じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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　文学部耐震改修工事二期分の進捗状況。2月19日（火）の朝、講義棟南側にあったカイヅカイブキの老木がすべて伐採された。もともとあまり根が張らない樹種ということもあって、殆ど無抵抗のまま、なぎ倒されていった。


2013年02月19日（火）
【思ったこと】
130219（火）朝ドラの予告・あらすじは必要か？

　NHK朝ドラ（連続テレビ小説）「純と愛」では、毎回終了時に翌日、また土曜日には次週全体の予告が放送される。これに加えて、Yahooテレビでは翌週の同じ曜日の放送分まであらすじが公開されているため、その気になれば、その先6回分の展開を知った上で本放送を視聴することができる。このようにしてあらすじを知った上でドラマを視る場合と、そのような情報は一切遮断してあくまで放送だけを視てこれから先に起こることをあれやこれやと想像したほうが楽しいのか、判断が分かれるところである。

　従来私は、予告や結末に関する情報（「ネタバレ」）を一切遮断してドラマや映画を観ることが多かった。以前、冬ソナを録画再生て視ていた時なども、私がハマっていたのはNHKの初回放送から3年も経った2006年の冬であったため、その気になればいくらでも展開を知ることができたのだが、そういう情報をすべてシャットアウトしたことで、最後までハラハラドキドキしながら楽しむことができた。昨日取り上げた「ALWAYS 三丁目の夕日'64」に同様であり、もし、観る前に医師の菊池孝太郎や、人気作家の緑沼アキラの正体が分かっていたら感動が少なかったかもしれない。
　もっとも、ウィキペディアの ネタバレは作品の楽しみを奪うのか否かという項目には
一般的な常識として、ネタバレはこれから作品を鑑賞しようとしている人の楽しみを奪い、作品の魅力を台無しにしてしまうものであると考えられている。ネタバレが忌避される理由の一つは、こうした常識を根拠としたものである。

ところがこの常識に異論を寄せる研究結果もある。2011年にカリフォルニア州立大学心理学部が学生30人を対象に行った実験では、これから読む推理小説の結末を知らされずに読んだ読者よりも、結末に関するネタバレを知らされていた読者の方が、作品を楽しめたという評価が高くなるという結果が得られた。研究者はこの実験結果を、あらかじめ結末を知ることによって作品のプロットや散りばめられた伏線に対する理解が深まり、その結果として自分が理解しやすい内容を好ましく感じる脳の作用が反映された結果だと推測している。
という記述もある。今回の「純と愛」は、エピソードが多様に盛り込まれている上に、「上げては落とす」が繰り返されているため、いったん安堵した視聴者を再び落胆させる展開が少なくない。このため、一週間先までの内容を知った上で視ていたほうが落胆が少ないというメリットがあるようにも思える。

　ちなみに、2月19日の放送では、宿泊客の水田寛治と火野美矢がお酒を飲むか、タバコを吸うかといった会話をするシーンがあり、火野美矢はお酒もタバコも嫌いだと答えた。ところが火野美矢は、「里や」の前の路上で、タバコに火をつけながら純と話をする。これらの部分は、予告あらすじを知っている視聴者からみれば、火野美矢は強度の酒乱であり、酔った美矢のタバコの不始末で、「里や」が火事になるという展開を知っているので、ああこれは伏線だろうと丸わかりになってしまう。いっぽう、予告を一切見ない視聴者の中には、路上でタバコを吸うシーンなどはNHK朝ドラにはふさわしくないと激怒する人がいるかもしれない。

　同じ2月19日の放送では、純と愛（いとし）が、板前の忍に「サトに愛を告白しろ」とけしかけるシーンがあった。純と愛の２人は仲むつまじく、このままのハッピーエンドを期待させるものであるが、翌週のあらすじでは、なっなんと、純はブランドショップの店員に再就職を決めてしまい、愛（いとし）と大げんかし、離婚騒動（←またかあっ！）に繋がる展開になると予告されている。こういうことを知ってしまうと、19日の仲むつまじい様子も素直には喜べなくなる。

　ちなみに、「里や」に泊まっている「私を笑わせて」というお客は、実は、純が再就職したブランドショップのデザイナーで、来週水曜日には、この人によって純が解雇されることになるとか。このあたりは、事前に知っておいたほうがよいのか、予告情報を遮断して意外性を楽しんだほうがよいのか、何とも言えない。

　本来ドラマというのは、作り手が巧妙にしかけた伏線を読み解き、視聴者自身の手でその先の展開を能動的に予測することで楽しめるものであるからして、予告・あらすじを読むのは邪道であるかもしれない。もっとも、かつてTVゲームにはまっていた時代も、攻略本があったほうが楽しめたゲームは少なく無かった。今回のドラマに関しては、当面はあらすじを読んでから視たほうが精神衛生上良さそうである。但し、最終回を含む最後の3回分くらいは、何も知らないほうが感動（もしくは、大がっかり）の度合いが大きいかもしれない。