じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
§§ |
文学部耐震改修工事二期分の進捗状況。2月16日(土)には、工事中エリアと昨年春に竣工した一期分エリアを隔てていたカーテンが撤去され、東西の廊下から突き当たりまで見通せるようになった(写真上)。また、中にはの一部ではタイル貼り工事が行われていた(写真下)。 |
【思ったこと】 130216(土)NHK朝ドラ「純と愛」で出現した「純愛熱中症」と「アンチ純愛症候群」(13)私自身の評価点は3.5/5.0くらいかな これまでの連載ではもっぱら「アンチ純愛症候群」について批判的に取り上げてきたが、私自身は決して、このドラマをベタ誉めしているわけではない。ちなみに、2月4日の日記で
このうち、いちばんのマイナス評価部分は、やはり、純がめざしている「まほうのくに」像の不明確さにある。「宿泊すればたちまち、お客様が素敵な笑顔になる」とか「家族のようになれる」というのがモットーであるというが、そもそもそういうホテルが存在しうるのか、違和感を抱かざるを得ない。「まほうのくに」のモデルは「祖父が生前に経営し ていた時の、魔法の国のようなホテル「サザンアイランド」」にあるという設定になっているが、そこで具体的にどういうサービスが提供されていたのかは全く描かれていない(ジュークボックスが置かれているだけ?)。 オオサキホテル時代のエピソードに関して言えば、同じ「ホテル」という名前がついいても、離島の「ホテルサザンアイランド」(ロケ地は伊良部島のホテル サウス アイランド)と、大都市のホテル「オオサキプラザホテル」(ロケ地はANAクラウンプラザホテル大阪)では、利用客の目的やニーズはまるっきり違う点に留意する必要がある。そもそも、都市型ホテルを「まほうの国」に変えることができるのかどうかは大いに疑問であった。【2012年10月7日の日記参照】 いま放送されている「里や」のウリは、ヘアメイク、マッサージ、人間ジュークボックスなどであるというが、うーむ、少なくとも私は、そんな騒がしいところには泊まりたくない。というか、こういう特長をウリにするなら、ホテルではなく、デイサービスセンターやコミュニティハウスのほうがピッタリではないかと思う。 このドラマは、どうやら、「客の不注意が原因で里やを失った純が宮古島に新しいホテルを建て、狩野家と待田家と共にホテルを経営し、「まほうのくに」へと導くストーリー」になると予想されている。都市型ではなくリゾートホテルであれば、宿泊客が楽しめるようないろいろな仕掛けが作れるとは思うが、私だったら、まほうがあろうと無かろうと、まずはロケーション、それから温泉、もちろん、それ以前として衛生的で宿泊料金が手頃であることが前提。そこから先は、宿泊者の能動的な選択に委ねればよいのであって、サービス過剰の騒がしいホテルはむしろ敬遠したくなる。いずれにせよ、具体的な内容を伴わない「まほうのくに」が実現しても、達成感をともなった感動は視聴者には得られない。それよりも、2月11日の日記で述べたような「夢オチ」にしておいて、【ねむりひめの眠りから覚めて】オオサキホテルの従業員となった純が、 「まほうのくに」ってホントにあるのかなあ。あるよねえ...きっと。夢の中ではいっぱい失敗したけれど、どれもみな良い経験。いつか、本当のまほうのくにを作ってみせるよ〜 とつぶやくシーンでエンディングとなるのが妥当であるかもしれない。 このほか、これもすでに述べたことだが、一週間の「起承転結」型の展開のなかにいろいろなエピソードを盛り込みすぎていてついて行かれない部分もマイナス評価にせざるをえない。Yahooのあらすじ予告によれば、2月18日(月)から23日(土)の週は、宿泊客どうしの「えんむすび」騒動、親の介護問題、酒乱、そして最後には「里や」の焼失という展開になるらしいが、こんなにたくさんのエピソードをこなしきれるかどうかは大いに疑問。展開が速すぎるほど、個々のテーマが粗雑に扱われる恐れがありそう。 もう1つ、ストーリーの展開とは直接関係ないが、一部の職業について「努力しなくても簡単になれる」という印象を与えている点も若干気になる。「里や」のウリの1つの、狩野正(純の兄)のあん摩マッサージ指圧師などまさにそうだが、この資格をとるために日々修行を積んでおられる方々へのリスペクトが足りないようにも思える。 ま、いろいろマイナス点を感じるドラマではあるが、人生60年、朝ドラを毎回視たことが一度も無かった私が視続けるくらいであるから、それなりの魅力があることも確か。純や愛(いとし)を初めとした登場人物もみな好きになれる。夢オチのエンディングになることを期待しつつ、あと1ヶ月余りを楽しみに視聴していきたいと思っている。 |