウェザーニュースが用いるような **「アプリ利用者へのオンライン調査」** は、世界規模の比較を行う際に便利な反面、**全数調査(母集団全体を反映する調査)とは異なる“歪み(バイアス)”が入りやすい方式**です。 国・地域別の比較でとくに起こりやすい歪みを体系的に整理すると、以下のようになります。
やはりネット上の質問調査には限界がある。少なくとも卒論・修論研究で引用できるようなデータではない。 放送でも映像が紹介されていたが、渋谷のスクランブル交差点のような人が多く行き来する場所で、一定の降水量があった時にどのくらいの人が雨傘をさすのかを観察すれば質問調査より高い精度で国・地域別比較ができるかもしれない【但しそれぞれの観察地点の特性も考慮する必要あり】。といっても世界各地を飛び回ることは難しいので実際はライブ中継画像を観察することになる。小中学生の自由課題研究に向いているかもしれない。 |