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今回のツアーでは、まず成田からジャワ島のジョグジャカルタに向かうことになっていたが、成田・ジャカルタ便の欠航の影響などから、 成田→デンパサール(バリ島)→ジャカルタ(ジャワ島)→(泊)→ジョグジャカルタ(ジャワ島) という乗り継ぎを余儀なくされた。 写真は最初に到着したデンパサールの空港。ターミナルがバリ島らしい建築様式になっていた。 |
【連載】高齢社会における『ぬくもり』(その3):あさイチ 配偶者との死別〜ひとりを生きるヒント 6月12日の続き。今回は、6月25日にNHK『あさイチ』で取り上げられた、 ●配偶者との死別〜ひとりを生きるヒント▼身元保証人&住まい対策 について感想・考察を述べることにしたい。 その前に前回について補足させていただく。 前回の日記で指摘したように、独り暮らしの人はパートナーを見つけることでとりあえずは孤独から逃れることができる。しかし、何回再婚したとしても、どちらかが先に死ぬという宿命から逃れることはできない。夫婦のうち先に死ぬほうは配偶者に看取られて『ぬくもり』を感じながら死ぬことができるかもしれないが、先立たれた者は孤独死せざるをえない。 仮に100組200人の男女がいたとすると、10年、20年、30年と経つなかで、夫婦のうちのどちらかが先に死亡し、いずれは100人の独り暮らしが残ることになる。そこでもしすべての人が「配偶者と死別したら直ちに再婚する」という選択をした場合、今度は50組のカップルが誕生する】。そして今度は50組100人のうちの50人が再婚相手とと死別する。これを繰り返していくと最終的には男女1人ずつが生き残って最後の1組のカップルが誕生することになる。そしてそのうちの1人はもう1人に看取られて先に死ぬ。残された1人はもはや相手が居ないので孤独死するほかはない。 上記の計算は、数学的には、野球の200チームがトーナメント戦を行った場合の試合数の計算と同じことになる。すなわち、200チームが対戦して優勝チームを決めるためにはそのうちの199チームが負けなければならないので、どのように組み合わせたとしても199試合が必要となる。元の話題に戻せば、200人の男女が死別のたびに再婚するというのは、試合に勝つということと同じであり、199組のカップルが誕生し、最終的に1人が残るという計算となる。但し人間の場合は、
いずれにせよ、前回も指摘したように、孤独死が怖いからパートナー探しをするというのは、パートナーより自分のほうが先に死ぬということを前提としており、おおむね1/2の確率で間違っていることになる。では、 ●どうせ死別するのだからパートナー探しは無意味 ということになるのか? しかしこの発想は、 ●人はいずれ必ず死ぬのだから、何をやっても意味はない。 と同じ投げやりで消極的・受け身的な人生観に繋がる。そうではなくて、 ●人はいずれ必ず死ぬのだから、死ぬ前の間に(無理の無い範囲で)それなりにやれることをやる。そうやって多様な価値に触れることに生きる意味がある。 と考えるほうが、より豊かな人生に繋がるのではないかと思う。パートナー探しについても、 ●いずれ死別することが必然であったとしても、独り暮らし生活と比べてパートナーと一緒に暮らしたほうがより豊かな人生を過ごせる と判断すればそちらを志向すべきであろう。なおここでは「より豊かな人生」のほうが「豊かでない人生」より望ましいということを前提としているが、それが絶対正しいと言っているわけではない。「豊かではない人生」というか、徹頭徹尾シンプルで、我欲を捨て、自然とともにあるがままの人生を送りたいという人もおられるかもしれない。ここではそういう人生観についてあれこれ批判するつもりはない。 さて前置きが長くなってしまったが、放送の前半では配偶者と死別した人たちの暮らしぶりが紹介されていた。私にとって印象的だった事例としては、
もっとも、結婚であれ、籍を入れない同棲生活であれ、パートナーの振る舞いによって翻弄されるような人生はどうかと思う。動物の喩えになって恐縮だが、よく、飼い犬は飼い主の支えがないと生きていかれないが、飼い猫は飼い主に死別してもその翌日からは地域猫として自立して生きていかれるという話を聞く【←放し飼いで買われている猫の場合。過保護に育てられている家猫では自立できないかも】。結婚あるいは同棲の場合も、各々が猫型のライフスタイルを維持していれば、死別・離別しても比較的楽に第二の人生に移行できるのではないかと思う。 番組の後半では、死別により新たに生じた困難として、2点が取り上げられた。
もっとも入院や治療に関しては、当事者が重病となり意思の疎通ができなくなる場合もある。そうなる前に、治療方法(延命重視か緩和ケアか、高額な先進医療を受けるか)の選択について希望を伝えておく必要はありそうだ。これは死別者ばかりでなく、非婚者や離別者など独り暮らしの人たちすべてに当てはまる。 不定期ながら、次回に続く。 |